ひな壇と、あなたの知らない世界。
私の昭和のひな祭りは、姉ちゃんの八段飾りだった。
ばあちゃんが、姉ちゃんのために買ってくれた立派な八段。
母ちゃんはそれをとても大切にしていて、毎年きっちり飾った。
私が小学生のころ、姉ちゃんはもう中学生。
ひな人形より、マッチだった。
レコードをかけて、ジャケットを眺めて、針をそっと落とす。
だから、母ちゃんの助手は、もっぱら私。
赤い毛せんを広げて、
人形を一体ずつ並べて、
最後に、ぼんぼり。
小さな電球をくるくる回して、ちゃんと灯るか確認する。
そして、みーちゃんなりに、部屋の電気を消す。
「暗いよ」と母ちゃんに言われても、
いいの、これがいいの。
ぼんぼりだけが、ぽわん。
そこで私は、「小学〇年生」の付録のソノシート。
たしか、どらえもんかなんかの曲。
姉ちゃんはマッチ。
私はドラえもん。
八段のひな壇の前で、
みーちゃんなりに、部屋をムーディーに演出していたわけ(笑)。
ひな祭りが終わると、人形はタンスにしまわれる。
あんなに灯ったぼんぼりも、コードを抜かれて、真っ暗。
私はしばらく、ひな人形のことなんて忘れる。
でも、夏になると思い出す。
夏休み。
昭和の子どもたちがなぜか震えながら見ていた、
あなたの知らない世界。
人形の髪の毛が、伸びる。
そう言われた瞬間、
私は急いでタンスを開ける。
薄紙をめくる。
白い顔。
黒い髪。
……あ、伸びてない。
ほっとする。
それを、高学年ぐらいまで毎年続けた。
春はムーディー。
夏はホラー。
それが、私の昭和のひな祭りだった。
うん十年、ひな祭りなんて忘れていたけれど。
イソジになって、noteを始めて、
同じイソジ?仲間?同志?(なんだろうね、この感じ)
るこさんの“大人のひな祭り”に参加している。
昭和の「あなたの知らない世界」は、ちょっと怖かったけど。
令和のnoteで広がった「あなたの世界」は、あたたかい。
noteやっていて、
こんな世界あるとは思わなかったね。
大人になっても、ひな祭りできるとは。
ムーは好き❤
でも、もう人形の髪の毛の確認はしないね(笑)。

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