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あの日の記憶|#04|名古屋 一日の設計が、誰かの未来に触れた日

先日、春のフォトウエディングのお打ち合わせがありました。
お二人の心の中にある
いくつかの可能性を一緒に探りながら、
ふと、数年前にあるお二人と作った一日を思い出しました。

お見せしたのは
その日の一連のお写真。

スタジオで光をつくり込んだ時間。
夕方のロケーションへ移ろう、静かな余韻。
そして、名古屋まで会いに行った理由。

「この人にしか撮れない写真があるんです」
そう伝えながらページをめくっていると、
お二人は「すごい、きれい」と、
小さく何度も呟いていました。

その反応を見て、
私はなにかが芽吹いたのを感じました。



フォトウェディングや結婚式のご相談を受けるとき、
私が最初に考えるのは「どんな人がこの二人を写すべきか」ということです。

だから私はいつも、
クリエイティブチームを固定していません。
それは、毎回二人が望むものが違うからです。

写真は、いまのお二人の未来であり
未来のお二人にとっての思い出になります。

柔らかな光を求める感性もあれば、
夕暮れの余白を残したい感性もある。
静かな距離感を大切にしたいこともあれば、
祝福の温度をそのまま写し取りたいこともある。

だから、その望むものを静かにつかみ
それを体現できるのはこの人だと思える方に
その都度、声をかけています。

よく男性のお客様には、
「サッカー日本代表の監督みたいなんです」とお話しします。
対戦国に合わせて選手を招集するように、
その二人に合う人を集めていく。

そう伝えると、
皆さん少し安心したように頷いてくれます。



そして、今日お見せした写真を撮ってくださった方も、
まさにその一人でした。

「この人にしか撮れない」と言葉にすると、
少し大げさに聞こえるかもしれません。
けれど、写真の感性には確かにグラデーションがあると思っています。

ピントを合わせるだけではなく、
露出や光の粒子、
その場に漂う空気の揺らぎのようなものまで含めて、
写真は立ち上がってくる。

私は技術的なことを細かく説明できるわけではないけれど、
その人の写真には、
被写体を平面的に捉えるのではなく、
感情ごと立体で写しとる気配があります。

だからこそ、
この人にお願いしたいと思ったのです。

けれどそれは、
特別な誰か一人だけの話ではありません。

私がこれまで出会ってきたクリエイターたちは、
それぞれにしか持っていない視点を持っていて、
それぞれにしかつくれない空気をまとっています。

光の扱いが繊細な人。
距離の取り方が美しい人。
感情の揺れを静かに見守れる人。

誰一人として同じではなく、
だからこそ、
その二人にいちばん合う人を選びたいと思うのです。



今日、お二人に写真を見ていただきながら、
私はあらためて思いました。

毎回、私は
二人のための装置を
都度、つくっているのだと。

場所や時間、光の移ろい、
そして愛をもって関わってくれるクリエイターたち。
それらが重なり合って、
一日という装置が静かに形を持っていく。

そしてその装置は、
当日のためだけではなく、
数年後に思い出されたときにも、
意味を持ち続けている。

だから私は、
これからも固定せず、
その都度、二人に必要な人たちと一緒に、
『愛をカタチにする装置』を
つくり続けていきたいと思っています。



あの日の記憶の続きが、
4月、名古屋でまた始まります。
フォトウエディングというカタチで。

今度は、和装とドレス。
美しい時間をつくります。


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