2024、一年を振り返って。
今年もたくさんの人にお世話になったし、たくさんの人から刺激をもらえたし、たくさんの国から学びをもらった一年だった。
カレンダーを見返すと、地球をぐるっと移動していた感じ。
NEWSWEEKに掲載されてLAやニューヨークに出張して本格的に動き始めつつ、西インドのガンジーさんの本拠地アーメダバードに行ったり、ウズベキスタンは初旧ソ連の国の仕事を見てきた。


こんな風に地球を色んな角度から眺めていると、なんとなく自分の視座が少しだけ上に行けたような気づきが芽生えたり、それをインドの寝台列車で一生懸命メモしたりする瞬間も訪れて、すごく学びが多い一年だった。

「手仕事は、文化と歴史の最高のサンプルです」という言葉は、ウズベキスタンに呼ばれて行った時に壁に書かれていた言葉。

読んだ時に自分の仕事はそうか、文明ではなく文化に触れているんだ、と改めて腑に落ちた。
だから、「失ってはいけない」って心が頭に信号を送るような瞬間が仕事をしながら各国を訪問していると度々起きるのは、そのためなんだ。
文化って保存しようと思うのはきっと間違っていて、変化を起こしながら現代にアジャストすることが保存することにつながるわけで、だから小さくても、今と違うことをしてみるってシンプルに大事だよなーって思う。
「私たちの伝統工芸についてアドバイスを」と言われて訪問する村や工場。大体、何世代も同じものを作り続けてしまっている。
しかし上から目線で「変わりましょう」と言って現代にフィットするデザインを「落とす」ことは何の意味もないと思う。
本当に大事なのは、作っている人が、使ってくれる人を想像できる環境や材料を共有することと、挑戦するディレクションを適切に設定できること、そして最後に、彼らの心にそこに挑戦しようっていう火をつけられることだと思う。

一番目は仕組みや制度である程度環境を整えて上げることはできる。
二番目は、新しい挑戦ってどんなもの?どんなふうに変わればいいの?っていう設定自体がミスってしまう村も手仕事もとても多くあることを今年はさまざまな国で遭遇した気がする。ここは正直、今でもとっても難しいし、その国、その仕事で、やり方も異なるし、何十もの要素の方程式からなるように思う。経営的視点とクリエイティブ、両方ないと「こっちだ!」と旗を振れないのがここだと思っている。
でも私が最も大事なことじゃないかなって思うのは、三番目。
頑張ろうっていう心に火を灯せること。それはとても大事なことなのに、仕事でもビジネスでも特に教えてもらえない。
人の心に火をつける。
十分な答えはわからないが、必要最低限な答えは私の中にある。
当たり前だろって言われそうだけど、「自分が燃えているか」ってことは大事じゃないかなと思う。

私は、会社を作り19年が経ったけど、支えてくれる家族や仲間、お客様と出会う素材たちや技術にも、私は炎を絶やさずにいられる力をもらえて、19年を迎えることができた。
「あの人のあの言葉がなかったら・・・・」そんな風に思ったり、
「あの人のあの笑顔がなかったら」とも思ったり。
今年も本当に、素晴らしい出会いに感謝しかないし、出会った人全てがたくさんの学びと共に刺激やエールも送ってくれたようなそんな出会いばかりだった。
数日前、アトリエの机にお店経由でお客様から私宛に手紙をもらった。
その中にこんなことが書かれていた。
「今年も一年、素敵なものを生み出してくれてありがとうございます。来年も楽しみにしています」って。
ちょうどサンプルに取り掛かろうと思っていた朝の時間にこの封筒を開けて、涙目になってしまい、しばらくエプロンを着ながら座っていた。
こうした、一枚の手紙や仲間のふとした一言にも私は自分が歩き続ける力をもらってきた。だからやっぱり毎年思うことは変わらなくて、恩返しをしたいなと思う。
私なりの恩返しは、世界中で燃える喜びを待っている人のところに行き、挑戦を後押しすることだと19年経っても変わらず想っている。
燃えたぎるものがあれば、分析や合理的思考で不可能だとされていたことを乗り越えていく人たちを現場でたくさん見てきたから、私はそんな小さなきっかけになりたい。
相変わらず毎年同じような誓いを立てている気がするし、やっていることも考えていることもさして変わらないんだけれど、見えている世界は確実にちょっと広くて、ちょっと深い。
2025年を経ると、20年目だ。私にとっては大きな区切りになる。
来年も、後悔のない一年にしたい。
本当に今年もみなさん、ありがとうございました。そして来年もどうぞよろしくお願いいたします。

