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声と物語をあなたの傍に 18 ~「影を探して」制作について


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・簡単な自己紹介

私はspoonという配信アプリで約3年活動しています
朗読・声劇をすることが多いのですが

活動の軸は
自作自演の朗読(1人ボイスドラマ)の
制作です
創作も好き 朗読/声劇も好き ですが
今後 ライフワークにしたいと思うほど
やりがい感じてるのが ボイスドラマです!

・自作自演ボイスドラマのご紹介『影を探して』

これは最初『鬼の話』として
連載を始めたのですが あんまりにも
ストレートすぎるタイトルなので
『影を探して』に改題しました

・現地取材?してます

物語 声劇制作のとき 私は現地取材に行くことがあります
もともと この作品は散歩してるときに感じた
不思議で不穏な感覚をもとに書き始めたので
何度か同じ場所に行って リアルな空気を
再現しよう、詰め込もう……としています
取材することで 作品に対する取り組み方も
変わる気がしています。
言語化すると……愛着がでる、かな?

・今後 毎週1話ずつお届け

制作にまつわる話をしつつ
続きを毎週1話ずつ
ご紹介していきたいと思います
全8話  お付き合い頂けたら(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)


影を探して~第一話 晩夏~

spoonのCASTより


鬼の話 第一話 晩夏  /作・雪笹


それは夏の終わりの、夕方のことだった。

夕暮れの中、私は会社から駅までの道をゆっくりと歩いていた。
18時過ぎ。定時で帰ることができたので、散歩のようなつもりで、1駅分歩こうという気になったのだ。

この道を歩くのは初めてで、でも線路沿いに歩けばなんとかなるだろう、という軽い気持ちだった。

しかし、そう上手くはいかなかった。
線路沿いの道は途中で途切れ、曲がって迂回せざるを得なかった。そして、細い道が多く、右折したり左折したりするうち、自分が何処にいるかわからなくなってきてしまった。

大通りに出ればなんとかなるだろう。
最初は楽観的に考えていた私も、どうやら大きなお寺の裏側にきてしまったことに気づき、足を止めた。

そんなに高くもない塀(へい)から、卒塔婆が見えるのだ。
もう18時半を過ぎようとしている。
辺りは暗くなり、街灯もほとんど無い。

元きた道を戻っても、大通りには出ないので、腹を括って前に進むことにした。

左手はお寺の塀(へい)だが、右側は民家だったので、なんとかなると思ってしまったのだ。

怖いので、イヤホンで音楽を聴くことにした。

もう日は暮れており、数メートルおきにある、街灯の明かりと、民家の玄関に付いている、小さな明かりを頼りに前に進んでいた。

逢魔が時、って言うんだっけ?
なんて思った時。
後ろに気配を感じた。
イヤホンのせいで気づくのが遅れた。
曲の曲のあいだの無音の時に、荒い息づかいが感じられるほど近くに、何かがいるのに気がついたのだ。

ちょうど街灯の下にいて、私の影が色濃くアスファルトの道におちている。
明かりのあるところ、ということに勇気を得て、勢いよく振り向いた。

そこには、黒い何か、がいた。

ふわっと、その黒い何かは私に迫ってきた。反射的に両手で顔をかばった。

何かが私の体を通り抜けるような、いやな感覚があった。
閉じてしまった目を開けると、その黒い何かは
姿を消していた。

先程感じた、いやな感覚はまだ残っている。

いまのは、なんだったのだろう。
背中のぞわりとした感覚はつづいている。

ただ、それがいなくなったことに安堵した。
けれど、街灯の明かりから離れて歩き出すことに、少し躊躇い(ためらい)があり、しばらくその場から動くことが出来なかった。

ふと、足元をみた。

先程、街灯の明かりでハッキリと見えた、私の影が、なかった。

ぞわり。
また、背中にいやな感覚が、
虫が這うようにうごめいた。

なに?どういうこと?

「あーあ。影を取られちゃたね」
不意に、少女の声がした。
この時間にはそぐわない存在に、
また背中がぞわりとする。
「このままだと死んじゃうよ?」
暗がりから、黒いワンピース姿の少女が、ゆっくりと歩いてくる。

小学校低学年くらいか。肩までの真っ直ぐな黒い髪。前髪は、眉の下で綺麗に、切りそろられている。この世代の少女にはそぐわない、黒装束、とでも言いたくなるような格好に、なにか、
まがまがしさも感じる。

「影、取り戻すの、手伝ってあげよっか」

少女は、口角だけを上げ、唇を三日月の形にして、笑った。

つづく

       ※著作権は放棄しておりません
       ※フリー台本ではありません


ここまでお付き合い頂き
ありがとうございました🍀

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