『人生はゲームなのだろうか?』読んだよ
平尾昌宏『人生はゲームなのだろうか?』読みました。
最近読んだ『日本語からの哲学』がとても面白かったので、同著者の他の書籍も読みたくなったのです。「人生はゲームなのだろうか」という本書のテーマが興味深そうだったのでチョイス。
やー、期待に違わず大変面白い本でした。
人生を評して「神ゲー」だとか、「クソゲー」だとか、「無理ゲー」だとか、ゲームに例える言説はちょくちょく見かけますよね。あまり意識はしてないけれど、江草自身ももしかすると時々ゲームに例えてる可能性はありそうです。
しかし、そんな風にゲームに例えられがちな人生ですが、「では本当に人生はゲームなのだろうか?」と問いかけるところから本書の哲学的思考の旅が始まります。
著者自身が大学での講義で「人生はゲームか?」という問いを投げかけることを実践されているらしいのですが、「人生はゲームだ」という肯定派もいれば「人生はゲームではない」という否定派もいて、けっこう分かれるんだとか。
さて、みなさんはどっち派でしょうか?
どっち派であっても、「ではなぜ自分はそう考えるのか」を紐解いていくのが哲学の醍醐味。まさしくそこを掘り下げていくプロセスが体験できるのが本書でして、このプロセスがほんと面白い。普段私たちがいかになんとなーくで生きてるかが痛感されます。
本書の結論を言ってしまうと野暮であり、かつ結論が重要という本でもないですから、(今回も)本書の結論は記しませんけれど、なかなか説得力のある結論だと思いました。
みなさんもぜひこの結論に至る道筋を体験してみていただきたいです。
その道筋の中で「自分の人生」にも自然と思いを馳せるようになるはずです。
『日本語からの哲学』を読んだ身としては、本書が〈ですます体〉で書かれているところから「ふふふ」となってしまいますけれど、全般に講義風味の口調でとにかくライトに読みやすくなっています。ボリュームも短いし、テーマも比較的日常的ということで、『日本語からの哲学』よりも読むのは平易でしょう。
その点で、「人生」および「ゲーム」の概念に理解が深まるだけでなく、哲学入門書的な色あいもあって、『日本語からの哲学』以上に万人にオススメしやすいです。
もっとも、比較的ライトにまとめた書だけあって全てを詳細に考察しきっているわけではない以上、読後に「こういう場合はどうなる?」「ここはほんとうにそう?」とか様々な疑問が湧いてくるのですけれど、そうやってさらに個人的に深堀りしたくなる気持ちを導いてくれる点も、哲学入門書としてまさにうってつけだなあと思いました。
それにしても、全体に非常に論理的でありながら、ところどころユーモアもはさみつつ、それでいて丁寧で傲慢さがない著者の文体は、ほんと江草が憧れるところでして、こういう文章を書きたいなあと常々思うのです。(そういう意味では平尾先生の文章は、こちらも江草が敬愛する戸田山和久先生とテイストが似たものを感じますね)
多少なりとも真似できるよう日々精進いたします。
※同著者の『日本語からの哲学』の感想noteはこちら。ご参考まで。
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