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入社1年目で学んだこと。営業として未熟だった僕が、後学に残しておきたい話

入社して1年目のことを振り返ると、正直、きれいな成功体験ばかりではない。

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むしろ、分からないことの方が多かった。
専門用語についていけず、会議で置いていかれた。
毎日終電近くまで働いても、成果が出ない時期があった。
ようやく仕事に慣れてきたと思ったら、新規顧客が案件化しない壁にぶつかった。
さらに年度末には、優秀な若手が次々と辞めていく場面も見た。

当時の僕は、毎日必死だった。

「この会社でやっていけるのか」
「営業として通用するのか」
「自分は何を武器にすればいいのか」

そんなことを考える余裕すらないくらい、目の前の仕事に追われていた。

でも、今振り返ると、あの1年目には大事な学びが詰まっていた。

その時は苦しかった経験も、後から見ると、営業としての土台になっている。

今回は、入社1年目で僕が学んだことを、後学のために残しておきたい。

1年目は「できるふり」をしない方がいい

入社直後の僕は、どこかで「早くできる人に見られたい」と思っていた。

中途入社だったこともある。
前職でも営業をしていたこともある。
年齢的にも、完全な新人というわけではない。

だから、心のどこかで思っていた。

「すぐに戦力にならないといけない」
「分からないと思われたくない」
「営業経験者として、ちゃんとしないといけない」

でも、デジタルマーケティングの世界に入ってすぐ、そのプライドは見事に折られた。

CV、CPA、LTV、CRM、DX。
会議で飛び交う言葉の意味が分からない。
お客様の課題も、社内メンバーの説明も、最初は表面的にしか理解できなかった。

それでも、分かったふりをしてしまう瞬間があった。

今思えば、これが一番危ない。

分からないことを分からないままにすると、後で必ずズレる。
顧客との会話も浅くなる。
社内の確認も遅れる。
提案書も薄くなる。

1年目に大事なのは、できるふりをすることではなかった。

分からないことを、ちゃんと分からないと言えること。

もちろん、何でもかんでも聞けばいいという話ではない。
自分で調べることも必要だ。
最低限の勉強も必要だ。

でも、知ったかぶりをして傷口を広げるくらいなら、早めに聞いた方がいい。

「すみません、ここだけ理解が追いついていないです」
「この言葉の意味を確認してもいいですか」
「お客様に説明するために、自分の理解が合っているか確認させてください」

こういう質問をできる人の方が、結果的に成長が早い。

1年目は、賢そうに見せる時期ではない。
吸収する時期だと思う。

小さな成功を軽く見ない

1年目は、とにかく失敗や不安が目立つ。

できないことばかり見える。
周りとの差ばかり気になる。
自分の足りなさに落ち込む。

でも、その中でたまに、小さな成功がある。

お客様から返信が来た。
アポが取れた。
提案に少し反応してもらえた。
社内の人に「そこは良かった」と言ってもらえた。
自分で調べた内容が、打ち合わせで役に立った。

