手をあげなければよかったと思ったけど…
「入ってみたいおともだち、手あげてー!」
お姉さんが、元気よく、ステージの上から
声をかけてくれた。
当然みんな手を上げると思ったから、わたしも勢いよく手をあげる。
あ…
周りを見ると、1人もあげていない。
わあ、あげなければよかったぁ。
誰もあげていなかったことに気づいて後悔したけれど、時すでに遅し。
お姉さんがわたしをステージに呼び、
わたしは、着ぐるみのなかに入ることになった。
からだの部分を着て、そのあと頭をかぶる。
よいしょ。
ステージの上のわたしを、みんなが見ている。
ちょっと恥ずかしい。
手伝ってもらって、わたしは、変身した。
感想を聞かれたわたしは、ひと言。
「あついです…」
なんで手をあげちゃったんだろう。
恥ずかしいのと暑いのと、なんだか
よくわからない気持ちで、着ぐるみを脱ぎ、
無事「わたし」に戻った。
お姉さんは、わたしに小さなおみやげをくれた。
確か、こするとイチゴの香りのするカードだった気がする。
それは、なんとなく覚えている。
着ぐるみの中に入るという、小さな初体験だった。
……
先日、とある屋上テラスのステージを見て、
子どもの頃の小さな記憶が蘇ってきました。
こういう「ちょっとした思い出」は、みんな持っているかな。
それにしても…
わたしが入った着ぐるみって、
一体何だったんだろ笑。
そのショッピングセンターのキャラクターとかだったかな…
遠い記憶はふんわりと、
心の引き出しの中に住んでいます☕️
手をあげなければよかったと思ったけど。
あげたから、今も覚えているんだね✨
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