妊娠悪阻は我慢しないで|経験者として伝えたいことと乗り切る工夫
いつも読んでいただいてありがとうございます。
今日は、妊娠悪阻(つわり)についてです。
妊娠初期から絶え間なく続く吐き気と嘔吐。食事もできない、水さえ飲めなくなってしまうことがあります。
わたしも悪阻がとてもつらい人でした。何といっても、1日が長かった。
「あと何日したら楽になるだろう」と、指折り数えていました。
流産した時でさえ、妊娠が終わってもしばらく吐き気は続きました。それだけホルモンの影響は大きいのだと思います。
一般的には、12週頃を過ぎて胎盤ができあがると、ホルモンの状態が落ち着いてきて、悪阻も軽くなる方が多い印象です。
もちろん個人差があり、わたしの同僚には出産するまで吐き続けていた人もいました。
妊娠すると、多くの方が何らかのつわりを経験します。しかし、食事や水分がほとんど摂れなくなったり、日常生活が送れなくなったりするほど症状が重くなると、「妊娠悪阻」という病名がつき、治療が必要になります。
悪阻が重くなると、6~7kg、あるいはそれ以上体重が減ってしまう方もいます。
ここまでくると点滴や入院が必要になることも少なくありません。
医療は進歩していますが、何年経っても悪阻の基本的な治療は大きく変わりません。
「なんとかならないものかな」と思いますね。
悪阻で怖いのが、ウェルニッケ脳症です。食事が摂れないことでビタミンB1が不足し、起こる病気です。
そのため病院で行う点滴には、必ずビタミン剤を入れます。ブドウ糖だけを点滴すると、その代謝でビタミンB1がさらに消費され、脳症を起こす危険があるからです。
昔は治療できなかったので、
嵐が丘で有名なブロンテ姉妹のどなたかが悪阻で亡くなったと聞いています。
病院では尿中ケトン体を調べることがあります。
食事が摂れず、糖ではなく体の脂肪を分解してエネルギーを作るようになると、ケトン体が増えます。これは体がかなり頑張っているサインでもあります。
悪阻の時によく言われる工夫としては
・空腹の時間を作りすぎない
・枕元に小さなおにぎりやクラッカーなどを置いておく
・食べ物の匂いが漂わないよう冷蔵庫などを活用する
・水分さえも飲めなければ早めに病院で点滴を受ける
わたしも口の中まで乾燥していました。点滴を入れた時は、「体に水が染み渡る」という感覚があり、それは今でも忘れられません。
そして、わたしが「少し効いたな」と思ったのが、母子手帳をもらいに行った時にいただいたサンプルのエビオス錠でした。
あとは、生姜も良いと聞きましたし、
内関(ないかん)というツボを押したり、胃の裏側を温める方法もあります。
生姜には悪阻を和らげるエビデンスがあり、エビオス錠に含まれるビール酵母にはビタミンB群が含まれ、胃腸の働きを助け、吐き気の軽減にも役立つようです。
胃の裏側を温めることも、胃腸の動きを良くすることにつながります。
漢方薬では半夏厚朴湯、制吐薬プリンペランがありますね。
*いずれも個人差があると思います。
ただ長年見ていて、悪阻は体だけの問題ではないと感じることがあります。
なかなか良くならない方の中には、「家に帰りたくない」「病院にいる方が安心する」「仕事に戻りたくない」「家族のことで悩んでいる」など、いろいろな背景を抱えている方もいました。
そういう気持ちも、ぜひ病院のスタッフに相談してください。医師や助産師、看護師は体だけでなく、その人の生活も含めて支える仕事です。
また、退院しても仕事ができそうにない、通勤できそうにないという方もいると思います。
そんな時は、母子手帳の後ろにある母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)を活用する方法もあります。
医師に記入してもらい、職場へ提出することで、勤務時間の短縮や休業などの配慮につなげるものです。
食べられない、飲めない、体重がどんどん減る、尿が出ない。
そんな時は、「つわりだから」と我慢せず、病院へ相談してください。
今、悪阻で苦しんでいるお母さんが、「自分だけじゃない」と少しでも思っていただけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。スキやフォローもお願いします。
助産師|産科婦人科歴40年 清水智子
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