まいにちねぎとろ|Day 13
目立ちたくない。静かに平凡に過ごしたい。しかし意味わからない場面でミラクルを引き起こして注目を浴びてしまうことがよくある。
想像もしてなかったような場面でラッキーを引き寄せてしまうのだ。
これもまた、中学の部活に入ったばかりの頃の話。
まだ自分のユニホームすらない1年生はベンチ仕事してもらうからとりあえず学校のジャージに背番号付けとけと言われた初めての練習試合。
ねぎとろは1年生らしく慌ただしくベンチで道具を出したり片付けたり応援しながら試合に挑む先輩たちを見ていたとき、突然顧問に名前を呼ばれた。
理解が追いつかないまま、交代でいきなり打席に立つことになったのだ。
突然やってきた試合デビュー。
!?
まだバットの握り方とスイングの形を教わっただけで人間が投げる球を打ったことなんて、一度もない。
練習試合とはいえ、ちゃんと審判団もいるしっかりとした形式だった。
当然だが対戦相手も試合に出てる先輩もみんなユニホーム。
そこにまさかジャージ姿のやつが出てくるとは思わんやん。
ぽっと出のねぎとろ(ジャージ姿)は打席に立つ際の儀式がよくわからないので、とりあえず全方位にお辞儀して打席に立つ。
ベンチがざわついた。
一番ざわつきたいのは自分だったよ。
初球、ピッチャーがモーションに入る。
先輩たちの見様見真似でとりあえず構え、
次の瞬間には打球を芯で捉えた心地いい金属音が響いていた。
ボールはセンターの後ろへ高く大きく、きれいな弧を描いて飛んでいく。
初打席はまさかのホームラン。
そんなベタで漫画みたいなことを引き起こしてしまうのが、ねぎとろという人間である。
入部後にやりたいポジションとやりたくないポジションを3つずつ書けと顧問から紙が配られた。
✍️
▫️やりたいポジション
レフト、サード、他は特になし
▫️やりたくないポジション
ピッチャー、キャッチャー、ファースト
特に希望はないが、ここはあまり目立たなそうという勝手なイメージでポジションを選んだ。
圧倒的にピッチャーとキャッチャーとファーストの荷は重すぎる。
アンケートに答えてその場ですぐ決まるわけではなく全ポジションを練習し、適性を見て決められる。
ある程度は希望通りになるらしいが、ねぎとろが背負うものは背番号1番のピッチャーだった。
あのアンケートはなんだったんだ。
