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■したたかにしなやかに、思うように人生を歩んでいくこと―『いつも異国の空の下』

中学三年生のとき
国語の教科担当だったT先生。
ベテランの先生で、
授業もとても分かりやすかったです。
ちょっとお茶目な、でも、
基本真面目な国語の先生って感じ。
国語が好きだった私は
いつも先生の授業を楽しみにしていました。

卒業も間近になった
最後の国語の授業の日。
「今日はちょっとお話しましょうか」
そうおっしゃった先生は
教科書を置き
いつもとは違う話を始められました。

それは、T先生というより
Tという「ひとりの女性」の話でした。

まだまだ子どもだった私は
「先生」が「先生以外の時間」を
持ってることにすごく驚いたんです。
今思えば、当たり前の話なんですけどね。
でも、そのときは
そんなこと考えもつかなかったから
本当に驚いたんです。
そして。

「したたかに、しなやかに」

先生は、そう板書なさって
「こんなふうに生きていきたいのよね、
なかなか難しいけれど」

笑っていらっしゃいました。

そんなT先生のことを思い出したのが
こちらの本です。


■『いつも異国の空の下』について

□石井好子
□河出文庫
□2012年2月
□760円+tax

河出文庫では2012年発売ですが
本書の底本は
1959年11月に刊行されたものです。
1959年…今から60年以上前!
でも、古くささはまったく感じさせません。
もちろん、出てくる人物は
昭和の著名な方ばかりです。
でも、書かれている内容は
今だって身に染みて分かるもの、なんです。

・ ・ ・

実は、私、
「石井好子」という人物
全く知らないまま本書を購入しました。

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