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『あなたは、この国の何を大切にしたいですか?』

「あなたが納めた所得税の5%を、好きな分野に割り当てられます」

そんな制度があったら面白いと思う。

例えば、

子育て
福祉
教育
医療
防災
科学研究
文化芸術
地方創生

いくつかの分野から、自分で選ぶ。

もちろん、全ての税金の使い道を個人に任せるのは無理だと思う。

道路の修繕や下水道、国防など、人気はなくても必要なものがある。

だから、ほんの一部でいい。

自分が納めた税金の一部だけでも、

「私はここに使ってほしい」

と意思表示ができる。

それだけで、税金に対する感覚は少し変わるんじゃないだろうか。

稼いだら稼いだ分だけ、何かが減る。

所得が増えたことで、手当や補助の対象から外れる。

「働き損」

という言葉が出てくる。

この言葉が私は嫌いだ。

働いたのに損をする。

そんな感覚を持たせる制度は、どこかおかしいと思う。

少なくとも、納めることがただの喪失に感じられない仕組みは作れないだろうか。

例えば、今年は去年より所得が増えた。

税金も増えた。

でも、

「去年より多く、子育て分野に割り当てられました」

と表示される。

それなら少しだけ嬉しくないだろうか。

もっと納めれば、自分が選んだ分野を、もう少し大きく支えられる。

もっと納めれば、社会のどこを支えたいのか、少しだけ強く意思表示できる。

お金持ちだけに権力を与えたいわけではない。

一票を二票にしろとも思わない。

ただ、

たくさん納税した人が、

「たくさん取られました。以上です」

で終わるのは、少し寂しいと思う。

たくさん納めた。

それは普通にすごいことだ。

少しくらい誇ってもいい。

そして、その人が何を大切にしているのかも知りたい。

高所得者は科学研究を選ぶのか。

子育て世代は教育を選ぶのか。

高齢者は医療を選ぶのか。

若者は芸術を選ぶのか。

地域によって違うのか。

毎年、

「今年、国民が最も多く選んだ分野」

が発表されたら、私は普通に見たい。

そこには、選挙とは少し違う形で、

今、この国に住んでいる人たちが何を大切にしているのか

が表れる気がする。

政治への興味は強制できない。

愛国心も強制できない。

国旗を大切にしたから、その人が国を愛しているとも限らない。

反対に、政治に文句ばかり言っている人が、国を嫌っているとも限らない。

私は、政治参加というものを、

選挙に行くことだけではなく、

自分がこの国のどこに関わりたいのかを考えること

だと思っている。

「国を大切にしてください」

と言われるより、

「あなたは、この国の何を大切にしたいですか?」

と聞かれる方がいい。

私はそっちの方が、政治に興味を持つと思う。

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