「ドラム缶の上を歩き、虹の尻尾を追いかけた。――倉敷・玉島ノスタルジー散歩」
「ドラム缶を渡った先に、昭和がありました。突然の雨、お休みのお店。ツイてない一日の終わりに空が見せてくれたのは、最高のご褒美。玉島のノスタルジックな風景をお裾分けします。」
「ドラム缶の上を歩き、虹の尻尾を追いかけた。――倉敷・玉島ノスタルジー散歩」
倉敷の奥座敷、玉島。ここには時間がゆっくりと、しかし確実に独特の熟成を遂げた風景が残っています。今日はそんな玉島の町を、気の向くままに「ぶらぶら」してきました。
旅のスタートは、知る人ぞ知る名物「ドラム缶橋」です。

正式名称は「浮橋」。名前の通り、100本以上のドラム缶がぷかぷかと橋脚の代わりに支えてくれる、なんともワイルドな構造です。一歩踏み出すたびに、水面との距離が近い。まるで川の上を歩く忍者にでもなったような、あるいは巨大な楽器の上を歩いているような、不思議な感覚に包まれます。
橋を渡りきれば、そこは昭和の香りが漂う商店街。

アーケードに足を踏み入れると、懐かしい空気感に包まれます。立ち並ぶ店構えのひとつひとつが物語を語りかけてくるようで、タイムスリップしたような錯覚に陥ります。

そんな中、ふと足を止めたのは羽黒神社の近く。

香ばしい香りに誘われて覗いた先には、昔ながらの「たい焼き屋」さん。迷わずひとつ買い求め、熱々を頬張ります。これこれ、この味。洗練されすぎていない、素朴で優しい甘さが、歩き疲れた体に染み渡ります。
続いて、今回の「目的地」にするはずだったお寿司屋さんへ。

古い喫茶店を改装したというその店構えは、レトロモダンでおしゃれ。期待に胸を膨らませて扉の前に立ちましたが……残念。今日はお休みか、あるいは少し早かったか。
けれど、これも旅の醍醐味。「またおいで」という玉島からの招待状だと思い、リベンジを誓って港の方へ歩を進めました。
すると、空の色が急変。

突然の激しい通り雨に降られ、慌てて雨宿り。ついていないなぁ、なんて苦笑いしたのも束の間、雨が上がった瞬間に最高のサプライズが待っていました。
港を跨ぐように架かった、大きな虹。

沈みゆく夕陽のオレンジと、空に残った七色のコントラスト。それは、計画通りに寿司が食べられなかったことなんて一瞬で忘れてしまうほど、神々しい景色でした。
予定外の雨も、お休みのお店も、すべてはこの虹を一番いい場所で見るための伏線だったのかもしれません。
玉島さん、最後に素敵なお土産をありがとうございました。
総括
今回の玉島散策は、まさに「予定不調和の美学」でした。
目指した場所が閉まっていても、代わりに現れたのは懐かしい味と、計算では出会えない虹の絶景。効率だけを求める世の中ですが、たまにはこうして「無目的な歩き」に身を任せることで、心のタイパ(タイムパフォーマンス)は最大化されるのかもしれません。
