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持ち家VS賃貸  マンションを買ってしまった人は読まないで! ショックを受けるかも?

 

目次

 1 用語の説明

① 区分所有法
② 手抜き工事
③ マンション分譲ワールドの人々

2 分譲マンションの本質的な問題点

① 鉄筋コンクリートの寿命
② 区分所有法の問題点 

3 土地神話の崩壊 

4 マンション分譲ワールドの人々のセールストーク 

5 まとめ


 

1 用語の説明

 ① 区分所有法  

分譲マンションなどの所有者が複数いる建物の権利関係や管理運営について定めた法律。修繕・建て替えや日常のこまごまとした事項を所有者で話し合って決めるため、合意を得るのが大変であり、「悪魔の法律?」とも言われている。ちなみに欧米では集合住宅は賃貸がメインで、分譲する場合には例えば「50年後には解体して更地に戻す」ことなどを販売時に条件にしているようだ。

 ② 手抜き工事  

杭打ちを偽装したり鉄筋の本数を設計より減らして建築費を浮かす、コンクリートをミキサー車から型枠に流し込む際に余分に加水して作業時間を短縮する(所謂「シャブコン」)といった手抜き行為。それを防ぐには発注者が建設工事に立ち会って充分に監視するしかないが、分譲マンションの場合には困難と言われる。分譲マンションの場合は発注者であるデベロッパーが各購入者に販売した段階で所有権が各購入者に移るので、建設段階でコストのかかる充分な監視を行うインセンティブがデベロッパーに働かない・・・ 売ったらアトは知らないの発想・・・ ?   会社が自社ビルを建設する際には、しっかり立ち会って手抜き工事はさせないだろうが。
欧米では手抜き工事をさせないために公的な第三者が工事に立ち会うインスペクター制度があるが日本にはない。なお、日本において平成30年よりインスペクション制度が導入されたが、これは建設後の建物の劣化状況を診断するもので、全くの別物。 
手抜き工事により強度は設計よりも大幅に落ち、建物の寿命は一段と短くなる。阪神淡路大震災で倒壊したコンクリート建築物の柱の中から建設作業員が捨てたと思われる飲み物の空き缶等のゴミが発見されたのはその例。

 ③ マンション分譲ワールドの人々  

分譲マンションのデベロッパー、建設する企業、宣伝する新聞・テレビ等(例:新聞の折り込みチラシの多くが新築分譲マンション関係)、マンション購入のノウハウ本を書く評論家のセンセイ

 

 2 分譲マンションの本質的な問題点

 マンションは、戸締りや掃除が楽、エレベータがあれば高齢者にも楽、災害に強い などの良さがある。マンションには分譲マンションと賃貸マンションがあるが、分譲マンションには本質的な問題点がある。

① 鉄筋コンクリートの寿命

コンクリートは当初アルカリ性だったものが、時間とともに空気中の二酸化炭素とふれて中性化し、それにより内部の鉄筋が錆び、ひび割れが発生・拡大することにより益々劣化し、また排水管等の水廻りも腐食により劣化するので、結果としてマンションの寿命は通常数十年程度であると言われている。そして、手抜き工事があれば強度は設計よりも大幅に落ち、建物の寿命は一段と短くなる。

 ② 区分所有法の問題点

分譲マンションの購入者は「区分所有権」により、占有面積等に応じて土地を所有し、マンションについてのいろいろな方針(日常のこまごまとした各種ルールから、建物・設備の点検・修理、大規模修繕工事、建て替え といった大方針に至るまで)は基本的に所有者で話し合って決めることとなる。すなわち所有者全員で構成される管理組合として意志決定を行う。価値観や経済状況の異なる所有者間で合意を得るためには大変な労力・時間を要することとなるのは当然である(平成26年の法改正で所有者の8割の合意で建て替えが可能となったが、大変さは基本的に変わらない)。 所有者間で合意が得られず修繕工事等ができずに荒廃するマンションも多い。
大規模な修繕に備えた修繕積立金をちゃんと積み立てていけるかも大問題である。所有者の中には経済的事情から積立金を払えない者も出てくる。また空き家が出ればその住戸分、積立金が不足する。一階に店舗が入っているマンションが多いが、店舗が撤退すれば大口の積立金が不足する。あとの入居者が決まらなければ悲惨である。
また、日常の管理運営は管理組合が選定する(或いはデベロッパーが指定した)管理会社に委託するが、大規模修繕工事に際し管理会社等が自社と関係のある業者を管理組合が選定するよう誘導し、割高な工事を発注することになるケースも多い。

