「次も買いたい」を生む同梱物ランキングと、離反を招くNG同梱物(消費者500人調査)
同梱物は購入後の体験を変える低コスト施策です。
消費者500人調査で「次も買いたい」を生む同梱物の1位は割引クーポン、情緒で効く2位はお礼の手紙でした。
一方で離反を招く同梱物も存在します。本記事は同梱物でリピート購入とLTV向上を設計する手順を、ファネル設計士の視点で解説します。
今回は「同梱物」というテーマでお話しします。商品を箱に詰めて、最後にもう一枚なにを入れるか。
この小さな一枚が、次の注文を呼ぶか、静かな離反を生むか、を分けています。なぜなら同梱物は、お客様がほぼ100%開封する数少ない接点だからです。
この記事を読み終えるころには、「次も買いたい」を生む同梱物と、入れてはいけない同梱物の境界線が見えてきます。
広告でお客様は増えても、2回目が続かないという課題
いま多くの通販・D2C事業者が、新規獲得コスト(CPA)の上昇に直面しています。
苦労して1回目を買っていただいても、2回目が続かなければ、広告費は回収できません。ここ
で見落とされがちなのが、購入後に届く「同梱物」です。
同梱物は、開封率がほぼ100%という、ほかにない強さを持っています。
メールの開封率が一桁台で悩む時代に、必ず見られる接点が箱の中にあるのです。
同梱物に対する消費者実態調査では、「次も商品を買いたくなる同梱物」の1位は「割引クーポン」で56.8%、2位は「挨拶状・お礼の手紙」で43.6%、3位は「新商品・関連商品のサンプル」で36.6%でした。
割引クーポンとサンプルは、お客様に直接のメリットがある「機能的価値」です。
一方で、お礼の手紙は「情緒的価値」であり、コストをかけずに気持ちを届けられます。ここに、小さな会社が大手と戦える余地が残っています。
なぜ今、同梱物を見直すべきなのか
理由は、同梱物が「ブランドの印象」をその場で動かすからです。
良い印象は次の購入の動機になり、悪い印象は静かな離反の引き金になります。
同じ調査では、印象の変化についても明確な数字が出ています。
同梱物を通じて企業や商品のイメージが変わった経験について、「ポジティブなイメージに変わった」25.3%と「どちらかというとポジティブ」37.3%を合わせ、62.6%がポジティブな変化と回答しました。「ネガティブなイメージになった」は6.8%でした。
つまり同梱物は、低リスクで好印象に転化できる施策だと言えます。
ネガティブが6.8%にとどまる一方、ポジティブが62.6%という比率は、やらない理由を探すほうが難しい数字です。
新規を追いかける前に、すでに買ってくださったお客様への一枚を整える。
これが、いま見直すべき順番だと私は考えます。
「入れてはいけない同梱物」を外すことから始める
足し算の前に、引き算から入りましょう。良い同梱物を増やすより、悪い同梱物を外すほうが、効果が早く出るからです。
調査では、離反につながる同梱物もはっきりと示されています。
顧客離反につながる同梱物の1位は「アンケート」で25.2%、2位は「チラシ・パンフレット」で18.8%、3位は「お客さまの声や口コミのピックアップ」で17.8%でした。同梱物は開封率がほぼ100%のため、内容次第では悪い印象を与える可能性があるとされています。
注目したいのは、1位が「アンケート」だったという事実です。
事業者にとっては顧客理解のための善意の施策が、お客様には「手間の依頼」と受け取られていました。
アンケートをやめる必要はありません。
買った直後ではなく、満足が高まったタイミングへ後ろにずらすだけで、印象は変わります。
さらに、受け取った経験が多い同梱物にも傾向があります。
これまで受け取ったことのある同梱物で最も多かったのは「挨拶状・お礼の手紙」で77.5%、次いで「チラシ・パンフレット」が62.2%、「使い方に関する解説書」が49.8%でした。
お礼の手紙は「受け取った経験」も「次も買いたい」も上位という、珍しい同梱物です。ありふれているのに嫌われない。
ここに、関係を育てる入口があります。
今日から動ける一手|同梱物を「3層」で設計する
私がおすすめするのは、同梱物を3つの層に分けて設計することです。
第1層は「情緒」、つまりお礼の手紙です。
開封して最初に目に入る場所へ、短くてかまいませんので、一言の感謝を置きます。
第2層は「次の一歩」、つまり割引クーポンです。
ここで、次回購入や定期購入への小さな段差を用意します。
第3層は「発見」、つまり関連商品のサンプルです。
お客様の関心に近い一品を、押し売りにならない分量で添えます。
そして引き算として、買った直後のアンケートと、過剰なチラシは一度止めます。この3層+引き算だけで、開封の数秒が「次の注文」に向かう導線へ変わります。
これは私が提唱する「ベルトコンベア理論」、つまり見込み客から優良顧客へ自動で運ぶ設計の、購入後パートそのものです。
FAQ|同梱物のよくある疑問
Q1:同梱物はコストがかかりませんか。
A1:お礼の手紙は印刷一枚で始められます。情緒的価値は、必ずしも高コストではありません。
Q2:割引クーポンは利益を削りませんか。
A2:1回目の利益ではなく、F2転換後のLTVで判断します。2回目以降は広告費がかからないため、回収余地が生まれます。
Q3:アンケートは取ってはいけませんか。
A3:取り方の問題です。買った直後を避け、満足が高まる時期にずらすだけで、印象は大きく変わります。
Q4:何から手をつけるべきですか。
A4:まず引き算です。直後アンケートと過剰チラシを止め、その後でお礼の手紙とクーポンを足します。
まとめ
同梱物は、ほぼ100%開封される唯一に近い接点です。「次も買いたい」を生む一枚を足し、離反を招く一枚を外す。
この順番で、見込み客が優良顧客へと育つ階段が一段増えます。
次回は、同梱クーポンから定期購入へつなぐ「F2転換の設計図」を書き下ろします。
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