見出し画像

お母さんは、のび太君

「お母さん、ドラえもんの劇をしよう。わたしが、ドラえもんするから、お母さんはのび太君ね」

「えー、はーい。
眠たいなー。昼寝でもしよっと」

「のび太君、そんな寝てばかりいたら、ロクな大人にならないからね」

ははは、言われちゃったなあ。

寸劇に飽きた娘とふたりで、ドラえもんの道具で好きなものを出し合ってみた。

タケコプター
身軽に空を飛びたいから。

エレベート•ボタン
飛ぶのもいいけど、空を歩きたい。

ガリバートンネル
洗面器がプールになったり、お菓子をたくさん食べれたりするから。

きせかえカメラ
色んなデザインの服を着たいから。

はいりこみライト
テレビや漫画や本の世界に憧れているから。
その世界に入りたい。

お座敷水族館(スモールライト)
部屋の中に、海を持ってこれるなんて最高。
一日中、寝転んで眺める。

タケコプター
空を飛びたい。でも、頭につけていてバランスが悪くないのかいつも心配になる。
水の中みたいな感覚になるのだろうか。
お尻にもタケコプターつけないと、ちょっと心配。

魔法の絨毯
魔界大冒険に出てくる、みやこさんの魔法の絨毯。絨毯の中に部屋があり、宇宙まで行ける優れもの。

植物改造エキス
植物に注射して、いろんなご飯ができる。カレーやラーメンなど。
身をふたつに割って、その中にご飯が入っているという展開が好きすぎる。

かべがみハウス
壁に扉を貼り付けて、その先に店や別な部屋が出来る。秘密基地みたいでワクワクする。

ふたりが出した道具をAIに、それぞれの性格を分析してもらう。
ついでに、親子関係もみてもらう。

まず、娘の選んだ道具たち。

タケコプター、エレベートボタン、ガリバートンネル、きせかえカメラ、はいりこみライト。

こうして並べてみると、ある共通点がある。
それは、「世界を体験したい」という気持ちの強さ。

空を飛ぶ、空を歩く。
大きさを変えて世界の見え方を変える。
服を変えて自分自身を変化させる。
そして、物語の中に入り込む。

どれも、「外の世界へ出ていく」だけでなく、
その世界の中に自分が入り、変化しながら楽しむという性質を持っている。

娘は、ただ眺めるだけでは足りないのだね。
自分自身がその一部になってこそ、世界を味わえる人。
ステキ。それがいい。これからを生きていくのだから。

体験型で、没入型。
そんな、強い想像力のかたちが見えてくるのだそう。


一方で、私が選んだ道具。

お座敷水族館、タケコプター、魔法の絨毯、植物改造エキス、壁紙ハウス。

こちらにも、やはり共通点があった。

それは、「世界を自分の側に引き寄せる」という感覚である。

海を部屋の中に持ち込み、寝転びながら眺める。
空を飛ぶにしても、その構造や感覚に思いを巡らせる。
移動するための道具にも、居心地のよさを求める。
壁の向こうに別の空間をつくり、内側を広げていく。

外へ飛び出すというよりも、
世界を自分の中に取り込み、じっくり味わうような選び方らしい。

ロマンに惹かれながらも、どこか現実的で、観察する視点もある。
内側の世界を豊かにしていくことに、安心や喜びを感じるタイプとのこと。
なるほど。年齢的なものかしら。


こうして並べてみると、私たち親子は少し対照的。

娘は、外へ、体験へ、変化へ向かう。
私は、内へ、鑑賞へ、構築へ向かう。

けれど、その方向は違っていても、
どちらにも共通しているのは、「想像力」だった。

現実だけにとどまらず、別の世界を思い描き、楽しむ力。

娘はその世界に入り込み、
私はその世界を手元に引き寄せる。

方法は違うけれど、同じように、空想の中で呼吸をしている。


そうだなあ。
どうやら、お母さんは、やはりのび太君タイプだな。ロクな大人になっていないよ。
それでも、娘ちゃんもいるし、まあまあな人生だと思う。
いや、最高ですよ。

昼寝でもしながら、空想しとくかな。
もちろん、娘ちゃんの冒険を応援しながらね。

……ぐう。

お母さんは、のび太君だからさ。