 3 土地神話の崩壊

 土地神話(土地を持つのが財産上、有利だった)は土地に対する相続税の評価額が他の資産に比べ低く有利であったことから生じ、土地の値段は右肩上がりで上昇し、マンションも買った時よりも高く売れることもあった。 その後、土地に対する相続税の評価方法が適正化され、土地神話は崩壊し、財産価値ではなく利用価値という住宅本来の力が求められるようになった。
新築の分譲マンションの場合、莫大な広告・宣伝費が加算されて高い価格となるが、入居した途端にマンション本来の価値に合わせ2割程度下落した価格となり、あとは建物の劣化に合わせて下落していくこととなる。

 4 マンション分譲ワールドの人々のセールストーク

 「家賃を払うくらいなら、ローンを払ってマンションを買ったほうが得。ローンを払い終えると自分の財産になるが、賃貸では何も残らない。将来高齢者になって一人暮らしするときには貸してくれる住宅がない。」というのはマンション分譲ワールドの人々のセールストーク、常套句である。

 ① ローンは30年、35年と払い続けなければならない。また前述の修繕積立金の他に管理費や固定資産税も払い続ける必要がある。家族が増え広い所に移りたいと思っても、管理が悪く資産価値が一段と下がっても、また住環境が悪くなってもひたすら払い続けなければならない。収入が減ってローンが払えなくなり、マンションを手放そうにも価格は下落してローン残高を下回り、売ることすらできなくなりかねない。めでたくローンを払い終えても、その頃にはマンションは寿命を迎え、今度は莫大な建て替え費用を負担しなければならない。所有者間で合意が得られず建て替えができなければマンションは荒廃し、スラム化する。

 ② 今後は人口が減ることから、住宅は益々過剰になり、このままの供給が続くと2040年には空き家率は4割になり、特別に商業的価値の高いエリアを除き既存住宅の価格はさらに下がり、家賃相場も下がる。そして超高齢化社会をむかえ、既に導入されつつある孤独死を防ぐための安全確認サービスの普及等により、今後シニア向けの賃貸物件も拡充されていくのは自然の流れである。

 ③ 本屋に行けばマンション購入のノウハウを書いた本が多数売られており、いろいろと専門的な注意事項が書かれているが「分譲マンションの本質的な問題点」について指摘することはほとんど無い。そしてマンションを購入したいと思っている人が、このようなノウハウ本を数冊読みこんでマンションを購入することが多いようだ。

 

5 まとめ

賃貸の場合は分譲マンションが抱える上記の本質的な問題点はない。ライフスタイル・ライフステージや収入の変化に応じ住み替えれば良い。ステップアップ・ステップダウンも可能である。隣接地での建物建設による日照悪化などの環境悪化や、上下階・両隣住戸とのトラブルにも住み替えれば問題ない。価値観や経済状況の異なる所有者間で様々な合意を得るために大変な労力・時間をストレスを抱えながら費やすこともない。貴重な時間とエネルギーを自分の人生を豊かにするために使うことができる。

 そもそも持ち家政策は戦後の高度成長期に住宅政策ではなく景気対策として導入されたもので、戦前までは文豪等の文化人を含め多くの人が賃貸で住宅に住んでいた。住宅は「所有する」のが目的ではなく「住むことにより利用する」のが本来の目的であることに立ち返ることが大事。

 明石海峡大橋や東京スカイツリーに代表されるように日本の土木・建築技術は世界のトップクラスであり、また寺社建築、城郭建築のように、宮大工さん達の匠の技は世界に誇るものである。他方、分譲マンションについては法制度上の問題から残念なことになっていると多くの建築関係者が感じているのではないだろうか。

 

                 

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