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ポルトガルの民謡を(老人ホームで)歌う−4

ポルトガルも暑くなってきた。夏の間はほとんど雨が降らないので空気が乾燥している。乾燥しているので朝の犬散歩の時や家の中は寒いぐらいなのだが、日中に外を歩くと「これならDNAレベルで損傷を受けるのもわかる」と納得するような強い日差しだ。なのにまだ夏が始まる(夏至)まで1ヶ月もあるという恐ろしさ。

去年人間ドックでビタミンDが欠乏してるといわれたので、今年は使うのをやめようかなと思っていたが、それどころではないと思い日傘がすでにデビューした。ポルトガルにきてから私以外に日傘をさしている人をみたことがなかったが、ここにきて初めて一人だけ日よけで傘をさしている女性をみた。怖い夏になりそうな予感。

さて、シニア大学は7月始め終わるので、1年の成果を発表するべくいろいろと催しも増えてきた。今年の3月にはダンスクラスが老人ホームにいって踊ったが、今週はカントアレンテージャーノクラスでアレンテージョ民謡を歌ってきた。

クラスメート達と先生でアレンテージョ民謡を歌う

市の公園(Parque de Cidade)にあるAuditoriamの駐車場で待ち合わせた。このAuditoriamは去年ダンスフェスティバルで踊った場所だ。(今年も6月にダンスの発表がここであるはず。)みんなオソロイの服装でないといけないという事で、少し前にドレスコードを言い渡された。が、私はどうしても伝統的なスカーフを見つけられなかった。どこで買うのかがわからない。モールでも街中の洋品店でもみつからない。おそらくリスボンの土産物屋で買えるとは思うのだが、クラスメートの誰に聞いてもリスボンの土産物で買えと言う人はいないし、私もそれはいやだったのだが、私がスカーフを持っていないと知ったクラスメート達の何人かが予備のスカーフを持ってきてくれた。他人に優しくされるとなんだか自分が悪人に感じるねじれた性格の私は、常日頃自分のことを本性は極悪人といっているのだが、極悪人の私なのにみんな優しい。

みんなが集まったところで、市が運営しているバス会社のマイクロバスに乗って出発する。どこで歌うのか相変わらずわかっていない。

                *

ついた先はセトゥバルにあるリタイアメントホームだった。

ホームの中には電車の写真や絵がいたるところに飾ってあって不思議だなと思ったのだが、ここは鉄道会社で働いていた人たちのリタイアメントホームだと言うことを後で知って納得した。

今日の演目を待合室でチェックするクラスメート達 後ろに汽車の絵があります。

待合室から、大きな多目的共有ラウンジ的な空間(語彙不足を感じています)に移動すると入居者達がまっていた。多くの人々は眠っていたり、無表情で何も言わずに椅子や車椅子にすわっており、ケアテイカーの人が彼らのまわりを回りながら面倒をみていた。その静かな雰囲気とはかけ離れてテンションの高い所長が陽気に私たちを紹介し、歌がはじまった。以下は、歌った(私が覚えている)演目のタイトルです。

  • É lindo na primavera

  • As nuvens que andam no ar

  • Fui colher uma romã

  • É tão grande o Alentejo

  • Barquinha

  • Trigueirinha alentejana

  • Castelo de Beja

  • Só uma pena me existe

  • Eu ouvi um passarinho

先生は曲を紹介する時や、曲のあいまに冗談をいったりして観客を笑わせながら、でも淡々と静かに進む。私は歌詞を読むためにずっと下を向いていて歌を聴く人々の表情をみていないので、ダンスの時と違って聞いてる人達の反応がわからない。

と思っていたら、一緒に歌う声が聞こえ始めた。

そうか、私には耳慣れない歌だけど、彼らにとっては一緒に育ってきた歌だものね。あとで友人に言ったら「(リタイアメントホームの入居者は)アレンテージョで生まれ育った人も多いはずだから」といっていた。

そういえば認知症で私のこともわからなくなった母が「夕焼け小焼け」を歌うのを聞いたことがある。私が認知症になったら何を口ずさむのかな。自分で知る術もないけど。

                 *

帰りのバスの中でセトゥバルの街並みや乾燥した風景をぼおっとみていたら、突然先生が振り向いて’ミーシャ’と呼ぶ。もうシニア大学ではほぼ完全にミーシャとなってしまったが、名前を覚えてもらえないよりは全然いいので良かったと思っている。先生は窓の外の店を指さして「ここでスカーフが買えるよ」と言うようなことを言った。ポルトガル語で返事ができないので、ミーシャは先生に向かって 👍 と返す。あとで買いに行こう。近くの駅の名前と向かい側にバーガーキングがあるという情報だけだが、なんとかなるだろう。

途中で何人かがバスから降りて、そしてバスは無事に市民公園の駐車場に戻った。Até à próxima semana!といってみんなと分かれて、いつものトフとの散歩道をもどって帰宅した。

しかし暑いなあ。今年の夏も扇風機だけで乗り切れるのだろうか?そういえばここの夏に赤蜻蛉みた記憶がない。




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