なぜLando Norrisは勝てたのか?
2026年ハンガリーGPをタイヤ・ピット・トラフィックから読む
2026年ハンガリーGP。
Lando Norrisが今季初優勝を飾りました。
予選ではポールポジション。
決勝でも優勝。
結果だけを見ると、
「McLarenが速かった」
「Norrisが速かった」
それで終わってしまいそうです。
でも、今回のレースを少し細かく見ると、かなり面白いことが起きています。
なぜならNorrisは、
スタート直後にトップを失っているからです。
しかも、その相手はチームメイトのOscar Piastri。
Piastriはスタート後、Leclercを抜き、さらにTurn 2でNorrisの前に出ました。Formula 1公式のレースレポートでも、この展開が詳しく記録されています。
つまり、
ポール
↓
スタート
↓
Piastriに抜かれる
です。
普通なら、少し嫌な展開です。
ところが、最終的にNorrisが勝ちました。
では、
なぜNorrisは勝てたのでしょうか?
最初に答えを言うと「マシンが速かった」だけではない
今回のNorrisの勝利を私は、
①マシン
②ドライバー
③タイヤ
④ピット戦略
⑤トラフィック
⑥運
の6つに分けて考えています。
どれか一つだけでは説明できません。
特に重要なのが、
「クリーンエア」
です。
NorrisはPiastriの後ろを走っている間、自分のほうが速く走れる感触を持っていました。
しかし、前の車を追いかけていると、空力的に不利になります。
そしてNorrisは無線で、よりクリーンな空気の中なら速く走れることを示していました。
Andrea Stellaも、Piastriの後ろを走っていたNorrisがよりクリーンな空気を求めていたことを振り返っています。
ここが今回の戦略の入り口です。
スタートでNorrisは何を失った?
Norrisはポールからスタートしました。
ところがTurn 2で少しワイドになり、その隙をPiastriが突きます。
Piastriはカットバックを使ってNorrisの前へ。
これによって、
Piastriが1位、Norrisが2位
となりました。
Norris自身もレース後、スタート直後にリアを何度か失い、ワイドになったことでPiastriに抜かれたと振り返っています。
つまり、Norrisにとっては完璧なスタートではありませんでした。
それでもNorrisはすぐに無理をしなかった
ここが重要です。
NorrisはPiastriの後ろで速さを感じていました。
でも、
「速いから抜く」
という単純な話ではありません。
ハンガリーはオーバーテイクが簡単なサーキットではありません。
前の車の後ろにつけば空力的な影響も受ける。
タイヤも使う。
無理に攻めれば、自分のレースまで壊してしまう。
だからF1では、
「今抜けるか?」ではなく「今抜く必要があるか?」
を考えます。
この違いはかなり大きいです。
タイヤ戦略は「何周で入るか」だけではない
F1の戦略を見るとき、
「20周目にピット」
「35周目にピット」
という数字だけを見る人が多いと思います。
でも、それだけでは戦略の意味は分かりません。
見るべきなのは、
「ピットに入った後、どんな状態になるのか?」
です。
例えば新品タイヤを履いても、
前に遅い車がいたらどうでしょう?
せっかくの新品タイヤで速く走りたいのに、前の車に詰まる。
追い抜くためにタイヤを使う。
結果として、想定よりタイヤを消耗する。
つまり、
新品タイヤ=必ず速い
ではありません。
ここから今回のレースで一番面白い部分に入ります。
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