【読書note】エリース・ヒュー『美人までの階段1000段あってもう潰れそうだけどこのシートマスクを信じてる』(新潮社)
ドラッグストアやプラザ、loftなどのコスメ売り場をめぐると、プチプラコスメと共に韓国発のコスメがどどんっと展開されています。パッケージがかわいかったり、化粧品そのものの形状が目からウロコなものだったり。そして、つやんつやんな韓流の方々がきらっきらの表情で、そのコスメを強く強くおすすめしてくるのです。それらは抗いがたいほどの魅力があって、思わず購入してしまうこともしばしば。
ですが、この韓流なコスメたちがどうしてこれほど回転がはやく、また魅力的なのかについて、私は深く考えたことがありませんでした。韓国ってコスメや美容がものっそい勢いで展開しているんだなぁ、くらいの認識であり、その根元にあるものについて思いを馳せることはなかったのです。
今回読んだ『美人までの階段……』は、そんな韓国の美容事情―Kビューティについて、深く濃く考察する一冊でした。そうして、私たち自身が持つ「美しさへの憧憬」の正体をもごりごりと明らかにしていくのです。

■『美人までの階段1000段あってもう潰れそうだけどこのシートマスクを信じてる』
■エリース・ヒュー著/金井真弓訳/桑畑優香監修
■新潮社
■2025年2月刊
■2200円+tax
この本の帯には次のように書かれています。
最先端コスメ、黄金の肌管理、世界一の美容整形。
「完璧な顔」に目覚めた女性記者が明かす
美容都市ソウルの秘密。
あなたは、どこまでやる?
表紙の写真を見ていただくと分かりますが、この本って、面陳されているとすごく目に付き、めちゃくちゃ強く濃く印象に残ります。
理由はシンプルで、表紙のイラストにはありとあらゆるピンクが使われているから。そうして、本書を読むと、なぜこれほど過剰なまでに、ここへピンクが用いられているかが分かります。が、兎にも角にも、私が本書を手に取ったきっかけはこの鮮烈な色遣いの表紙でした。
また、タイトルも独特です。ラノベもびっくりなほど、長い。そして、めちゃくちゃわかりみが深いんですよね。うん……美人までの階段って、マジで超長くて、目指す気力も失くしちゃう。それでも、お風呂上がりには顔にシートマスクをぺたりと貼り付けちゃうし、その効果はあるとめっちゃ信じてる。いや、ほんそれって感じで。
そんなこんなでこの本を読むことにしたのです。
■「かわいくなりたい」という呪縛
強烈に覚えている出来事があります。まだ、私が小学生だった頃のお話です。
ここから先は

【えりた書店】
元書店員で、雑食系活字中毒者のえりたが「おもしろい!」「好きだ!」と思った本をジャンル問わずにご紹介。売れ筋の本も、ひっそり輝く本もステキ…

この記事が参加している募集
記事をお読みいただき、ありがとうございます。いただいたサポートはがっつり書籍代です!これからもたくさん読みたいです!よろしくお願いいたします!
