DAY128|成人の日に、服が手渡しているもの

toi o matou|問いをまとう
販売は、感性を届ける表現行為。
揺らぎを手渡す毎日の記録。


今日は成人の日。

そして、各地で成人式が行われる日だ。

法律上の成人年齢は、
18歳に引き下げられた。

それに伴い、
名称も「成人式」から
「二十歳のつどい」などへ
変わった自治体も多い。

けれど、
多くの地域では、
今も変わらず
20歳を対象に式が行われている。


制度は変わっても、
景色は、
ほとんど変わっていない。


この18年間、
毎年この時期になると、
成人式需要で
ジャケットやパンツを探しに来る
若いお客様が、必ずいる。



少し緊張した表情。
親御さんと並んで、
鏡の前に立つ姿。

デザインの効いたジャケットか、
それとも
ベーシックなセットアップか。

その選択ひとつひとつに、
「節目」が詰まっている。


成人式は、
自分が主役になれる日だ。


同時に、
ここまで育ててもらったことへの
感謝を意識する日でもある。

自分の意思だけでは
生きてこられなかった
18年、20年。

その時間を、
服を選びながら、
少しずつ実感していく。


これからは、
法律も「大人」として
扱われる。


自由が増える分、
責任も増える。

選択の結果を、
自分で引き受ける場面が、
確実に増えていく。


だからこそ、
この日の装いには
意味がある。

ただ「似合う」だけではなく、
「立ち姿が変わる」服。


COMME des GARCONSの
ジャケットに袖を通す若者を、
これまで何人も見てきた。


決して、
分かりやすく優しい服ではない。

でも、
自分と向き合うきっかけを
与えてくれる服だと思っている。



鏡の前で、
少し背筋が伸びる。

表情が、
ほんのわずか変わる。

その変化を、
私は何度も目撃してきた。



服ができることは、
人生を変えることではない。

けれど、
人生の入り口に
立つ姿勢を整えることはできる。



販売という仕事は、
商品を渡して終わりではない。

「これから先」を
そっと想像しながら、
送り出す行為でもある。

今日、
店に立ちながら、
そんなことを考えていた。



どうか、
この服を纏って、
それぞれの場所で
社会人として活躍してほしい。

迷いながらでもいい。
失敗してもいい。

自分の足で立ち、
自分の言葉で選び、
前へ進んでいってほしい。


成人の日は、
祝われる日であると同時に、
託される日でもある。



今日の問いは、これだ。


「自分は、
 誰かの節目に、
 何を手渡しているだろうか。」

服かもしれない。
言葉かもしれない。
背中を押す空気かもしれない。


今日もまた、
そんなことを思いながら、
店に立っている。

成人の日。
静かに、
未来が動き出す日。


今朝のトレーニング🏋️ソング🎧


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