見出し画像

罪無き調理

   キリスト教の教えに「七つの大罪」というものがあります。「傲慢」「嫉妬」「憤怒」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」の七つです。筆者は特定の宗教の信者ではありません。また、確固たる宗教的思想も持ち合わせていませんが、ひょっとして  自分は罪深き者なのか?    と思う、おいしそうな記事を読んだので、今週は食の大罪を妄想します。ヒントをくれた雅さんに感謝🙇‍♂️

ベジタリアン・ヴィーガン

   昔から、思想的ベジタリアン・ヴィーガンの方々は、簡単に言うと『人の都合で動物の命や権利を奪うな』と主張していたと理解しています。もちろん、そんなことを声高に主張しないベジタリアン・ヴィーガンもたくさんいらっしゃいます。また、信仰・主義・主張ではなく、単に肉体的・健康上の理由から食べない・食べられないという方もいらっしゃいます。筆者はどのようなベジタリアン・ヴィーガンも否定するものではありません。

食べる罪

    筆者は動物を食べることが罪なのかどうかを争う気は毛頭ありません。しかし、動物のことなどどうでもいいとも思いません。変な表現になりますが、できることなら家畜は苦しまずに生を終えて食肉になって欲しいと思います。

   そんなことを考える人がたくさんいるようで、いつの間にやら「アニマル・ウエルフェア」と呼ばれる運動が世界的にメジャーになりました。思想的ヴィーガンに言わせれば甚だ手前勝手な理屈で、そんなことで罪を免れはしないのかも知れませんが、オーディナリー・ピーポー的には少しは気持ちが楽になろうと言うものです。

アニマル・ウエルフェア

    日本も加盟している国際獣疫事務局(WOAH)はアニマル・ウエルフェア(Animal Welfare)を「動物が生きて死ぬ状態に関連した、動物の身体的及び心的状態」と定義しています。

    一般的には『家畜もふくめたすべての動物は快適な環境でストレスなく生き、苦痛を感じることなく命を終えるべきであり、そのための動物福祉』というような解釈をされています。しかし日本では、この定義の解釈が民間活動家と国家では違います。

   民間活動家は、特に家畜やペットが快適に生活し、命を終える瞬間に苦痛を与えないためにアニマル・ウエルフェアを徹底すべきだと考えています。

   一方 国家は、生産性の向上や安全な畜産物の生産のためには家畜のストレスや疾病を減らすことが重要であり、その手段として家畜の飼育環境の快適化を図るべきであるというスタンスです。

ロブスター

     スイスでは2018年3月、アニマル・ウエルフェアの観点からロブスターを生きたまま熱湯でゆでる行為が法律で禁止されました。この規制は、ロブスターが高度な神経系を持っており、痛みを感じる可能性があるというロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究結果に基づいています。

    スイスではこの法律が施行されたために、ロブスターを茹でる際には、まずロブスターを失神させる。その後に何らかの方法で命を終わらせ、しかる後に茹でる。という段取りが必要になりました。また、生きたロブスターを氷や氷水で輸送することも禁止されています。

オスのヒヨコ

    卵を産ませる為に飼育されている鶏を採卵鶏といいます。この鶏は食肉にされる鶏とは別種で、通常は採卵鶏を食肉にすることはありません。ということは、オスの採卵鶏は卵を産まないので価値がないということです。下の記事をご覧ください。

    少々ショッキングな内容ですが、現在はさらに先の議論に移っています。上の記事中で「オスを殺さない卵」という表現がありますが、それは孵化する前に、オスになる卵を廃棄するということです。孵化しなければ「苦痛を与える」・「殺す」ことにはならないという理屈です。

オスを殺さない

  「廃棄しなくても食べればいいじゃん!」と思いましたか?   そうですよね。しかし残念ながらそうはいかないようです。卵がオスかメスかが判るのは最速でも孵卵開始後7日程度後のことなんだそうです。その方法は、下の写真のように、オスの目が黒色であるのに対し、 メスの目は無色透明なので判別できるそうです。下の写真のような段階の卵で目玉焼きやTKGは度胸がいりそうです。

徳島大学先端酵素学研究所発生生物学分野  竹本龍也 教授の資料からお借りしました。

    という理由で、オスになる卵は廃棄していたのですが、ここにきて孵卵開始後7日程度になると、卵の中で痛みを感じるという研究成果が発表されて事情が変わりました。

卵は生きている

   卵が痛みを感じるのなら『殺さない』ことにならないのではないか?   ということです。痛みを感じるのは生きているからであり、逆に言えば、生きているから痛みを感じるのです。それならば卵であれ「オスを殺さない」ではなくなります。

