脳出血からの、着氷。
小学生のみーちゃんは、
とにかく感化されやすい子だった。
女子プロレスを見れば、
「私もリングに立つ」と本気で思い。
アイドルを見れば、
デビューする気でいた。
そして出会った。
『銀のロマンティック…わはは』。

(小学生の私が“クアドラプル”を知った漫画)
あの漫画で、私は初めて知った言葉がある。
クアドラプル。
4回転ジャンプ。
空中で四回も回るなんて、
もう人間業じゃない。
でも、登場人物たちはそれを
「世界と戦うための技」として、静かに、本気で追いかけていた。
汗と涙ドバーッのスポ根じゃない。
でも、ふざけてもいない。
わはは、と笑っているのに、
ちゃんと真剣。
その空気が、小学生の私の胸に刺さった。
当然のように思った。
「私もやる。」
(出来ないけど。)
それからうん十年。
私はフィギュアスケーターにはならなかったし、
4回転も跳べない。
それどころか
カーペットのわずかな段差で転ぶ🤣🤣🤣
でも。
ある日、
脳出血という、とんでもない壁にぶつかった。
あれは転倒というより、
リンクの外まで吹き飛ばされる感じだった。
ぐるぐるして、
何が起きたか分からなくて、
立てなくて。
「失敗したーー」って、
氷の上に寝転がってる気分だった。
でもさ。
いま、こうして笑っている。
完璧な着氷じゃない。
ちょっとぐらつく。
左足も思うようにはいかない。
それでも。
私は、立っている。
4回転は跳べないけど、
けっこう生きてきて、
私なりに、着地を決めた気がする。
脳出血からの、着氷。
減点はある。
加点はつかない。
でも、転倒じゃない。
転んだ人にしかできない着地も、ある。
わはは。

りくりゅうペア金メダルおめでとうございます㊗️✨️✨️
