8-2|判断が漏れる場所は、いつも決まっている -会議・評価・報告という三つの穴- (2/3)
前回では、
企業を「木桶」に例え、
一番低い木片から水(情報・人材・収益)が漏れる
という話をしました。
では実際に、
判断はどこから漏れているのか。
私の経験上、
ほぼ例外なく、漏れている場所は三つに集約されます。
① 会議:決めるために集まっていない
判断が漏れる最初の穴は、会議です。
多くの会議は、
• 情報共有で終わる
• 意見交換で終わる
• 雰囲気確認で終わる
つまり、「何も決まらない」。
ここで起きている問題はシンプルです。
会議の目的が「判断」ではなく
「説明」や「同意形成」になっている。
結果として、
• 次回までの宿題が増える
• 判断は先送りされる
• 現場は動けない
これは、
木桶の底板が抜けている状態と同じです。
会議で最低限必要なのは、
• 今日決めることは何か
• 誰が決めるのか
• 決めた結果、何が変わるのか
これが定義されていない会議は、
判断を漏らす装置になっています。
伝言ゲーム
これは有名なたとえ話ですが、
江戸城で風が強い夜、家康は家臣に指示を出します。
今日は風が強いから、くれぐれもかがり火に注意するよう伝えておけ。
家臣は番頭に、番頭は足軽頭に、足軽頭は門番に指示を伝えます。
しかしその晩火事になりました。
さて、指示を出したにも関わらずなぜ火事が起きたのか?
それは目的が「伝えること」に代わり、
「火事を未然に防ぐこと」にならなかったためです。
② 評価:正しい行動が報われていない
次に水が漏れるのが、評価制度です。
経営者はよくこう言います。
「主体的に動いてほしい」
「考えて行動してほしい」
しかし評価を見ると、
• 失敗しない人が高評価
• 前例を守った人が安全
• 判断しない人が責任を負わない
こうなっているケースが非常に多い。
これはつまり、
判断するほど、損をする構造
です。
この状態では、
• 情報は上に上がらない
• 誰も決めなくなる
• 現場は黙る
どれだけ会議を改善しても、
評価が変わらなければ水は漏れ続けます。
③ 報告:判断に使えない情報しか来ない
三つ目の穴は、報告です。
報告資料が、
• 過去の数字の羅列
• 結果の説明だけ
• きれいに整えられた資料
になっている場合、
それはもう判断材料ではありません。
経営判断に必要なのは、
• 何が起きているか
• なぜ起きているか
• このままだと何が起きるか
つまり、
未来に向けた判断のための情報
です。
報告が「報告のための報告」になった瞬間、
判断は現場で止まり、
経営は後追いになります。
三つの穴は、必ず連動している
重要なのは、
この三つは単独では存在しないという点です。
• 会議で決まらない
→ 評価されない
→ 報告されなくなる
この循環ができた瞬間、
木桶は一気に水を失います。
そして経営者はこう感じます。
「現場が動かない」
「優秀な人が育たない」
しかし実際には、
動けないように設計されているだけなのです。
次は、
結果を出している人は例外なく「自分で決めている」
-判断を他人に預けないと言う覚悟-
について説明します。
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