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妻が「最近、話しやすくなった」と言った日のこと


洗い物をしながら、妻が言った

夕飯の後だった。

僕が食器を片付けていた。 妻がとなりで洗い物をしていた。

特に何か話していたわけじゃない。 ただ、並んで動いていた。

妻がふと、こちらを向かずに言った。

「最近、話しやすくなった気がする」

僕は手を止めた。

変わったことなんて、ほとんどないと思っていた

あの言葉を聞いたとき、正直に言うと、驚いた。

特別なことはしていなかった。

劇的に変わったわけじゃない。 毎日意識して声をかけていたわけでもない。 何か大きな出来事があったわけでもない。

ただ、いくつか小さなことを続けていた。

帰宅したとき、妻の顔を見て一言かける。 妻が話しているとき、スマホを置く。 感謝を、たまに言葉にする。

それだけだった。 本当に、それだけだった。

「こんな小さなことで変わるはずがない」 どこかでそう思いながら、続けていた。

「話しやすい」は、言葉じゃなく空気の話だった

あの夜、妻の言葉の意味を考えた。

「話しやすくなった」というのは、 何か気の利いたことを言えるようになった、という意味じゃなかった。

妻が何か言ったとき、 否定されない感じ。 急かされない感じ。 ちゃんと聞いてもらえる感じ。

そういう「空気」が変わったことを、妻は「話しやすい」と表現していた。

つまり、言葉の中身より、話したときの感触が変わっていたのだ。

洗い物をしながら言えたのも、そのせいだと思う。 向き合って「どう思う?」と聞かれたら、言えなかったかもしれない。 でも、並んで動いているとき、ふと出てきた言葉だった。

空気が変わると、言葉が出やすくなる。 言葉が出やすくなると、会話が増える。 会話が増えると、また空気が変わる。

あの夜の妻の一言は、その循環が少し動き始めたサインだったのかもしれない。

その夜、もう少し話した

洗い物が終わった後、二人でソファに座った。

特別な話じゃなかった。 子どものこと、来月の予定、どうでもいい話。

でも、久しぶりに話が続いた。

妻が笑った。 僕も笑った。

何かが解決したわけじゃない。 でも、その夜の空気は、前と少し違った。

「話しやすくなった」という言葉を、まだ時々思い出す。 あの一言のために続けてきてよかったと、今も思っている。

小さなことを続けていたら、妻の言葉が変わった。

でも何を続ければいいか、最初はわからなくて、空振りする日も多かった。

そういう「続けるべき小さなこと」を、具体的にまとめた記事があります。 よかったら、読んでみてください。


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