大阪大学2002年:ベクトルと軌跡
問題
平面上に原点Oを中心とする半径1の円$${K_1}$$ があり,ABをその直径とする。円$${K_1}$$ 上の任意の点Qに対し,線分QAを 1 : 2 の比に内分する点をRとする。$${k}$$を定数として,$${\vec{p}=\overrightarrow{\rm{AQ}}+k\overrightarrow{\rm{BR}}}$$ とおく。ただし,Q=AのときはR=Aとする。$${\vec{a}=\overrightarrow{\rm{OA}}}$$, $${\vec{q}=\overrightarrow{\rm{OQ}}}$$ とする。点Qが円$${K_1}$$の周上を動くとき,$${\overrightarrow{\rm{OP}}=\vec{p}}$$ となるような点Pの軌跡$${K_2}$$を求めよ。また,$${K_2}$$の内部に点Aが含まれるような$${k}$$の値の範囲を求めよ。
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まず問題文を図にするまでちょっと手間がかかります。

点Qは動点。Qの位置が変わるとRの位置が変わり,$${\overrightarrow{\rm{BR}}}$$ が変わります。$${\vec{p}=\overrightarrow{\rm{AQ}}+k\overrightarrow{\rm{BR}}}$$ で$${\vec{p}}$$ が決まりますが,これも$${k}$$ の値によって変わります。点Pの位置は$${\vec{p}}$$の始点を原点に移動したときの終点です。
計算は置いといて,実際に動かしてみましょう。
リンク先を開くと上の図が出ます。点Qをドラッグすると,R,Pが連動して動きます。

次に$${k}$$ の値を変えてみましょう。右上のスライダ上の緑の点をドラッグします。Qの位置は変わらず,$${\vec{p}}$$ とPの位置が変わります。

では,「軌跡表示」ボタンでPの軌跡を表示しましょう。「軌跡表示」ボタンが画面上にないときは再読み込みしてください。点Qをドラッグして,Pがこの円周上を動くことを確かめましょう。

問題の2番目,「$${K_2}$$の内部に点Aが含まれるような$${k}$$の値の範囲」を調べるために,スライダで$${k}$$の値を変えます。

この記事のテーマは「大学入試問題を鑑賞」しようなので,ここまでやって,面白い問題だ,と思えばそれでよいでしょう。「$${K_2}$$の内部に点Aが含まれるような$${k}$$の値の範囲」がスライダを動かしてわかりますが,これを計算でしっかり求めたいのであれば,次のようにして求めましょう。
まず,$${\vec{a}=\overrightarrow{\rm{OA}}}$$, $${\vec{q}=\overrightarrow{\rm{OQ}}}$$ を使って,$${\overrightarrow{\rm{BR}}}$$ を表します。内分点へのベクトルは公式を使えばよいでしょう。
$${\overrightarrow{\rm{BR}}=\dfrac{4}{3}\vec{a}+\dfrac{2}{3}\vec{q}}$$
となります。

次に,Pの軌跡です。
$${\overrightarrow{\rm{OP}}=\vec{p}=\overrightarrow{\rm{AQ}}+k\overrightarrow{\rm{BR}}}$$ ですので,$${\vec{p}=\left(\dfrac{4}{3}k-1\right)\vec{a}+\left(\dfrac{2}{3}k+1\right)\vec{q}}$$
となります。ここで,Qが円周上の点であることから,$${|\vec{q}|=1}$$ が成り立ちます。(これに気付くかどうかがポイント )したがって,
$${\left|\vec{p}-\left(\dfrac{4}{3}k-1\right)\vec{a}\right|=\dfrac{2}{3}k+1}$$
となり,中心の位置ベクトルが$${\left( \dfrac{4}{3}k-1 \right)\vec{a}}$$ で半径$${\dfrac{2}{3}k+1}$$ の円となります。
図で確かめましょう。
次に,「$${K_2}$$の内部に点Aが含まれるような$${k}$$の値の範囲」ですが,点A($${\vec{a}}$$ の終点)と軌跡の円の中心($${\left( \dfrac{4}{3}k-1 \right)\vec{a}}$$ の終点)の距離が軌跡の円の半径より小さければよいので
$${\left|\vec{a}-\left(\dfrac{4}{3}k-1\right)\vec{a}\right| < \dfrac{2}{3}k+1}$$
から,$${\dfrac{1}{2}< k < \dfrac{9}{2}}$$ となります。
※図はCinderella(CindyJS)で作成しています。
