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北海道大学2004年:座標空間と軌跡

問題

 $${a, \ b}$$ を正の実数とする。空間内の2点 A$${(0,\ a,\ 0)}$$,  B$${(1, \ 0, \ b)}$$ を通る直線ABを$${x}$$ 軸の周りに1回転してできる図形を$${M}$$ とする。
(1) 直線AB上の点で $${x}$$ 座標が $${t}$$ である点Pの座標を求めよ。
(2) 図形$${M}$$ と$${xy}$$ 平面が交わって得られる図形Fの方程式を求めよ。
(3) 図形$${M}$$ と2つの平面 $${x=0}$$ と$${x=1}$$ で囲まれた立体の体積を求めよ。
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 問題を解くにあたって,図を描く必要がありますが,空間図形はなかなか難しいもの。ひとまず次のような図が描けるでしょうか。

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これで,次に直線ABを$${x}$$軸周りに回転した図形Mをイメージするのですが,それを図にするのはちょっと無理。直線を回転するので,その部分を斜線で示そうとしてもほとんど画面全体になってしまいます。そこで,すこしずつ調べていくことにします。

リンク先を開くと,先ほど描いた図が出ます。これを動かすために,左に2つの円形スライダ,右に3つの線分スライダと円形スライダ,4つのボタンがあります。ボタン「補助線」「図形Mの断面」「図形Fの表示」「立体の表示」が画面に表示されていない場合は再読み込みしてください。

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 まず,「tの値」のスライダを動かしてみましょう。直線上を点Pが動いていきます。(1) はこのPの座標を求めよという問題です。ちょっと計算してみましょう。空間ベクトルの基本的な計算です。
   $${\overrightarrow{\rm{OP}}=\overrightarrow{\rm{OA}}+s\overrightarrow{\rm{AB}} }$$ とおくと,$${\overrightarrow{\rm{OP}}=(1-s)\overrightarrow{\rm{OA}}+s\overrightarrow{\rm{OB}} }$$ なのでP$${(s,\ (1-s)a,\ sb)}$$ となります。「$${x}$$ 座標が $${t}$$ である点P」ですので,$${s}$$ を$${t}$$ で置き換えれば,P$${(t,\ a(1-t),\ bt)}$$ となります。$${t}$$ を変数,$${a,\ b}$$ は定数と考えて$${(1-t)a}$$は$${a(1-t)}$$などとしています。

次に,「x軸周りに回転」の円形スライダを動かしてみましょう。直線が$${x}$$ 軸周りに回転していくのですが,その様子がわかるでしょうか。

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たぶん,そのままではわかりにくいと思います。そこで,左の円形スライダで図形を座標軸周りに回転し,視点を動かしてみましょう。

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これで立体的な感覚がつかめると,直線ABが$${x}$$軸周りに回転する様子がイメージできるでしょう。
直線ABが$${x}$$周りに1回転してできる図形がMですが,前述の通りこれを表示するとほとんど全画面が塗りつぶされてしまいますので,それは置いといて,「(2) 図形$${M}$$ と$${xy}$$ 平面が交わって得られる図形Fの方程式を求めよ」を考えましょう。これが結構難しいのですが,「(1) 直線AB上の点で $${x}$$ 座標が $${t}$$ である点Pの座標を求めよ」が大きなヒントになっています。つまり,いきなり直線AB全体を考えるのではなく,まず直線AB上の点Pを考えてごらん,というわけなのです。これがヒントになっていることに気がつかないと解決は難しいでしょう。すなわち,点Pだけを$${x}$$軸周りに回転して$${xy}$$ 平面と交わる点を考えるのです。点Pを$${x}$$軸周りに回転した図形は図形Mの断面になる,ということに気がつくことも重要です。
 点Pだけに着目して直線ABを回転し,Pの軌跡を考えます。「x軸周りに回転」スライダで回転し,今度は直線AB全体ではなく点Pだけに着目してみましょう。
軌跡がどうなるかイメージできるでしょうか。さらに$${xy}$$ 平面と交わる点をどうやって求めればよいかわかるでしょうか。
イメージできてもできなくても,「補助線」ボタンをクリックしてみましょう。

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これで,また図形を$${x}$$ 軸周りに回転します。計算に必要なものは何かがわかったでしょうか。
「図形Mの断面」ボタンを押すとその答が出ます。

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記号はついていませんが,$${x}$$軸上の点を中心とする円です。この$${x}$$軸上の点の座標は何でしょうか。左側の円形スライダで視点を動かしてみましょう。

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Pは「$${x}$$ 座標が $${t}$$ である点」でした。これを$${x}$$軸周りに回転しているわけですから,円の中心は$${(t,\ 0, \ 0)}$$であることが確認できます。
さらに視点を変えて,$${x}$$軸方向から見てみると,円であることが確認できるでしょう。そして,$${xy}$$平面と交わる点(緑の点)の座標の計算方法もわかるはずです。半径は$${(t,\ 0, \ 0)}$$とP$${(t,\ a(1-t),\ bt)}$$の距離ですから,$${(t, \ \sqrt{a^2(1-t)^2+b^2 t^2}, \ 0)}$$ と $${(t, \ -\sqrt{a^2(1-t)^2+b^2 t^2}, \ 0)}$$ の2点となります。

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これで図形Fの方程式がわかります。$${y=\sqrt{a^2(1-x)^2+b^2 x^2}}$$ として,2乗してルートを外せば,$${ (a^2+b^2)x^2-2a^2x-y^2+a^2=0, \ z=0}$$ を得ます。これは双曲線の方程式ですね。「図形Fの表示」ボタンをクリックして表示しましょう。

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最後に,「(3) 図形$${M}$$ と2つの平面 $${x=0}$$ と$${x=1}$$ で囲まれた立体の体積」です。「立体の体積」ボタンをクリックすると該当の立体が表示されます。

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このままではわからないので,左側の円形スライダで視点を変えますが,その前に $${t}$$ の値をスライダで0から1まで変化させてみましょう。断面の円が動きます。これを見て,問題の立体は,鼓のような形をしたものだとイメージできるでしょうか。視点を変えてみると,次のような図が得られるでしょう。

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体積は,断面積を0から1まで積分すれば求められることもわかります。計算すると $${\dfrac{\pi}{3}(a^2+b^2)}$$ となります。

 さて,問題とその解答はここで終わりです。$${a, \ b}$$ の値を変化させたときどうなるか,については設問がありません。しかし,実際にはどうなるのでしょうか。設問や計算は不要です。動かして「鑑賞」しましょう。
$${a>b}$$ の場合です。

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$${a<b}$$ の場合です。予想はつきますが実際にやってみると面白いものです。

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※図はCinderella(CindyJS)で作成しています。