忘れられない青春の1ページを繊細に描く、山中サトシ『A Summer To Remember』│2026.5.4更新
A Summer To Remember
大学1年の夏休みを海の家で過ごした二人。
海辺の街に秋の気配が訪れる頃、楽しかった日々も静かに終わりを告げる。
《ラストシーン》
(アルバイト最後の日、スーツケースを手に立ち尽くす二人に、深い沈黙が流れて...)
「もう、行くね」
沈黙を破って、彼女はそう切り出した。
今、二人の長くて短かった夏が終わろうとしている。
僕は、彼女の背中に向かって、声の限りに叫んだ。
「さよならーァァァ」
涙がとめどなく、あふれてくる。
構わず、僕は続けた。
「君と会えて良かった!」
「君と会えて、良かったーァァァ」
その時、海から強い風が吹いた。
この夏、彼女が愛用していた麦わら帽子が空に舞った。
彼女は、右手にピースサインをつくり、高々と掲げてみせた。
そして、振り返ることなく、人混みの中へと消えていった。
Without looking back, she disappeared into the crowd...
《おすすめのBGM》
杉山清貴『BOUND FOR RIVER'S ISLAND』



※この作品は、『【ちょっとひと息✨】今日の小説タイム』で公開したnoteデビュー作を、創作大賞2026用に加筆・修正し、再構成したものです。
