クレモナと東京の降水量と日照時間
天気は様々な文化に影響を及ぼすと思っている。前回までのnoteでは気温と湿度について記事にしたが、その他、日照時間や降水量も天気を考えるうえで重要な要素である。
降水量を見てみると、クレモナは一年を通してあまり変動がない。それに対し、東京は4~6月と9~10月に降水量が多い。逆に冬季になると降水量がかなり減る。東京の冬の乾燥が起こる原因の一つである。

日照時間もクレモナと東京では様子がかなり違う。東京は7~9月に日照時間が多く、秋の長雨の時期に少なくなる。一方でクレモナの冬は日照時間がかなり少ない。雨が降るわけではないのだが、どんよりとした曇りの日ばかりなのが冬のクレモナである。

降水量や日照時間が直接楽器に影響を与えるというわけではなく、降水や日照によって決まる湿度が楽器に影響を及ぼす。降水や日照は、どちらかというと人間の気分に影響を与えると思う。
演奏者としては、やはり本番は晴れていた方がいい。お客さんの数は増えるし、音もクリアになるし、気分的にも晴れていた方がすっきりする。本番の日の朝、土砂降りの台風の中を家からホールまで行くことを想像すると、かなり辛い。
湿度を敏感に皮膚が感じることは少ないが、楽器は湿度に対してものすごく敏感である。弓の毛も湿度によってすぐ伸び縮みする。楽器屋で弓の毛を張る時は、常に湿度と睨めっこしながら作業をすることになる。湿度を読み間違えると、冬の乾燥した時に弓の毛が緩まなくなったりしてしまう。スクールオケをみていると、時々そのような弓をみかける。
ガット弦の方も湿度が上がると調子が悪くなる。たるんでしまい音に張りがなくなる。弦の振動を見ているだけでも、湿度の高い日は振動幅が違って見える。
本皮を張っているティンパニーも雨が降ると大変である。雨の中を運搬することになってしまうと、搬入した後、室内で乾かし始めてから数時間は使い物にならない。
天気は楽器にとっても演奏者にとっても常に悩ましい話題である。



