【ちょっとひと息✨】今日の小説タイム(43)│#短編小説「卒業」
■前回まで

ふと、洋子が僕のほうに視線を向けてきた。
僕は、洋子に手を振って、「合格おめでとう」と声をかけた。
洋子も東京の私立大学に合格していたので、4月からの東京での生活の話で盛り上がった。
そして、僕は思い切って、美咲ちゃんにも声をかけてみた。
「国立、受かりそうだって?おめでとう」
そう言った途端、美咲ちゃんは、
「ひどいよ。私の気持ちなんて考えたことないくせに」
と、泣きながら、走り去ってしまった。
(そんなつもりじゃ...)
あまりの動揺に、僕は、ただ立ち尽くすばかりだった。
こうして、僕の恋は、あっけなく終わった。
■短編小説「卒業」(35)
4月。春の東京は、希望に満ちあふれていた。
僕は、大学に近いアパートを借り、新生活をスタートさせた。
