2.5年の:フレンド・サヨナラ・ガイド
2年半、つきあいのあったフレンドがいた。
「いた」との通り、もうフレンドではない。
名前の3文字目をとって、彼をD君と呼ぶことにする。
D君とは私が初心者狩りしてた時に会ったのだが、色々と共通点があった。
まず感性が似ていた。きょうだい構成も同じだった。2人とも死にかけの大富豪みたいに人を選り好みした。故郷も近かった。
たまにゲームをし、映画を観て、VRChatで過ごす。有象無象の出会いが流れていく中で、ネットのフレンドと2年続くというのは、相当長い方ではないだろうか。
私はベタベタした関係性は好きではなかった。D君は必要以上に干渉してこないのでそれが良かった。このまま細く長く付き合っていけたらいい。あと3年くらいしたら、現実で会ってみるのも悪くない。そんな風にさえ思っていた。
しかしその平穏は去年末に崩れた。D君は私がログインするや否や私をプラベに呼び寄せるようになったのだ。
「パブリックでは落ち着かない」「多人数で話したくない」というのが彼の言い分だった。
正直意味がわからなかったし、めっちゃ嫌っっっっっ‼️‼️‼️‼️
同じ人と話すのは週2が限界!
そもそもプラベってまあ要は相手の私室なわけじゃん、関係性深くもない相手の領域に招かれて逃げ場なく1:1で話なんかしたら窒息してまうわ‼️‼️
D君が私を気に入ってるほど、私はD君が好きじゃなかったのだろう。
D君はもっと頻繁に私と連絡を取りたがっていたし、遊びたがっていた。
私はそれに応えられなかった。
2年という歳月の中、D君は我慢しきれなくなったのかもしれない。
けれどもはや私にとってD君は「重くて害ある存在」に変わってしまった。
D君に対し私がとった手段は徹底的な拒絶だった。
招待が来ても無視した。よく一緒に遊んでいたゲームもやらなくなった。メッセージも返さなかった。
もちろんVRCをやること自体も結構嫌になったが、私は私でいたかったからやめなかった。
そんな、最悪にギクシャクしていたある日のこと。
「伝説のVRライブが開催される」というポストを目にした。
誘うか迷って開始時間を過ぎてしまったが、私はXでメッセージを送った。
私から歩み寄ることで関係を戻したかった。元のドライであたたかい関係に。
やはりというか、D君はすぐに来た。
途中からになったが、2人でライブを見た。
私はよく知らなかったが、有名な人がいたらしい。パフォーマンスは力強くて、VRライブそのものへの熱量を感じた。
D 君も色々と喋っていた。楽しそうだった。2人で記念撮影もした。
でもやっぱりこれまでのD君の偏執が頭に浮かんで私は話がしたい気分にはならなくて、ライブが終わり次第用事があると言ってすぐに抜けた。
その後私はプラベに招くことをやめるよう何度か言ったが、D君が私を待つのは変わらなかった。
だから私から申し入れて他人に戻った。
私とD君は共に年度をまたぐことはできなかった。
最近そのVRライブをやっていたバンドのメンバーが、VRC内でミュージックビデオを撮ったらしい。
その投稿を見てあのライブを見ていた時のことを思い出した。
熱心に喋っていたD君。久しぶりに私から誘われて嬉しかったんだね。私は早く終わらないか、どう抜けようかということばかり考えていました。1人で見ればよかったと後悔しました。どうして急に君は私に執着するようになったのか、でも知りたくはないんだよ。
この記事をあらかた書き終えた後、私はライブを見た月のスクショフォルダを丸ごと削除した。
最後に調べてみたところ、VRライブのメンバーとMVを撮った人は、どうやらまったく関係のない別人だったらしい。
最初から、どこにもつながっていなかった。