こういう小さな成功を、当時の僕はあまり大事にできていなかった。

「まだ受注していないし」
「大きな成果じゃないし」
「こんなの当たり前だし」

そう思ってしまっていた。

でも、今なら分かる。

1年目の自信は、大きな成功から生まれるわけではない。
小さな成功をちゃんと拾うことで、少しずつ育っていく。

特に僕にとって大きかったのは、SNS広告の提案でお客様に選んでもらえた経験だった。

完璧な提案ではなかったと思う。
知識も十分ではなかった。
でも、誰よりも早く動き、相手の課題に向き合い、自分なりに必死に提案した。

その姿勢を、お客様が評価してくれた。

この経験があったから、「自分でも何かできるかもしれない」と思えた。

1年目に必要なのは、いきなり大きな成果を出すことではない。
自分が前に進めた証拠を、ひとつずつ集めることだと思う。

提案は「きれいさ」より「相手に寄っているか」

1年目の後半、僕は新規営業で壁にぶつかった。

アポは取れる。
商談もできる。
提案書も出せる。

でも、案件にならない。

その理由をお客様に聞いた時、かなり厳しい言葉をもらった。

「提案は綺麗だけど、少し汎用的」
「会社名を変えれば、他社にも出せる提案に見える」
「ロジックがない」
「論理的ではない」

これは本当にきつかった。

でも、この言葉は、営業としてかなり重要な学びになった。

当時の僕は、提案書を作ることが目的になっていたのだと思う。

サービス説明を入れる。
事例を入れる。
スケジュールを入れる。
見積もりを入れる。
見た目を整える。

それっぽい提案書にはなる。

でも、お客様からすると、そこに「自社の話」が入っていなかった。

なぜ今やるべきなのか。
なぜその施策なのか。
なぜその順番なのか。
なぜその予算なのか。
なぜこの体制で回るのか。

ここが説明できていない提案は、どれだけ見た目が整っていても弱い。

営業に必要なのは、きれいな資料を作る力だけではない。

お客様の事業、課題、体制、予算、意思決定の流れに合わせて、提案を組み立てる力。

これがないと、提案は刺さらない。

競合がやっているから。
市場で流行っているから。
成功事例があるから。

それだけでは、お客様は動かない。

お客様にとって大事なのは、「一般的に良い施策」ではなく、「自社にとって今やる意味がある施策」だからだ。

営業は、売る前に一緒に考える仕事だった

提案が刺さらない理由に気づいてから、僕はワークショップ型の進め方を意識するようになった。

いきなり提案するのではなく、案件化の前に、お客様と机を並べて議論する。

現状を整理する。
課題を言語化する。
目的を確認する。
優先順位を決める。
実行体制を確認する。
予算感をすり合わせる。
意思決定の流れを把握する。

こうした工程を入れることで、提案の質は大きく変わった。

以前は、こちらがサービスを説明していた。
でも、ワークショップを入れてからは、お客様と一緒に方向性を作る感覚に変わった。

この違いは大きい。

営業は、売る仕事だと思われがちだ。
もちろん、最終的には売上を作る仕事だ。
でも、売る前にやるべきことがある。

それは、相手と一緒に考えることだ。

お客様の事業や商品、業務、経営方針、売上計画、組織事情は、お客様が一番分かっている。
一方で、サービスや施策、実行方法については、こちらに知見がある。

だからこそ、一方的に売り込むのではなく、両者の知見を合わせて、現実的な進め方を作る必要がある。

この考え方を持てるようになってから、提案は少しずつ変わっていった。

受注はゴールではなく、スタートだった

1年目の僕は、どこかで「受注すれば勝ち」と思っていた。

新規営業をして、アポを取って、提案して、見積もりを出して、受注する。

そこまでいけば、営業として成果を出した感覚になる。

でも実際には、受注してからが本番だった。

受注前の認識がズレていると、キックオフでつまずく。
目的が曖昧だと、運用がブレる。
体制が合っていないと、現場が回らない。
期待値がずれていると、報告のたびに不満が出る。

