寒い日の働かないおじさん。
私は、麻痺のある足を「働かないおじさん」と呼んでいる。
思うように動かない、働かない。
もっと可愛い言い方ないかなと思うけど——
“ちいさいおじさん”っていう妖精もいるし、そんな感じで。
可愛くないけど、病気になったときから、一心同体だ。
おじさんは、私という“組織”の一員。
働かないけど、クビにはできない。
いわば、長年勤続のファミリーである。
そんなおじさんが、今日は朝からご機嫌ナナメ。
急に寒くなったせいで、靴の中で暴れている。
「そんな働き要求してないよ!」って言いいたくなるように、ぐるぐる。
レスリングで言う“ローリング”。
痛みの程度で言えば、
おじさんがローリングを4回連続で決めたような。
足の中でねじられるような、逃げ場のない感じ。
あんまりにも痛いから、
思わず、靴をぬいで確認した。
いないって、わかってるのに。
でもほんとに、中を見たかった。
……おじさん、やっぱり今日も姿は見せない。
それでも、どこかで暴れてるのは確かだ。
靴の中が、まるで後楽園ホール。
でもまあ、これがうちの部署の日常。
おじさんが暴れてるってことは、まだ元気ってことでもある。
今日も私の中で、ローリング中。
おじさん、お願い。ローリングは、1回で勘弁して〜

