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これからの社会はHSPを必要とする

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HSPという言葉は、たいてい「生きづらさ」と一緒に語られます。

・刺激に敏感。
・人の感情に影響されやすい。
・空気を読みすぎて疲れる。

そうした気質を持つ人のことを、心理学者のElaine AronはHSP(Highly Sensitive Person)と呼び、人口の15〜20%ほどいると言われています。

この言葉が広まったことで、「自分は弱いわけではない」と安心した人も多いと思います。

ただ、HSPの話を聞いていると、どうしても一つの前提が見えてきます。

それは、HSPは社会に向いていないという前提です。

でも私は、少し違う見方をしています。

むしろこれからの社会は、HSPの感受性を必要とする社会になるのではないかと思うのです。


社会構造の変化

私たちは今、これまでにないほど「速い」社会に生きています。

情報は絶え間なく流れ、SNSでは感情が瞬時に拡散し、経済は常に効率を求め続けています。

こうした社会の中で評価されるのは、たいてい「速い人」です。

決断力や反応が速い、生産性が高い。そんな人たちです。

けれど、その「速さ」には弱点があります。

それは、違和感に気づきにくいということです。

社会が壊れるとき、それは突然起きるわけではありません。

小さな違和感が積み重なります。

・誰かが無理をしている。
・誰かが孤立している。
・どこかで関係が少しずつ壊れている。

そういう変化は、数字にはなかなか表れません。

むしろ、空気の温度のような形で現れます。

そしてその温度に気づくのは、たいてい敏感な人です。


AIがHSPの価値を高める

ここで、もう一つ大きな変化が起きています。

それはAIです。

AIは情報を扱うことがとても得意です。

知的作業の多くは、これからAIによって補助されていくでしょう。

つまり、これまで価値があるとされてきた「知識」や「情報処理」の多くは、機械と競争する領域になっていきます。

では、人間の価値はどこに残るのでしょうか。

その一つは、人間同士の関係です。

人と人のあいだの空気感です。

言葉にならない感情や、場の温度、微妙な沈黙といったものです。

こうしたものは、情報として扱うことがとても難しい。

だからAIが進むほど、逆に人間同士の「生のつながり」の価値は高まっていくのではないかと思うのです。

そして、そのとき重要になるのは、人の感情を感じ取る能力です。

これまで「繊細すぎる」と言われることも多かった能力です。

でもその感受性は、社会のセンサーでもあります。

もし社会を一つの身体に例えるなら、制度は骨格で、経済は筋肉です。

そして敏感な人は、神経です。

神経は、痛みを感じます。

そしてその痛みは、身体を守るための信号です。

社会も同じです。

・誰かが無理をしている。
・誰かが孤立している。
・関係が少しずつ壊れている。

そうした違和感を最初に感じ取るのは、たいてい敏感な人たちです。


感情労働の価値

そしてこれからの社会では、もう一つ大きな変化が起きると思います。

それは、感情労働の価値が上がるということです。

これまで感情労働は、あまり高く評価されてきませんでした。

接客業や看護、教育、カウンセリングといった対人業務です。

こうした仕事は、社会にとって不可欠なのに、経済的には必ずしも高く評価されてきませんでした。

人を安心させたり、信頼関係を構築したり、対立を和らげる能力は、簡単に機械が代替できるものではありません。

そしてその能力は、HSPの人が自然に持っていることが多いのではないでしょうか。

もしかするとこれからの社会では、感情を扱う能力が、経済的にも評価される時代が来るのかもしれません。

感受性の高い人が、むしろ社会の安定を支える存在になる未来が来るかもしれません。


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