フォロワー5000人未満と組む、集めて売る新販路設計の全手順
TikTok Shopはフォロワーの少ない会社ほど検討すべき新販路です。武内製薬のプロテイン「ザプロ」はフォロワー5000人未満のクリエイターと組み、TikTok Shopで販売1万個を突破しました。小さな通販が今日から真似できる、集めて売る新販路の設計手順を解説します。
「SNS販売はフォロワーが多い会社の勝負でしょう」という声を、私はよくいただきます。結論から言うと、この前提はもう崩れています。
今日は、フォロワー数に依存せずにTikTok Shopで1万個を売った事例から、新販路の設計手順を考えます。
モール依存と広告高騰で、新しい「集める場所」が足りない
まず、状況の整理から始めましょう。多くの通販企業は、集客をモール内検索と運用型広告の2本に頼っています。
どちらも競争が激しくなり、新規顧客を集めるコストは重くなる一方です。
そこで問題になるのが、3本目の集客経路を持てていないことです。
「SNSで売りたいが、自社アカウントのフォロワーが少ないから無理」とあきらめる会社が本当に多いのです。
この思い込みを崩す事例が、今週の業界紙に載っていました。
自社ブランドおよびOEM受託事業を展開する武内製薬の増収が続いている。2026年3月期の売上高は、前期比10%増の50億円を超えた。ECも好調で、「TikTok Shop(TTS)」が、ECの増収に寄与したという。
出典:日本ネット経済新聞「【EC事業が好調】武内製薬、前期売上50億円超 『TikTok Shop』が増収に寄与」/ https://netkeizai.com/articles/detail/19534
TikTok Shopは2025年6月30日に日本で本格始動したばかりの、まだ若い販路です。
その若い販路が、売上50億円超の企業の決算に「増収寄与」と書かれる規模まで育っています。
なぜ今、フォロワーゼロでも参入を検討すべきなのか
次に、放置するとどうなるかを考えます。
TikTok Shopのようなアルゴリズム型の販路は、フォロワー資産よりも「動画単位の反応」で露出が決まります。
つまり、参入が遅れるほど競合の動画とデータが先に蓄積され、後発の学習コストが増えていきます。
武内製薬のプロテインブランド「ザプロ」は、この特性を早期に取りに行きました。
武内製薬が展開するプロテインブランド「THE PROTEIN(ザプロ)」が、TikTok Shopでの販売個数1万個を突破した。「TikTok Shop」は、2025年6月30日から日本で本格始動した動画プラットフォーム「TikTok」上で商品を販売・購入できる新しいECサービスである。
出典:日本ネット経済新聞「武内製薬、プロテイン『ザプロ』がTikTok Shopで販売数1万個を突破」/ https://netkeizai.com/articles/detail/17820
本格始動から1年足らずの販路で、単一ブランドが1万個です。
なお同記事は武内製薬の発表内容を基にしたもので、制作にAIを活用したと注記されています。
数字はその前提で読む必要がありますが、戦略の設計思想は十分に学べます。
ザプロに学ぶ「フォロワー数に依存しない」3つの設計
では、どう設計すればいいのかです。
同記事には、具体的な打ち手が数字つきで書かれています。
「ザプロ」は、フォロワー数に依存しない新しいSNS販売モデルを採用している。TikTokのアルゴリズムを活用し、フォロワー数が少なくても「刺さる動画」であれば一気に拡散される仕組みを利用している。
出典:日本ネット経済新聞「武内製薬、プロテイン『ザプロ』がTikTok Shopで販売数1万個を突破」/ https://netkeizai.com/articles/detail/17820
設計の1つ目は、組む相手の基準を逆転させたことです。
有名インフルエンサーではなく、フォロワー5000人未満の小さなクリエイターにアプローチしています。
「ザプロ」は、フォロワー数5,000人未満のクリエイターにアプローチし、自然な発信を増やす戦略を取った。その結果、約400件のアプローチから40本の動画が投稿され、1本が200万回再生を突破した。この動画をきっかけに売上が急拡大し、短期間で約1,000個の販売を達成した。
出典:日本ネット経済新聞「武内製薬、プロテイン『ザプロ』がTikTok Shopで販売数1万個を突破」/ https://netkeizai.com/articles/detail/17820
約400件のアプローチで、動画になったのは40本です。
つまり打率1割を前提に、母数で勝負する設計になっています。
設計の2つ目は、1本の当たり動画に売上を託さず、本数を仕込んで確率で当てる考え方です。
設計の3つ目は、販路の土台に本業の足腰があることです。
武内製薬はEC約65%・OEM約35%の構成で、OEMの伸びを既存客のリピート積み上げが支えていると小倉由渡社長は説明しています。
1つは既存のお客さまによるリピートの積み上げだ。長くお付き合いいただいているお客さまが売り上げを伸ばされ、それに伴って当社の受託額も引き上がっている。
出典:日本ネット経済新聞「【EC事業が好調】武内製薬、前期売上50億円超 『TikTok Shop』が増収に寄与」/ https://netkeizai.com/articles/detail/19534
新販路の挑戦は、リピートで固めた土台があってこそ思い切れる、ということです。
TikTok Shopで集めた新規のお客さまを、CRMでリピートへ導く出口設計まで含めて1つのファネルです。
今日から動ける一手:小さなクリエイター10人のリストを作る
最後に、今日からの一手です。
手順は3つです。
第1に、自社商品を実際に使ってくれそうな、フォロワー5000人未満のクリエイターを10人リストアップしてください。
第2に、台本を渡さず「商品を送るので、感じたままに紹介してください」という依頼文を1通作ってください。自然な発信こそが、アルゴリズムに評価される素材になります。
第3に、TikTok Shopで購入した新規のお客さまに送る、最初のフォローメールを1本用意してください。集める場所が新しくても、集めたあとにリピートへ育てる原則は変わりません。
母数で集めて、CRMで育てる。これが、フォロワーゼロから始める集めて売る設計です。
FAQ:TikTok Shop参入でよくある質問
Q1.フォロワーが少ない自社アカウントでも売れますか。
A.武内製薬の事例では、自社のフォロワー数ではなく小さなクリエイターの動画と、アルゴリズムによる拡散が起点でした。
Q2.クリエイターへの依頼は何件くらい必要ですか。
A.同社の発表では約400件のアプローチで40本の投稿でした。1割程度の返答率を前提に母数を設計するのが現実的です。
Q3.TikTok Shopで売れたあと、何をすべきですか。
A.新規顧客をリピートへ導くCRM設計です。同社もリピートの積み上げを増収の柱として挙げています。
まとめ
TikTok Shopは、フォロワー資産ではなく動画単位の反応で勝負が決まる新販路です。
武内製薬は小さなクリエイター×母数×アルゴリズムの設計で1万個を売り、決算の増収寄与まで育てました。
ファネルで言えば、〔見込み客→新規顧客〕の入口を1つ増やし、リピートの土台で受け止める形です。
あなたの商品を「感じたままに」語ってくれる10人は、誰ですか。
いいなと思ったら応援しよう!
インターネットを活用して自分の商品・サービスを売りたい!
でもなかなか売れずにモヤモヤしている問題を解決する
アドバイスをしています。
https://www.youtube.com/channel/UCxrQWY0HlXqFcOfe02_uztg/videos