【ちょっとひと息✨】今日の小説タイム(31)│#短編小説「卒業」
■前回まで
予想どおり、彼女は「ごめんなさい」と言って、俯いてしまった。
僕は、それ以上何も言うことができなくて、「わかった、ありがとう」とだけ言って、その場をあとにした。
間もなくして、受験勉強は本格化した。
僕は文系で、美咲ちゃんは理系ということもあり、二人は、自然と顔を合わせる機会がなくなっていった。
いよいよ、受験本番が迫ってきた11月。
ある雨の日、学校に向かうバスの中で、洋子と一緒になった。
ひととおり、お互いの近況を報告した後、洋子は深刻そうな顔をして、
「美咲、あなたと同じ大学、受けるみたいだよ」
と教えてくれた。
■短編小説「卒業」(23)
僕は、東京の私立大学を受けることにしていた。
その大学は、いわゆる難関校ではあったけれど、受験科目が少なくて、模擬試験でもいつもA判定だったので、迷わず、第一志望にしていた。

