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閑話休題「肉体年齢と精神年齢」

もう50年くらい昔の話しですが、私が小学校3年と4年の時に担任して下さった先生が、私たちの担任を最後に定年退職されました。

大正生まれの男の先生だったのですが、55歳での定年退職でした。

当時はそれが普通でしたし、子供の目から見た当時の55歳は普通におじいちゃんでした。

しかし今の55歳はどうでしょう。仕事の定年退職も今では60〜65歳になっていますし、55歳なら見た目もかなり若いです。

巷にはそうした年代向けのマッチングアプリなども存在していますから恋愛面でも充分に現役世代という風になってきているのかもしれません。

それを喜ぶべきなのか嘆くべきなのかは意見が分かれる所かと思いますが、現在61歳の私の気持ちとしては「複雑」というのが正直な所です。

近年は芸能人などでも50歳を過ぎてから結婚しましたというニュースを時々耳にしますが、昔はそんな年齢で結婚というと、恥ずかしさが先に立ってしまい世間に進んで公表するといった空気感はなかったように思います。

家族の形がかつての三世代同居から核家族化した事も「若い年寄り」を増やした原因のひとつなのかもしれませんね。

私の担任の先生を55歳の状態で今の時代に連れてきたら、見た目的には70歳くらいに見えるのではないかと思います。

それだけ今の人は肉体的には若々しくなったのでしょうが、ついでに精神年齢まで幼いままで成長出来ていないとしたら、これはやはり問題があると言わざるを得ません。

ただ、そんな偉そうな事を言う自分はどうなんだと問われたら、自信を持って成長してますと言えない自分も居ますし、このあたりの事、昔のお年寄りはどんな風に感じていたのでしょうかね。

これは以前関わっていた老人ホームでの話しですが、元製造業の会社で働いていたおじいちゃんがいらっしゃいました。

この方は会社の製造部門で無駄を無くすための施策を様々考案して会社に貢献していた事が自慢の方で、工場内での人の動線や物の配置などを最適にする事に関して実績とプライドがある様でした。

そんな方から見て、老人ホームの厨房というのは無駄の塊に見えるらしく、調理補助さんが味噌汁を入れる場所が遠すぎると言ったかと思えば、パンの置き場所をあと50センチ前方へずらせばもっと効率的になるなど、毎日の様に注文を付けるおじいちゃんでした。

このおじいちゃん、実際には80代半ばだったのですが何も言われなければ70代にしか見えないくらいに若々しいおじいちゃんでした。

ただ精神年齢は中学生で止まっている感じの方で、いつも厨房の仲間と「あの人の奧さん大変だっただろうな」と噂していたのですが、世の中うまくしたもので、こういった感じの男性には精神的に大人で良く出来た女性が伴侶となる事が多いものです。

ところが、こうしたパターンでは奧さんが先に亡くなるのも世の常で、それによって結果的に残された人の精神的な成長が促されるわけです。

人智を超えた神のなせる技とはこういう事をいうのだと思います。


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