【三題噺】【BL】ジャムの甘さで
「いちごジャムだよね?コーヒーもいつも通りで」
布団でまだ寝ているまことに話しかける。まことは適当に返事をしてもう一度布団に潜っていった。
住んでいる場所とは違い、この雪国の朝は彼にとっては寒いのだろう。
「まこと、早く起きろ〜。コーヒー冷めるぞ」
起こしにきた僕を捕まえ、まことは僕を布団に引きずり込んだ。昨夜の余韻もまだ覚めてはいない、二人の視線が交わる。
「──っはぁ……まこと、コーヒー冷めるって」
長い貪り合いの後、寒さに対抗できるほどの熱を持った僕たちは朝食をいただくことにした。
「今日はもうこのまま帰るんだろ?いつも二人で海を見てからお別れなのに、さみしいな」
「明日の仕事が早いんだよ。来月は勇人の誕生日だろ?ゆっくり来るから。あとさ、こっちの冬の海ってサスペンスドラマみたいじゃん?」
「ザッパーン!だろ?確かに恋人と見る海ではないけどさ。」
「あの海見てると追い詰められてるみたいで嫌なんだよな」
笑いながら、無神経にその話を持ってくる。
以前、生まれ故郷の海を悪く言われたくないとくぎをさしたばかりだったのに。
「このいちごジャム、ほんと美味しいよな。ミルクとの相性が抜群」
僕をおだてるかのようにジャムを褒めて、まことは身支度を始めた。
僕たちにはいつ、どんな終わり方が来るのかわからない。そう覚悟して付き合い始めたはずなのに、距離の遠さがその覚悟を少しずつ削いでいく。
「じゃあ、もう行くわ」
いつも僕が車で駅まで送迎しているんだけど、今回は『勇人にゆっくりしててほしい』という名目でまことはレンタカーを借りていた。
玄関先で、もう一度キスを交わす。
「…… ……ほんとに、今日はこれだけ?」
渾身の“行かないで”のつもりだった。
「ごめん。来月。来月、きっと楽しい誕生日にするから」
そんな顔されたら、誘った僕が悪いみたいじゃんか。
「うん。楽しみにしてるな」
玄関のドアが、まことの背中を隠していく。
《今週の三題噺》
1.冬の海
2.レンタカー
3.いちごジャム
近況
今日の午前中までは書ける気がしませんでした。
19日の夜にぶっ倒れて、昨日1日中頭痛と体中の痛みに襲われっぱなし。
そんなんでも、検査結果はインフルもコロナも陰性。
「3回検査してやっと陽性が出た人もいるからねぇ」
と先生に言われました……いや、明日も行くとかきつすぎん?
頭痛が酷くて、絶対に半年前のコロナと一緒だと思ったのに……
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