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エレベーターと自分(番外編研究ノート)

○月☓日


ビルや建物が多い今の時代。

もはや、
エレベーターは必須である。


ボタンを押せば
迎えに来てくれて、
ちゃんと目的地まで
運んでくれる。


しかも、

「開きます」

「閉まります」

なんて、
会話までしてくれる。


そういえば昔は、
エレベーターガールという
案内役の方もいた気がする。


今では、
その役目まで機械が
担っていることが多そうだ。



改めて考えると、
エレベーターって結構すごい。


でも、
たまに思う。


もし閉じ込められたら…。


幸い、
今まで一度も経験はない。


だからこそ、
想像すると少し不安になる。



そんなことを
考えていたある日。


建物の中に、

「運動不足解消のため、
   階段を利用しましょう。」


という貼り紙を見つけた。


夏は電力も気になる。


「よし」


今日は階段にしよう。


目的地は5階。


最初は軽快だった。


2階。


まだ余裕。


3階。


少し息が上がる。


4階。


なんで階段を選んだんだろう…。


5階。


無事到着。


達成感より先に、
汗がやってきた。


そこで、
ふと思い出した。


子どもの頃、

一時期、
団地のような
社宅に住んでいた。


しかも5階。
エレベーターなし。


どうやら自分は、
車で寝てしまうことが
多かったらしい。


当然、
家の駐車場に着いても
起きない。


そのたびに父は、
眠った自分を背負って、
5階まで階段を
上がっていたそうだ。


今、自分が5階まで登っただけで、
息を切らしている。


それを思い、
父となり、
娘を思い浮かべると


我が父ながら、
尊敬する。


親になった
今だからこそ、

あの頃の父の
すごさが少し分かる気がした。



出来る時は、
階段を使おう。



そう思った。


……


そんなことを考えながら、
その日の下りは、
迷わずエレベーターに
乗っていた。


どうやら父への尊敬と、
足腰の体力は、
まだ比例しないらしい。



たぶん。



以上、研究ノートより。

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