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『限りある時間の使い方』読んだよ〜同じ現代を生きる同目線の著者の主張だからこそ心に刺さる良書〜

子育てをしているとどうしても自分の時間がなくなりがちです。それもあって最近タイムマネジメントに関わる本に目が行くようになりました。

そんな中、本屋で平置きにされていてつい手に取ったのが本書『限りある時間の使い方』でした。

あのひろゆき氏も絶賛しているといいますから、最近妻から「いりょゆき医療系ひろゆき」と愛称認定された江草としては読まざるをえますまい。


本書は全体的に固い論述文というよりは、カジュアルなエッセイに近いタッチで読みやすいです。それでいて各所のロジックもそこそこ説得力があって読ませます。全体に謙虚な姿勢なのが好印象です。

結論としては、とても良かったです。

正直、最近読んだ本の中でトップクラスにつき刺さった本かもしれないぐらい。


邦題で「時間の使い方」と銘打ってはありますが「時間を上手く使うためのノウハウ」を期待してはいけません。本書はむしろそういった「時間を上手く使ってやろう」とか「生産性をあげよう」とか「自分の時間を確保しよう」といった発想を否定する本になります。


本書の軸になる主張はシンプルで「人生は有限だ」というものです。

こう言うと「人生は有限だからこそ効率よく時間を使わないといけない」と思われそうですが、そういった「生産性」的な発想こそが人生を生き損ねる罠であると著者は指摘します。


人生はたかだか4000週間の有限な期間でしかない。だから人生でなんでもかんでもやりたいことをやることはできないのだと気づくことが大切。
なんとかして色々やり遂げようとか効率をあげようという考え方は自分の人生の有限性に気づく不安から逃げているだけで、かえって「今」という「人生」を生きられないことにつながってしまう。
色んな可能性を残したままで生きようとすることは、かえって生きていないことでもある。
多くのやりたいことを諦めるのが人生であり、今やるべきことをやるしかない。

こんな感じの論旨です(江草解釈です)。


多分、主張自体は言うほど独自性はなくて、色んな所で言われてる話ではあると思います。

ただ、本書がグッと心に刺さるのは、著者が僕らと世代も変わらないどこにでもいそうな働き盛りの人物で、ともに現代を生きている仲間から言われてる感覚になるのが大きいのかなと。


たとえば、同様に「人生の有限性」を説いた本としてはセネカの『生の短さについて』も有名です。非常に良い本です。

でも、古代ローマの哲人の説教では「確かに仰る通り」と納得しつつも、どこか心理的距離があるんですよね。偉い人だし、めっちゃ昔の人ですから、それは仕方ないでしょう。

また、たとえ現代の本であったとしても、瞑想の達人とか、哲学科の先生の本であれば、同じ様に共感までは至りにくい。立場が違いすぎて、教えを受けてる感じがしちゃうので。


一方で、本書は著者との心理的距離が近い。同じ高さの目線から語られる。だからこそ刺さる。
グッサグッサ刺さるのです。


たとえば、著者は過去に僕らと同じ様にポモドーロテクニックを試してみたり、メールを早く返信するための仕事ハックを取り入れてみるなど、ありとあらゆるタイムマネジメント術を試してみたと言います。
ほんと「あるあるネタ」ばかりで見に覚えがありすぎる話です。

でも、結局、著者は言うのです。

「僕らは時間には勝てない」と。


同じ現代を生き、同じ様に時間と格闘した、同目線と言っていい著者からの言葉だからこそ本書の主張は重く、そして、共感を覚えてしまうのです。


正直、江草は「時間をなんとか有効に使ってやろう」と今の今まで企んでいました。
だからこそ、タイムマネジメントの本に目移りしていたわけです。

しかし、この度本書によって頭をぶん殴られてしまいました。


だよなあ。
人生って有限だよなあ、と。

もう言い訳しようがない。


また本書を再読しつつ今後の生き方を再考しようと思います。




余談ですが、本書にもある「自分の時間の確保にこだわらない」という考え方は、最近読んだ『佐々木さん、自分の時間がないんです』というKindle本にも同様のことが記されていて、これも目からウロコでした。対談形式の本なので読みやすいです。
佐々木氏の個性的な理論は非常に面白く、なるほどそういう考え方があるとは、とかなり唸らされました。


また、「なんでもかんでもできるはずがない」という完璧主義、理想主義への諦めの大切さは、『時間クエスト』というKindle本にも指摘されていました。
こちらも漫画であり読みやすくて面白かったです。



しかしまあ、これだけ「時間」に関する本があるのですから、みな苦戦してるんだなあとつくづく感じますね。


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