【映画感想文】バック・トゥ・ザ・フューチャー|あのギターは、少しだけ早すぎた
子どもの頃、この映画で一番好きだったのは、あのギターのシーンだった。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、マーティがステージに立って、チャック・ベリーみたいに弾きまくる場面だ。
観客はポカンとしているのに、マーティだけはノリノリで、
最後に「君らの子供にはウケる」と言う。
あのときは、ただ面白いシーンだと思っていた。
でも今思うと、あの一言は、少しだけ寂しい。
マーティのいた時代では、まだあの音は存在していなかった。
どれだけ良いものでも、タイミングが合わなければ伝わらない。
そういうことは、誰にでも一度くらいある気がする。
マーティの演奏は間違いなく“すごい”はずなのに、
あの場にいる誰にも届いていない。
ただ、少し早すぎただけで。
子どもの頃は、あのセリフを“決め台詞”だと思っていた。
でも今は、少し違って聞こえる。
あれはきっと、強がりだったんじゃないかと思う。
「君らの子供にはウケる」と言いながら、
本当は、少しだけ分かってほしかった。
──そんな感じがする。
