三十六計|第22話 関門捉賊 ~出口を塞げば、勝負は終わる~
人は相手を止めたい時、
正面から戦おうとする。
しかし、追い詰めた相手ほど
激しく反撃してくる。
見るべきは相手ではない。
相手の逃げ道である。
【三十六計 第二十二計の意味】
関門捉賊(かんもんそくぞく)
関所や門のように、相手が通る場所を押さえ、
逃げ道を封じる戦略。
相手を正面から倒すのではなく、
逃げ道・退路・重要な通路を押さえて
動きを封じる戦略。
重要なのは、
正面から潰すことではない。
・逃走経路を断つ
・選択肢を減らす
・動ける範囲を狭める
ことで、
相手を弱らせる。
これが関門捉賊である。
【現代語訳】
強そうに見える相手にも、
必ず依存している通路がある。
・販売チャネル
・資金調達手段
・情報経路
・責任回避ルート
多くの人は、
相手そのものを攻撃するが、
本質は違う。
・最も使う道を塞ぐ
・最も頼る出口を断つ
・最も重要な門を押さえる
すると、相手は自由に動けなくなる。
相手を倒すのではない。
動ける条件を奪うのである。
【歴史の事例】
韓信は楚との戦いで、
敵軍を正面から潰すだけではなく、
退路を断つ戦い方を用いた。
敵軍は兵力が多く、
正面衝突では消耗が大きい。
そこで、
・補給路を押さえる
・退却路を封じる
・要所を先に確保する
すると、
敵は逃げ場を失い、
戦力を維持できなくなった。
結果として、
大きな正面決戦より先に、
勝敗は決していた。
敵を全滅させたのではない。
出口を塞いだのである。
【経営事例】
ある企業が、
価格を武器に市場を荒らす競合に苦しんでいた。
競合相手が強かった。
・安売りを繰り返す
・新規顧客を奪う
・短期的な勢いもある
多くの企業は、
・値下げで対抗する
・広告を増やす
・正面競争を仕掛ける
しかし消耗していった。
それにもかかわらず、
ある企業は利益を守りながら、
競合の勢いを止めることに成功した。
なぜ止めることができたのか?
この企業は、
競合の成長経路を分析した。
その結果、
・新規顧客の獲得依存
・低価格への依存
・乗り換えやすい顧客構造
が成長を支えていることを発見した。
そこで、
・法人向け長期契約を増やす
・独自サービスを組み合わせる
・高品質サポートを強化する
・乗り換えコストを高める
すると、
・既存顧客が離れにくくなる
・価格だけでは奪えなくなる
・競合の拡大速度が落ちる
結果として、
・競合の勢いは鈍化
・自社利益は維持
・市場シェアを守ることに成功した
この企業は競合を攻撃していない。
競合の出口を塞いだのである。
【解説】
この企業経営者はこう考えた。
①「正面競争は消耗戦になる」
・価格競争
・広告競争
・短期対抗
は不利だ。
②「相手の逃げ道を探す」
競合が何に依存しているかを
分析する必要がある。
③「出口を塞ぐ」
・顧客流出経路
・低価格依存
・乗り換え経路
を断てばいい。
④「戦わずに動きを止める」
こうして、
相手そのものではなく、
相手の動線を封じた。
これがまさしく、
関門捉賊である。
【経営応用事例】
① 営業競争
競合より先に
重要顧客を押さえる
② 組織運営
責任逃れの
仕組みをなくす
③ 交渉
相手の代替手段を減らす
共通するのは、
相手ではなく、
相手の通路を見ること
である。
【核心メッセージ】
相手を倒すな。
逃げ道を塞げ。
【まとめ】
関門捉賊とは、
力で押し潰す戦略ではない。
・相手の通路を見抜く
・最重要の出口を塞ぐ
・自由な動きを奪う
ための戦略である。
本当に強い者は、
正面から戦い消耗することを避ける。
相手が動ける道を失った時、
勝負はほぼついている。
門で待つ者が、最後に勝つ。
次回予告
三十六計|第23話
遠交近攻 ~近くは抑え、遠くと組め~
三十六計シリーズ目次
投稿記事インデックス ★こちらで関心ある記事をお探し頂けます
孫子の兵法シリーズ目次 ※全42話が確認頂けます
いいなと思ったら応援しよう!
もしよろしければ応援をお願いいたします。いただいたチップはクリエイター活動費に使わせていただきます!ありがとうございます。