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わたしは、子なし

わたし達夫婦に子供はいません。わたしは大学を出てすぐ20代前半で結婚したのですが、話し合ってわたしが30歳になる年まで子供を作るのは待とうと結婚する前から決めていました。

わたしは、結局大学を卒業してからも大学院に通ったり仕事をしたりしていたので、忙しくて子供はほしいと思いませんでした。でも、友人に子供が生まれると可愛くて、一緒に遊ばせてもらいましたが、ぐずってきたらその子のお母さんに「Oh, he prefers his mommy. やっぱりママの方がいいって〜」と返すことができたので、それが楽でした。(子供は好きですし、できたら小学校の先生になりたいと思っていましたが、結局は高等教育の方に進みました)

わたしが30歳になった時に、子供はいらないと夫婦で話し合って決めました。そのことをわたしの親にも夫の親にも話をして、「孫はまだか」などということはこれから言わないようにお願いしました。

それから数日後、夫が仕事で家にいない時に、うちの固定電話が鳴りました。義母からの電話で、「子供を作らないという話は息子から聞いたけど、あなたは本当に納得しているの?息子に押し切られていない?」と心配してくれました。義母は子供が大好きで何人も生んでいたので、子供が欲しくないということ自体が信じがたかったのかもしれません。義母には、「わたし自身子供を持つことは想像もできないし、夫と二人で決めたことだから何も心配はいらない」と話をしたら納得してくれ、その後は一度もわたしたち夫婦に子供についての話題は出しませんでした。

カナダで、子供のいない夫婦は「え?」という視線を向けられることも結構あります。

ある時、以前住んでいた地域の町内会でボランティアを始めました。そこでも、周りはみんな子供がいる人たちばかり。わたしは隣や向かいだけではなくその地域の人たちと知り合いになりたくて始めたボランティアだったのですが、どこか浮く感じが否めませんでした。町内会役員の人たちに興味のあるわたしは、飛び交う子供の話題の中で、趣味や仕事についての話題を振るのですが、いつも子供の話題に舞い戻ります。そこで、「Do you have any kids? 子供はいる?」と必ず聞かれ、いないことを言うと、なぜか相手の顔にはぎこちなさが浮かび、それまでたくさん話していたその人の子供の話題にも触れなくなります。このように会話が萎んでしまうことを何度も繰り返しました。

初めは、わたしが子供を産めない体だと思われているのかと思い、誤解を解くために夫婦二人の希望で二人だけでいることを決めたと言うことも話したのですが、なおさら、「変な人」認定を受けたようでした。わたし自身に子供がいないことが「触れてはいけないこと」になっているような感じがしました。しばらくして、そういう雰囲気にはついていけないと感じました。

わたしのボランティアの内容はウェブサイト更新だったのですが、町内会長や役員さんたちに何度もウェブサイトに載せる内容の記事や写真などを送るように頼んでも忘れられ、他の人からはウェブサイトの更新ができていないのはわたしのせいだと言われるようになり、アホらしくなりました。最後の役員会議で「どなたもウェブサイトに載せるものを送ってくださらないので、こちらとしては更新もできません。わたしのポジションは必要ないのだと思うので辞めさせていただきます」とみんなの前で発言してから辞めました。

その後、わたしは自分の友人は自分で選べると確信し、子供がいても自分自身をしっかりと持っている人や、子供のいない人たちと感覚が合うことを実感しました。前者の友達は、自分の子供や孫の話も時々するけれど、他にも自分の興味や意見そして仕事での話などの話題は尽きません。後者の友達は、わたしと同じように、自分の興味などがはっきりしており、時折自分の親戚の子供の話をする以外は子供の話題は出ません。子供がいようがいまいが自分のことを話せる人が、わたしにとっては友達になるのに楽しい人です。

わたしは「その人」自体に興味を持ちます。もしその人が自分の子供のことしか話さない人で、わたしに子供がいないことで共通の話題がないと感じるならば、わたしはその人とはお付き合いできないと思うだけです。noteでもお子さんのお話をたくさん見ますし読みます。でも、大多数のみなさんはご自分を持っており、お子さんたちはみなさんの人生の一部であると言うことは見て取れます。

わたし自身が子供はいらないと感じていた奥には、きっとその当時はまだ自分の育った環境は普通であったと信じていたにも関わらず自分の母のようにはなりたくないという事実があったのだと、今になって感じます。母のことに関して心が落ち着いた今、自分に子供がいたらどんな生活だったんだろうと想像することもありますが、今の「わたしと夫とプラス猫一匹」の生活がとても愛おしいです。