昔話・カナダ移民申請体験談
二昔以上前にカナダに移民した時のことを書きます。今のプロセスとは違うと思いますが、最近の経験がある人は比較したら面白いかと思います。わたしの夫はカナダ人で、その時点で知り合って5年・結婚して2年でした。結婚は、夫の家族のいるカナダでしました。
それまでアメリカにJ-1とJ-2ビザで住んでいたわたし達は、夫の新しい勤め先がカナダに決まったことをきっかけに、カナダへどうやって移民するのかを調べ始めました。
当時はインターネットもそれほど発達しておらず、ちょこっと情報が載っていて「詳しくは電話で」というノリでした。なので、ウェブサイトに載っていた最寄りのカナダ領事館の電話番号へ電話をかけて、色々聞きました。長距離の電話なのによく待たされたので、電話代だけで結構かかったと記憶しています。今は、ネットでほぼ情報が集まるのでいい時代になりました。最寄りのカナダ領事館は、ニューヨーク州のバッファロ市にありました。今はもうなくなっているようです。
領事館の人によると、カナダ国民と結婚している配偶者は、まずそのカナダ国民と一緒に国境を通過する時に、わたしは日本人なので観光ビザで入国するようにと言われました。そして、入国後に国内から手続きをしてもいいという特別措置がありました。アメリカから引っ越しで自分たちの車で移動したので陸路で入国し、国境ではカナダで発行された結婚証明書があったので、それを提出してRecord of Landing (入国記録)という書類をすぐ作ってくれました。この書類は色々必要になるから絶対無くさないように、と念を押され。
その後、カナダでの暮らしが始まり、カナダ移民局 (Immigration and Citizenship) との格闘が始まります。永住権所有者 (PR; Permanent Residence) になるための手続きの書類は、ウェブサイトにPDFで載っていました。その書類に記入方法などは全て説明してあるのですが、自分のケースに当てはまらない箇所の質問があると、またもや電話で聞くことになります。そして、電話は必ず待たされます。なので、何も用事を入れずに電話をかけることがその日の重要案件となりました。もちろん固定電話です。今思えば、カナダの手続きでは何にでも待たされるということを理解したのは、この時が始まりだったかと思います。もうカナダではそんなものだ、と諦めています。
必要書類はPDFでしたが、ダウンロードして手書きで記入しなければなりませんでした。今のようにPDFに直接コンピュータで入力できなかったのです。なので、ダウンロードした後自宅のプリンタで2部印刷し、まず1部に鉛筆で下書きを記入してから、夫と二人で確認と修正。その後、黒いボールペンでもう1部に丁寧に清書しました。
はっきりと覚えているのは、結婚式や新婚旅行の写真なども添付しなければならず、その当時はフィルムを使ったカメラで取った写真だったので、あまり写りがよくなくていらないな、と思った写真を主に選んで添付しました。
カナダに引っ越ししたのが、1999年8月28日で、9月中旬には書類をまとめて提出しました。カナダへは、観光ビザで入国しているので、就労も学校にいくことも禁止です。なので、時間はたっぷりありました。
後から知ったことは、この書類は、移民コンサルタントや弁護士に作成してもらうこともできたそうです。でも、自分でできるようなことをなぜ他の人にお金を払ってしてもらうんだろうと不思議でした。今となっては、仕事や子育てで忙しい人は時間がないから、人を雇って代わりに書類作成をしてもらうんだな、と理解しています。カナダに来たばかりの頃は、生活がカツカツでしたから、そういうお金の使い方は思いもよらなかったのです。
PR申請の料金は大体カナダドルで$1500くらいだったと記憶しています。最寄りの銀行で振り込みをし、領収書にハンコを押してもらったものを書類と一緒に書留で提出しました。
書類提出後、ひたすら待ちます。この待っている間に日本にいる妹が結婚したのですが、永住権申請中の者は国から出ることはできません。なので、妹の結婚式は泣く泣く欠席しました。一応、夫と二人で私の住んでいた地域の国会議員にどうにかならないかと相談もしましたが、何もできないと言われました。
待って待って、半年後の2000年の3月に就労許可(Work Permit)が出ました。それから、就職活動を始めて7月頭からESL (English as a Second Language)の非常勤講師の仕事に就くことができました。
そして、また待ちます。
10月に出頭するように連絡が来ました。教えていた授業は代わりの先生に頼んで、勇んで向かいました。話に聞いていたのは、この出頭の際にある面接でカナダにいられるようになるのかの最終決定がなされるということでした。なので、先輩移民の人たち(同僚のESLの他の先生たち)にどんなことを聞かれるのかなどを聞き出し、自分なりの答えを考えて練習して、準備万端で臨みました。
その面接の会話はまだはっきりと覚えています。
名前・生年月日・住所などを確認された後、「So, do you like Canada?」「Yes, I love it.」「All right!」これだけでした。そして、書類にパンとハンコを押されて、晴れてカナダにずっと夫と住むことができるようになりました。
待ち時間は大体13ヶ月でした。今は、移民手続きもどんどん大変になってきているようです。なので、この私の話は、カナダ移民が比較的簡単だった頃の昔話です。
その時は、カナダは大好きでした。今は、色々な問題があるのを見聞きしているので、このまま将来もカナダに居るかどうか夫と頻繁に話しています。
