5-1|弱者が営業で勝つための戦い方 (1/4)
営業で負ける会社の多くは、
「最初から全体を取りに行く」という戦い方をします。
市場全体を見渡し、
「シェアを取りたい」「存在感を示したい」と考える。
一見、正しい戦略に見えます。
しかしこれは、
強者の戦い方です。
弱者が同じ土俵、同じ戦場、同じルールで戦えば、
結果はほぼ決まっています。
努力や根性の問題ではありません。
構造的に勝てないのです。
だから、戦い方を変えます。
① 最初から全体を取りに行かない
私の営業戦略は、極めてシンプルです。
最初から全体を取りに行かない。
まずやるべきことは、
市場を広く見ることではありません。
「確実に抑えられる場所」を一つ見つけることです。
これを「橋頭保(きょうとうほ)」と呼びます。
• 絶対に勝てる条件が揃っている
• 戦力を分散させずに済む
• 相手が本気で奪い返しに来にくい
こうした場所に、
戦力を一点集中させます。
橋頭保が取れていない段階での拡大は、
ただの消耗戦です。
橋頭保を作る
↓
そこで勝ちパターンを確立する
↓
初めて戦線を広げる
この順番を間違えないことが重要です。
② ランチェスター理論で考える
なぜ一点集中が重要なのか。
それを端的に示すのが、ランチェスター理論です。
例えば、100機対200機の空中戦があったとします。
直感的には「1対2」ですが、
実際の結果はそうなりません。
戦力差は二乗で効いてくるため、
結果は「1対4」に近い圧倒的な差になります。
これは営業でも同じです。
• 営業人数
• 資本力
• ブランド
• 情報量
これらで劣る会社が、
真正面から競合とぶつかるのは、
自ら不利な計算式に入る行為です。
「頑張れば何とかなる」
「熱意で覆せる」
そう思いたくなりますが、
多くの場合、結果は覆りません。
だからこそ、
戦わない場所を決めることが、戦略になります。
③ 弱者は「戦場」を変える
具体例で考えてみます。
ある弱小企業が、飲食店向けの営業をするとします。
• 競合:5社
• トップ企業の営業マン:100名
• 自社の営業マン:6名
この状況で、
• 急行停車駅
• 繁華街
• 人通りの多いエリア
を狙うのは、ほぼ自殺行為です。
なぜなら、
強者が常に張り付いている戦場だからです。
私なら、こう考えます。
• 各駅停車しか止まらない駅に行く
• そこに全戦力を投入する
• まず、その駅の片側エリアだけを徹底的に押さえる
• そのエリアで「この会社はよく見る」という状態を作る
• 次に駅の反対側を攻める
• それから、隣の各駅停車駅へ横展開する
こうして、
小さな勝ちを積み重ねながら陣地を広げる。
これが橋頭保作戦です。
営業とは、
話がうまいかどうかでも
人当たりがいいかどうかでもありません。
本質は、
どこで、どう戦うかを先に決めているかです。
営業は能力勝負ではなく、
設計勝負です。
(次では、橋頭保をどう見つけるか、
どの条件が揃えば「勝てる戦場」になるのかを掘り下げます)
次は、弱者が狙うべきシェア率と「絶対安全数」について説明します。
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