接待ゴルフには行かない
私は結婚をするつもりがない。
同性愛者として現状、結婚できないことがそう思うに至った大きな要因なのかもしれないが、かといって、理想の男性と出会ったとして、公的な制度が整ったとして、そのときに結婚したくなるかどうかも、今の私にはわからない。
今後、二十代後半から三十代にかけて、友人達がパートナーと一生を共にする決断をしていく中で、私にはそのようなライフステージがないことを何度も思い知らされるのだろうか。
そのようなことを毎日のように布団の中で思いを巡らせる。このような行為は、経験上、精神衛生上、非常によろしくない。そんなことはとうにわかっている。
だがしかし、同等もしくはそれ以上に、カミングアウトした際に、異性愛者から大きくラベリングされることも想像に難くない。
三十代後半から四十代にかけては、売れ残った、人間としてどこか問題のある奴として見られるのだろうか。
そうならないためには、会社では、“ソロキャンプやスパイスカレー作りなどの趣味を満喫している独身おじさん”を演じないといけないのだろうか。パワハラする部長だって、セクハラする課長だって、職場中で嫌われているあのお局だって、結婚しているのに。性格の悪い人間は性格の悪い人間同士で番うことができるのに。
こうして燻り切ったであろう十代もあと一年とちょっとで終わる。ハタチになんてなれるかもわからないほどに最低な日々が続いている。
この先も、恋バナの際に、好きなタイプをぼかして伝えることも続いていくのだろうか。
好きな男性と同じ屋根の下で暮らす際は、周りの人間達には、シェアハウスしてるんですよ〜、と、ちょっと戯けてみせないといけないのだろうか。
「お前ら付き合っちゃえよ‼︎」とは言われずに、「本当に仲がいいんだね〜」とばかり言われて、愛想笑いをするんだろうか、できるんだろうか。
そんな時代もあったね、なんて笑える日は待っているのだろうか。
一人でも幸せになれる時代でありながら、常に足場がぐらついている時代。私は、この世界で共に闘う絶対的な仲間が欲しいだけなのかもしれない。
そのためには、いつか来たる接待ゴルフのために、打ちっぱなしに行ってみるべきか。それとも、お局の愚痴に、積極的に相槌を打つべきか。はたまた、相席居酒屋なんてどうだろう。
いや、独身なんてのも悪くないかもしれない。
