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【今週の週末ワインごはん】#57 菊芋の甘みを引き出すイタリアン、菊芋のボンゴレロッソとめかじきのストッカフィッソ風、ほうれん草のローマ風、焼きトレビスと金柑のカプレーゼを長野ワインで

直売所で菊芋を見つけると大体買って、醤油漬けや味噌漬けにしたりローストしたり、素揚げにしたりして割とよく食べる。鮮度が良ければ生でサラダも良いものだ。
とは言え、寒い冬にはやはり温かい料理で食べたい。それもワインに合わせたい。菊芋をイタリアンで美味しく食べる調理法を随分前から考えていたのだけれど、ある日突然閃いた。

◆菊芋のボンゴレロッソ

パスタではなく菊芋の一品料理

たっぷりの菊芋をやや太めのせん切りにして香ばしく焼き付けるように炒め、にんにくと唐辛子、アサリとトマトのソースを吸わせてボンゴレロッソに。まろやかにするため、茹で置きのうずら豆(普段からいろんな豆を茹でて冷凍している)も茹で汁ごと少々加えたところ、パスタの茹で汁を加えた時のような効果があって、味が決まった感じ。
菊芋とアサリは合うのでは?というところからの着想。かなり美味しくできた。菊芋、アサリ、トマトが一体化し、かつ三者の良さがきちんと出ている。仕上げに振ったパセリは彩りのみならず、あった方が美味しいと思う。
些か意外だったのは、普段はあまり感じない菊芋の甘みが、この料理ではぐいぐい引き出されていたこと。菊芋、君はごぼうの仲間だと思っていたけどやっぱり“芋“だったんだね、と思わず話し掛けたくなってしまう魅力的変貌。我が家の菊芋イタリアンの定番になりそう。アサリは冷凍蒸しアサリで十分美味しくできる。おすすめです。

◆めかじきのストッカフィッソ風

干し鱈を使った西欧各地の料理の中でもイタリアのトマト、オリーブ、じゃがいも、レーズン、松の実を使ったジェノバ風のレシピが特に好きで、甘塩だらで何度かつくった。干し鱈とはかなり別物だとは思うが(ストッカフィッソは塩を使わずに干すので、棒鱈に近いかも知れない)これはこれで美味しくできる。
それで思った。このソースはめかじきにも合いそう!という訳で試したところ、実に美味しくできた。

つくり方は簡単。
食べやすく切って小麦粉を軽くはたいためかじきをオリーブオイルで各面焼き、半分に切ってスライスした玉ねぎ、種を抜いた赤唐辛子、みじん切りのにんにくを加えて炒める。
玉ねぎが透き通ったら缶詰または生の角切りトマトを加え、少しぐつぐつさせて缶っぽさや水分を飛ばしつつトマトの味を凝縮させる。
皮をむいてやや厚めにスライスしたじゃがいもとオリーブ(本来レシピではブラックだが、めかじきに合わせて風味の柔らかなグリーンオリーブを使った)、レーズン、軽くローストした松の実を加え、全然がひたひたになる程度の水を加えてじゃがいもが柔らかくなるまで煮、塩で味を整え、全体にオリーブオイルをかけて完成。少し煮崩れたじゃがいもが適度なとろみと良い味を出してくれて美味しい。

◆ほうれん草のローマ風

この週は何故か"風“の料理が多くなってしまったが、これは適当アレンジではなく元々この名前で存在する。
イタリアには一種類の野菜をたっぷり食べる一品料理が多くあり、野菜をたくさん食べたい時に重宝する。この日はほうれん草をフィレンツェ風にホワイトソースをかけるかビスマルク風に卵を合わせるかで迷って、ふと苦味のある葉野菜を炒めるあの料理、と思い出した。
にんにくの香りをつけたオリーブオイルで葉野菜を蒸らしつつ歯触りを残して炒め、松の実の香ばしさとレーズンの甘さを加える一品。レタスや小松菜で作っても美味しいけれど、ほうれん草でも美味しい。この日は気が向いてハムの塩気を加えてみた。もちろんよく合う。

◆焼きトレビスと金柑のカプレーゼ

トレビスとオレンジは相性が良い。柑橘系のほろ苦みとよく合うのだ。この日は家にあった金柑を取り合わせ、少々余っていた人参ドレッシングをソース代わりに敷く。
人参ドレッシングと焼いたトレビスは好相性、金柑もよく合ってとても美味しかった。イタリアンらしい彩で、冬の食卓がぱっと華やぐ。

モッツァレラはどちらかと言うと身体を冷やす食材で冬仕様ではないかも知れないが、それ以外はやっぱり冬の食材、料理だなとひと通りつくって思った。菊芋、めかじきとトマトを使った煮込みが二種類あるが、味付けの方向性が異なるので重複した感じはなく、いずれにせよ白ワインのすすむ食卓。美味しかった!

この日のワインは長野ノーザン・アルプス・ヴィンヤードのシャルドネ。私はオーク樽熟成の香りがあまり得意でないのだが、これは私の苦手な風味はなく、なかなかの飲みごたえで美味しかった。

長野のワインなので長野のパンも合わせてみた。銀座すずらん通りの長野県アンテナショップで見つけた塩尻ワインブレッド。赤ワイン入りで、なんとシャインマスカットの干しぶどうも入っている。しっとりとして美味しい。クリームチーズがよく合った。

ひと昔前は日本ワインと言うと薄くて甘ったるくて飲みごたえがなく、悪酔いしそうな品が多かったものだが、ここ十〜十五年ほどで状況は随分変わったと感じる。目指す味をしっかり見据えた若い醸造家が増え、各地に個性的なワイナリーが次々誕生している。今年はまた新たなお気に入り探しをしようかなと、このワインを飲んで思った。楽しみだ。

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