燃え尽きた週と、25年前の私と
2026/05/15 金曜日
ちょうど1週間前、ZINEフェス熊本に参加した。その時の様子は、制作日記として少しずつ本アカに書いている。
フェスまでの1週間は、仕事に、GWの行事に、ZINEの準備に、おまけに風邪までひいて、めちゃくちゃだった。それなのにフェスが終わったら、風邪が嘘みたいに消えた。そして代わりにやってきたのが…暇、だ。笑
iPhoneのスクリーンタイムが、びっくりするくらい増えた。
どうやら私は、あの1週間にスポットライトみたいにエネルギーを全部注ぎ込んでいたらしい。制作したい気持ちも、仕事への意欲も、制作日記の続きも、折り本の魅力について語りたい気持ちも——全部あるのに、その容量が、ない。
だから無駄に、XもInstagramもnoteも開いては、ただただスクロールしている。
電車の中でスマホを見ている人たちも、もしかしたら私と同じなのかもしれない。暇、というよりは、空っぽを埋めようとしている感じ。でも、そういう時間も必要だよな、とも思う。一見何の役にも立たないようで、きっと何かが少しずつ満ちていっているんだと思いたい。
スクロール以外にしたことといえば、ものすごく久しぶりにプレイリストを作った。
1998〜2001年に聴いていた音楽を集めたくなったのだ。高校のスクールバスの中で、Sonyのウォークマンにダビングしたテープをセットして聴いていた、あの曲たち。iPodを買う前の、あの短くて濃い時間。そこから少し飛び出して、2005年頃までをざっくり詰め込んでみた。
2〜3周くらいして、、めちゃくちゃかっこいい。というか、ずっとかっこいい(語彙力。笑)
そのプレイリストの中に、birdがいた。久しぶりに「髪をほどいて」を聴いていたら、ふと気になってクレジットを調べた。作曲、堀込高樹。編曲、田島貴男。
キリンジとオリジナルラブ。そうか、あの人たちか。なるほど!
好きなものの裏側に、ずっと同じ人たちがいた。そういう発見が、音楽を聴く密かな喜びのひとつだと思う。
改めて聴き直すと、この曲はとにかくドラマチックだ。こんなに低い声から入る女性ボーカルの曲って、あまりない。雨の情景、恋に落ちた相手との距離感。そして「さす傘はない」というたった一行。一緒に傘に入って帰れる相手ではない、ということが、説明なしに伝わってくる。
もちろん「恋は摩訶不思議なもの、あなたにすぐ会いたくなるのよ」と、感情をまっすぐ言葉にする部分もある。でも日本の歌の面白さって、言い切る行と、言わない行が、同じ重さで並んでいるところだと思う。描写だけで感情を置いていく、あの静かな強さ。
日本の音楽はよくガラパゴスと言われる。世界標準とは違う独自進化を遂げた、と。でも私はその「ガラパゴス」の中に、雨とガジュマルとサンダルと、さす傘のない情景を詰め込む豊かさがあると思っている。
燃え尽きた週に、プレイリストを作って、歌詞の世界に浸っていた。たぶん、これが私の回復の仕方なのかもしれない。
スクリーンタイムが増えても、こういう時間があるなら、悪くない。