    ということで、廃棄=殺すのではなく、ワクチン製造に使うなど、有効活用の方法を模索するようになりました。

罪の意識

   お気づきでしょうか?  廃棄は❌だがワクチン製造に使うのは⭕️。どちらも鶏として生まれることはないのにです。いや、ワクチン製造は、卵に病原菌を植え付けることでワクチンを作るので、人道的(人ではありませんが)にいかがなものかと言えなくもありません。

   それでもそれを⭕️とするのは、それが『ヒトの為に有益』だからです。ヒトのために有益なら大義名分が立ち、「尊い犠牲」として罪の意識が無くなるようです。

植物の痛み

    目先を変えて植物で考えます。植物は脳や神経を持たないため、動物が感じるような「痛み」は感じません。ただし、傷つけられた際に、それを全身に伝える仕組みを備えているので防衛反応を示します。つまり、傷つけられたことを検知するのです。 

植物にモーツァルト

「果物にモーツァルトを聞かせると甘くなる」という話を聞いたことがあります。それが事実かどうかは筆者には分かりませんが、事実だと仮定して、その仕組みには

🅰️音は振動なので、特定の曲の振動が植物に良い影響を与える。

🅱️植物には感情があり、心地良い音楽を聴くことで果実に良い影響が出る。

    この二通りの仕組みが考えられるそうです。ちなみに、現代科学では『脳がないなら感情はない』ことになっていますが、🅱️を主張する方はそうは考えないようです。

プラント・ウエルフェア

   植物に感情があるのか無いのか分かりませんが、水が切れて植物の葉がしおれていると、『苦しんでいる』と言う方はいらっしゃいます。そういうスタンスの方は植物に話しかけ、果実を収穫する時にもなるべく痛くないように収穫するそうです。

    アニマル・ウエルフェアが、動物側からの訴えや申告ではなく、ヒト側からの配慮であることから、科学的事実はどうであれ、プラント・ウエルフェアも成立するように思われます。

海老を失神させる

  話を動物に戻します。前述の通り、スイスではロブスターを生きたまま茹でるのは禁止されました。茹でるまえの失神方法としては電気ショックが推奨されているのですが、失神するほどの電気ショックは苦痛だと思います。どうも腑に落ちません。もっといい方法はないのか考えてみました。

① 多大な精神的負荷をかける
② 薬物を投与する
③ 泥酔させる

   ①は、ロブスターが失神するほどショッキングな言葉が思い浮かびません。おそらく「実はおまえの父親はザリガニだ!」と言っても彼ら・彼女らは平気でしょう。そもそも精神的負荷もアニマル・ウエルフェアに抵触しそうです。そこで②を実践した例があります。

マリファナ

 7年も前の話になりますが、米メディア「Mount Desert Islander」の記事によれば、アメリカ・メイン州にあるシーフードレストラン「Charlotte’s Legendary Lobster Pound」では、ロブスターに医療用マリファナを吸わせてから調理するそうです。具体的には、蓋つき発泡スチロールの箱の中にロブスターを入れ、ストローでマリファナの煙を送り込んで、しばらくの間マリファナを満喫してもらうそうです。その後、すっかりキマッたロブスターを調理します。ちなみに、そのロブスターを食べた人の体内からはマリファナの成分は検出されないそうです。

    本当のことかどうかは分かりませんが、ロブスターに医療用マリファナを吸わせるレストランでは、なぜか料理人が陽気で笑い声が絶えないという噂です。楽しそうでいいですね👍️。

酔っぱらいエビ

泥酔

 残る③ですが、これはすでに中華料理で行われています。生きたエビを紹興酒などに漬けて、エビを酔っぱらわせる「酔っぱらい海老」というやつです。YouTubeに動画がたくさんあるので見てみてください。

アニ・アル・ハラスメント

    ところがここで問題発生です。酔っぱらい海老はアルコールハラスメントではないでしょうか?    近年、一気飲みはもちろん、アルコールの強要は命にかかわる重大ハラスメントとして認識されています。

   アニマル・ウェルフェアどころではなく、アニマル・アルコール・ハラスメント問題の勃発です。いったいどうすればいいですか?    罪無き調理は中々に大変そうです。

麺タリスト、ラーメンを妄想する

▶拉麺
▶南京そば
▶志那そば
▶水戸光圀はラーメンを食べたのか?
▶ラーメンスープ誕生
▶チキンラーメン
▶ベジラーメン

麺タリスト、ラーメンを妄想する

いいなと思ったら応援しよう!