兵庫県北播磨地域は「全国屈指の読書地域」だった―図書館貸出ランキングから見えてきた地域の実力―
兵庫県北播磨地域には、三木市、小野市、加西市、西脇市、加東市、多可町の6市町があります。
この地域について調べている中で、ある図書館関係の資料に掲載されていた「人口規模別図書館貸出数ランキング」を目にしました。
その結果を見て、私は驚きを隠せませんでした。
それは、北播磨地域が単に図書館利用の多い地域ではなく、全国でも屈指の「読書地域」ではないかと思えるほどの結果だったからです。
1.北播磨6市町すべてが全国上位にランクイン

人口規模別の全国ランキングは次のとおりです。

驚くべきことに、6市町すべてが全国上位7%以内という極めて高い順位に入っています。
一つの自治体が全国1位になることは珍しくありません。
しかし、地域を構成するすべての自治体がそろって全国トップクラスという例は、全国的にも非常に珍しいと考えられます。
1-1.「点」ではなく「面」の強さ
このランキングが示している最大の特徴は、「一つの自治体だけが突出している」のではないということです。
北播磨地域を地図で見ると、多可町から西脇市、加東市、小野市、加西市、三木市へと隣接しており、地域全体が高い図書館利用率を誇っています。
つまり、これは一つの市町の特色ではなく、北播磨地域全体に読書文化が根付いていることを示している可能性があります。
私はこの状況を、「北播磨読書ベルト」と呼んでもよいほど特徴的な現象ではないかと感じています。
1-2.人口規模が違っても上位
さらに興味深い点があります。
各自治体の人口規模は、
・約2万人
・約3万人
・約4万人
・約6万人
と大きく異なります。
にもかかわらず、それぞれの人口区分で全国上位にランクインしています。
つまり、
・「人口が少ないから有利」
・「人口が多いから貸出数が多い」
という単純な理由では説明できません。
人口規模という条件をそろえて比較しても、北播磨地域の自治体は全国トップクラスなのです。
2.なぜ北播磨は読書地域なのか?

では、なぜ北播磨地域ではこれほど図書館利用が盛んなのでしょうか?
考えられる理由として、次のような点が挙げられます。
2-1.理由1:図書館行政が充実している
北播磨地域では近年、
・加東市中央図書館
・西脇市図書館(Miraie)
・小野市立図書館
・三木市立中央図書館
など、利用しやすく魅力ある図書館が整備されてきました。
快適な読書環境が、多くの利用者を集めていると考えられます。
2-2.理由2:図書館ネットワークが発達している
北播磨地域では、市町を越えて図書館資料を取り寄せたり返却したりできる相互利用制度が整備されています。
住民にとっては、市町境を意識せずに利用できるため、図書館がより身近な存在となっています。
2-3.子どものころから読書習慣が育まれている
多くの自治体では、
・ブックスタート事業
・学校との連携
・読み聞かせ活動
・調べる学習
など、読書推進事業が積極的に行われています。
幼いころから本に親しむ環境が整えられていることも、大きな要因でしょう。
2-4.教育文化との関係
北播磨地域は教育を重視する地域としても知られています。
教育への関心の高さが、図書館利用や読書文化の定着にもつながっている可能性があります。
ただし、教育水準と図書館貸出数との因果関係については、今後さらに研究が必要なテーマといえるでしょう。
3.「全国屈指の読書地域」と言えるのか
今回のデータから言えることは、図書館貸出実績という客観的な指標に基づけば、北播磨地域は全国屈指の読書地域であるということです。
もちろん、「読書好き」という文化全体を図書館貸出数だけで測ることはできません。
しかし、人口規模別で比較した結果として、6市町すべてが全国トップクラスという事実は、北播磨地域の読書文化の成熟度を示す非常に有力な根拠といえるでしょう。
4.今後さらに調査してみたい
今回の調査を通して、私は新たな疑問も湧いてきました。
なぜ北播磨地域だけがこれほど図書館利用率が高いのか。
いつ頃から読書文化が根付いたのか。
図書館政策や学校教育はどのように発展してきたのか。
他地域と比較した場合、北播磨の特色はどこにあるのか。
これらを詳しく調べていけば、「なぜ兵庫県北播磨地域は全国屈指の読書地域となったのか」というテーマで、一つの地域文化研究としてまとめることも十分可能だと思います。
地域の歴史や文化、教育を研究している私にとって、このテーマは大変魅力的な研究対象です。
今後は各市町の図書館の歴史や読書推進施策も調査しながら、北播磨地域が育んできた豊かな読書文化の背景を探っていきたいと思います。