つまり、受注前の詰めが甘いと、受注後に必ず跳ね返ってくる。

営業が受注だけを見ていると、あとでお客様も社内メンバーも苦しくなる。

だから、営業は受注後まで見据える必要がある。

この案件は、どう始まるのか。
誰が関わるのか。
何をゴールにするのか。
どの指標を見るのか。
どこで改善していくのか。
お客様の社内で、誰がどう説明するのか。

ここまで考えて提案することが大事だった。

営業は、提案して終わりではない。
お客様と社内の間に立ち、受注後も含めた方向性を作る仕事だ。

言い換えると、営業にはプロデュース力が必要なのだと思う。

組織が揺れる時、自分の役割も変わる

1年目の終わりには、退職者が続いた。

しかも辞めていったのは、優秀な若手たちだった。

給料が安い。
残業が長い。
営業のやることが多すぎる。

理由は、かなり分かりやすかった。

会社としては、危ないサインだったと思う。
優秀な人が抜ける組織には、やはり何かしらの問題がある。

でも、残された側としては、そこで自分の役割が変わることもある。

担当顧客が空く。
発言機会が増える。
会議で意見を求められる。
組織の再配置が起きる。
今まで見えていなかった仕事が回ってくる。

僕はこの時、担当してみたい既存顧客を選ばせてもらった。
会議でも少しずつ発言できるようになった。
組織のリビルディングを近くで見ることができた。

それまでは、中途入社ということもあり、どこか遠慮していた。
周りのプロパー社員に比べて、自分はまだ会社のことを分かっていない。
だから発言しづらい。

そんな気持ちがあった。

でも、組織が揺れたことで、自分の立ち位置も変わった。

誰かが抜けることで、空白が生まれる。
その空白を誰が埋めるのか。
そこで手を挙げられるかどうか。

これは、キャリアにおいてかなり大事な分岐点だと思う。

もちろん、退職者が続く会社に無理して残れという話ではない。
心身を壊すくらいなら、離れた方がいい。
環境を変えることも、立派な選択だ。

でも、もし自分が残ると決めたなら、その状況でどの役割を取りにいくかを考えることは大事だと思う。

1年目に必要なのは、正解よりも「問い」だった

入社1年目の僕は、正解を探していた。

どうすれば成果が出るのか。
どうすれば評価されるのか。
どうすればお客様に選ばれるのか。
どうすれば周りに追いつけるのか。

でも今振り返ると、1年目に大事だったのは、正解を知ることよりも、問いを持つことだった。

なぜ、この提案は刺さらなかったのか。
なぜ、このお客様は動かなかったのか。
なぜ、この施策を今やる必要があるのか。
なぜ、この組織では人が辞めていくのか。
なぜ、自分は発言をためらっているのか。
なぜ、この仕事を続けたいと思うのか。

こういう問いを持つことで、少しずつ仕事の見え方が変わっていく。

最初から全部分かる必要はない。
むしろ、分からないことだらけでいい。

ただ、分からないまま流されるのではなく、問いを立てる。

それが、1年目の成長には必要だったのだと思う。

後学として残しておきたいこと

入社1年目で学んだことをまとめるなら、こうなる。

分からないことを、分かったふりしない。
小さな成功を、ちゃんと自信に変える。
提案書は、きれいさよりも相手に寄っているかが大事。
営業は、売る前に一緒に考える仕事。
受注はゴールではなく、スタート。
組織が揺れる時、自分の役割も変わる。
正解を探すより、問いを持つ。

どれも、当時の僕が最初から理解していたことではない。

恥をかいて、指摘されて、迷って、周りが辞めていくのを見て、ようやく少しずつ分かってきたことだ。

1年目は、うまくいかないことが多い。
特に中途入社だと、「早く成果を出さないと」と焦る。

でも、焦りすぎなくていい。

1年目で大事なのは、完璧な成果を出すことだけではない。
その後の自分を支える土台を作ることだ。

僕にとっての1年目は、まさに土台作りの時期だった。

楽ではなかった。
むしろ、しんどいことの方が多かった。

でも、あの時に分からなかったこと、悔しかったこと、言われて痛かったこと、組織が揺れて感じたこと。

その全部が、今の自分の仕事観につながっている。

だから、もし当時の自分に声をかけるなら、こう言いたい。

分からなくていい。
焦ってもいい。
落ち込んでもいい。

でも、分かったふりだけはするな。
小さな成功を捨てるな。
お客様のことを、ちゃんと見ろ。
受注後まで責任を持て。
組織が揺れた時こそ、自分の役割を考えろ。

1年目で得た学びは、後からじわじわ効いてくる。

あの頃の僕は、まだ何者でもなかった。
でも、何者でもなかったからこそ、吸収できることがたくさんあった。

今振り返ると、入社1年目は、営業マンとしての自分の原点だったのだと思う。

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