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3年目のトルコギキョウ、定植が始まりました——浪江の畑から


こんにちは、Farm Eolicaの関口です。

4月も中旬に入り、浪江町の畑はすっかり春の陽気に包まれています。朝のうちはまだ少し肌寒さが残りますが、日中は汗ばむほどの日差しが降り注ぐようになりました。菜の花があちこちで咲き乱れ、畑仕事に出るたびに「ああ、春だな」とじんわり感じる季節です。

今回は、そんな4月の浪江の畑から、今年のトルコギキョウ(トルコ桔梗)定植の様子をお届けします。苦労話もありますが、前向きにやっています。最後まで読んでいただけると嬉しいです。

ハウスの周りをよく走り回っているキジ

8品種に挑戦、1ハウス4000本の定植作業

今年のトルコギキョウは、8品種に挑戦しています。

そのうち2品種、ノアシルキーピンクとラグーンフラッシュについては、種蒔きからの育苗に挑みました。育苗チャンバーを自作して、種子の冷蔵から育苗までを一貫してそこで行うという挑戦です。発芽率はそれなりに出たのですが、育苗中の水管理に不備があり、結果として定植に使えそうな苗は少なめに終わってしまいました。それでも「これも勉強だ」と思って、今回は植え付けてみることにしました。育苗の詳細については、また別の記事でじっくり書こうと思っています。

購入苗については、株がしっかり育っており、状態はおおよそ良好です。品種によって花付きのばらつきはありますが、全体的には今年も期待が持てるスタートを切れています。

定植の規模は、2ハウスで合計6000本前後。 大きい方のハウスだけで4000本を超え、穴を開けて苗を一本一本植え付けていく作業は、ハウス1棟あたり10時間ほどかかります。準備も含めると、この時期は畑にいる時間がとても長くなります。日が沈むまでの時間も伸びてきて、18時を過ぎてもまだ明るい中で作業を続ける日が出てきました。

苗が土に落ち着いて、ハウスの中に緑の列が広がっていくと、「今年も始まったな」という気持ちになります。疲れていても、その瞬間だけはすっと気持ちが整う感じがして、やっぱりこの仕事が好きだなと思います。

4月に定植したトルコギキョウは、7月下旬から8月ごろの出荷を目指しています。

植え付け直後のトルコキキョウ。まだまだ小さい苗

3年目の節目——先輩農家と、自作アプリと共に

実は最近、4月中旬に植え付けるこの作型に挑戦する農家が減っています。理由はシンプルで、出荷時期の暑さも重なり、市場価格がぐっと下がるため。金銭的にはあまり良い思いをしにくい時期だからです。

それでも僕は1年目、2年目と続けてきました。そして3年目の今年も、同じ時期に植え付けることにしました。理由は一つ、自分の技術力がどれだけ伸びたかを確かめたかったからです。

1年目はとにかくやり方を覚えることに必死で、2年目は改善点を探しながら走った感じでした。3年目は、積み上げてきたものが実際に形になるかどうかの節目だと思っています。来年からは作型をずらすことも視野に入れつつ、まずは今年、しっかりやり切ることが大切だと考えています。

ただ、正直に言うと、技術力の向上には苦戦しています。思ったように結果が出ない部分もまだあります。だからこそ今年は、先輩農家と積極的に情報共有しながら、丁寧に管理していくつもりです。

そしてもう一つ、今年から栽培管理アプリを自作して導入しました。次にやるべきことの確定、作業の見える化、実施データの分析、チェックの流れがスムーズになってきています。まだ運用しながらブラッシュアップの段階ですが、アプリとシステムの連携も実機で進めていく予定です。今年はある意味で、新しいアプリのお披露目も兼ねた栽培になります。データをしっかり取りながら、技術と仕組みの両輪で前進していきたいと思っています。


課題は「土」——粘土質との向き合い

今年の課題をひとつ挙げるとすれば、やはり「」です。

僕のハウスの圃場は、粘土質が強い土質です。色は程よく黒く、CEC(陽イオン交換容量:土が養分を保持する力の指標)は20前後とそれほど悪い数値ではありません。2年間の土づくりで、化学性の数値はかなり改善してきました。

気になっているのは物理性です。団粒構造(土の粒子が集まって空気や水が通りやすい状態)は、耕うん直後には崩れているのが通常なので、定植のタイミングで気にしすぎても仕方ないのですが——今年僕が気になっているのは、土の手応えそのものです。パッと見は茶色で良い土のように見えるのに、実際に掘ってみるとかなり固く締まっていて、砂の粒度も細かく、ずっしり重い土のような印象を受けます。もともと粘土の塊(それはもう陶芸に使えば良い焼き物になりそうな)がゴロゴロと圃場にありましたので、それらの影響も少なからずあると思います。

定植の穴を開けるときは指が痛くなりますし、今でも粘土の塊を見つけ次第、畑の外に持ち出す日々です。毎年この時期、手と腰に堪えます。

水管理もなかなかに難しいです。与えすぎるとぐちゃぐちゃになって酸素不足になり、与えなさすぎるとすぐに乾燥してしまう。しかも見た目では水分状態の良し悪しが分かりにくいので…勘と経験(とデータ)を積み重ねるしかありません。

今後の方向性としてはやはり変わらず、とにかく有機質をしっかり入れて、微生物を増やし、ふかふかの土をつくっていくこと。物理性と生物性の改善は地道な積み重ねで、すぐには結果が出ません。それでも、やるしかないと思っています。

露地圃場を見るとノウサギの足跡。自然の息遣いが感じられる一幕

それでも今年もスタートしました

課題を並べると少し重い話になってしまいましたが、それでも今年もトルコギキョウの栽培をスタートできたことは、素直に嬉しいです。

土と向き合いながら、先輩農家と情報共有しながら、自作アプリでデータを積み上げながら——一つひとつ丁寧にやっていく1年にしたいと思っています。7月下旬から8月にかけて、浪江の畑から育てたトルコギキョウが市場や皆さんのもとに届く日を目指して、これから数ヶ月間、しっかり管理していきます。

見守っていただけると、とても嬉しいです。


農園からのご案内

トルコギキョウの話とは少し変わりますが、カンパニュラの出荷がほぼ終了しました。市場に出せる分はほぼ出し切ることができました。

ただ、規格外の花が少し残っています。市場には出せないけれど、花としての美しさは変わらないものばかりです。現在、ホームページにて販売しています。手頃な価格で、一本あたり税込み70円ほどで購入が可能です(送料別)。もし興味があれば、ぜひのぞいてみてください。

また、今年はロスフラワーになってしまう花が例年より多く出てしまいました。特に状態のよいものはドライフラワーに加工して、花の命を少しでも長く活かせるよう調整しています。自社ホームページでの販売も検討中です。詳細が決まりましたら、またこちらでご案内します。

引き続きFarm Eolicaをよろしくお願いします。


筆者について
福島県浪江町在住、34歳。2024年より切り花栽培を開始。理系出身の知識を活かし、IoTシステムを自作してスマート農業を実践中。屋号「Farm Eolica」にて、データドリブンな花卉栽培に挑戦している。

Homepage: https://farmeolica.com
Instagram: @farm_eolica
X (Twitter): @FarmEolica
note: https://note.com/farm_eolica

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