【ちょっとひと息✨】今日の小説タイム(41)│#短編小説「卒業」
■前回まで

3月1日。今日は、高校の卒業式。
僕はもう一度、美咲ちゃんに想いを伝えたかった。
式を終え、最後の別れを惜しむクラスメイトたち。
洋子と美咲ちゃんも、笑顔で高校生活の思い出を語り合っていた。
ふと、洋子が僕のほうに視線を向けてきた。
僕は、洋子に手を振って、「合格おめでとう」と声をかけた。
洋子も東京の私立大学に合格していたので、4月からの東京での生活の話で盛り上がった。
そして、僕は思い切って、美咲ちゃんにも声をかけてみた。
「国立、受かりそうだって?おめでとう」
■短編小説「卒業」(33)
そう言った途端、美咲ちゃんは、
「ひどいよ。私の気持ちなんて考えたことないくせに」
と、泣きながら、走り去ってしまった。
