こんな午後の過ごし方 │ 名古屋 新栄駅直結ヤマザキマザック美術館 と、素材にこだわるパン屋さん
時間がぽっかり空いた平日の午後。ふと、以前車で横を通りかかってから気になっていた美術館を思い出し、急遽足を運ぶことにした。
地下鉄「新栄町」駅①出口から直結。都会のビルの中に、ひっそりと佇む隠れ家的な空間。それがヤマザキマザック美術館

2010年開館。二代目社長・山崎照幸氏が収集した、18〜20世紀のフランス絵画やアール・ヌーヴォーのガラス・家具などが展示されている。

受付でチケットを購入し、エレベーターで展示室のある5階へ。
音声ガイドの貸出しが無料とのこと。普段は感覚で作品を味わいたい派だけど今回は使ってみよう。
一歩足を踏み入れると、そこは別世界。

チェコ製シャンデリアはスワロフスキー社のクリスタルが使われているそう
順路に沿って一歩一歩、カニ歩きしながら次の作品へ。音声ガイドの説明のおかげで、アート初心者の私でも絵を2倍たのしむことができた。
ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール、シャルダンらロココ美術の巨匠たち、そして、クールベ、モネ、モディリアーニ、ピカソ、シャガール…と、各時代を代表する画家の作品を展示致します。
これらの絵画作品は年代順に展示されており、展示室を巡ることでフランス美術300年の変遷を楽しみながら知ることができます。
高校の世界史でむりやり暗記した「新古典主義、ロマン主義、写実主義、印象派…」が、今になってようやく色彩と物語を伴って立ち上がってきた気がする(?)

ソファもあり、ゆったり鑑賞できます
『夏の木陰』という作品の前には、より細かいところまで楽しめるようにと、自動で上下する拡大鏡が設置されていた。さすが工作機械メーカーだ。

クロード・モネの『アムステルダムの港』
※絵の写真は撮っておらず、です。

写真撮影OK

ため、筆跡や色彩の息遣いまで感じられる
コレクションを心ゆくまで堪能した後は、4階の工芸作品の展示室へ移動。


うわー、まるでタイムスリップしたかのよう。
エミール・ガレやドーム兄弟によるガラス作品は、トンボや朝顔、藤、つる草など自然をモチーフにしたものが多く、日本美術から受けた影響が随所に見られた。


ガレが日本植物に惹かれた直接のきっかけは、
パリ万国博覧会などを通じた日本美術との出会い からジャポニスムブーム→ 自身の植物学的興味との融合という流れ。
日本的な構図・線の美しさを自分のアール・ヌーヴォー様式に取り込んだものらしい。


なかでも一目惚れしたのは、エミール・ガレのペン皿『緑色の善良な小市民』。

タイトルがユーモラスで、「あ、緑色の善良な小市民って、カエルのことか!」と二度見してしまった。
ちょうどオルゴール実演の時間にも遭遇。コインを投入すると、ジュークボックスのように好きな曲が流れる仕組み。
2曲の音が奏でられ、可愛らしい音色に集まった人々がうっとりと耳を傾けていた。

ディスク・オルゴール
ポリフォン社1910年
平日の午後ということもあり、同じ時間帯には数組だけ。人混みが苦手な私には、この静けさが何よりの贅沢。収蔵品も空間も素晴らしく、また訪れたい美術館になった。
美術館をあとにして、歩いて向かったのは住宅街の奥にある評判のベーカリー。




パリッパリを噛むと、もっちりむぎゅっとした生地の中から上質なバターの風味がジュワッーっときた。塩加減がちょうどよく、小ぶりなのに満足感のある(カロリー高そう)なパン。リピート確定。ごちそうさまでした。


翌日、あんバターサンドにしていただいたら
噛めば噛むほど味わい深くて
シンプルながら忘れられないパンのひとつに
お店情報によると、塩パンは
米粉40%
北海道小麦60%
四つ葉有塩バターを包んでイギリス海塩マルドンをひとつまみ。間違いないよね。
たった数時間の濃い時間。
美術とはほぼ無縁な日常を送る私の中に、アートへの興味とワクワクが芽生えた午後だった。
次はどこの美術館へ行こうかな。
