【アニメ】春アニメ 2026 -感想-
いつもどおり独断と偏見での評価をします。
だいぶ好みが偏っているので、得点は個人の趣向ということでご容赦ください。
🚩評価結果

👑転生したらスライムだった件 第4期 94点
『転生したらスライムだった件 第4期』は、異世界でスライムに転生したリムルが魔国連邦テンペストを築き、魔王として各国から注目される段階を描く続編である。開国祭を経て交流が広がる一方、テンペストの急成長は世界の均衡を揺らし、各勢力の思惑が表面化していく過程の話です。
今期の焦点は、シルトロッゾ王国のグランベルとマリアベルがリムルを脅威と見なし、独自の秩序観に基づいて行動を開始する点にあります。複数勢力の利害が交錯し、勇者と魔王の構図が物語の中心へ浮上することで、シリーズ全体の転換点となる展開を目が離せないスピード感で描いてます。
👑ようこそ実力至上主義の教室へ 4th Season 93点
『ようこそ実力至上主義の教室へ 4th Season』は、東京都高度育成高等学校を舞台に、学力・実力・交渉力がすべてを決める環境での競争を描くシリーズの続編です。2年生へ進級した綾小路清隆を中心に、1年生編で積み重ねられたクラス間の対立、個々の思惑、月城理事長代理の介入など、複数の要素が新学期の特別試験へと連続的に接続する構成となっているます。学園内の勢力図が再編され、綾小路を取り巻く状況がより複雑化しておもしろさが増しています。
今期の中心となるのは、新入生とのペア試験、ホワイトルーム出身者の潜入、そして無人島でのサバイバル試験です。特に無人島試験は、従来の筆記・交渉中心の試験とは異なり、体力・判断力・集団統率が問われる総合形式であり、各クラスの戦略性が明確に浮き彫りとなります。
さらに月城が送り込んだ刺客が綾小路を標的とすることで、試験は単なる学力競争ではなく、個人の思想や目的が交錯する政治的な局面へと変質し、イベント試験ではクラス間の協力と裏切りが同時に進行し、表向きのルールと裏側の駆け引きが二重構造として機能する点も見所です。これらの試験群により、シリーズの根幹である「実力至上主義」の理念がより鮮明に提示され、綾小路の立場と学園全体の均衡が大きく揺らぐ展開にハマります。
👑あかね噺 92点
『あかね噺』は、落語家の父・桜咲亭萬朝が阿良川一門から破門された過去を持つ桜咲朱音が、父の名誉を取り戻すため阿良川一門へ入門し、真打を目指して芸を磨く物語である。落語の所作、声、間、表情といった演技の細部を丹念に描き、伝統芸能の厳しさと若い演者の成長を軸に据えた作品であり、芸道ものとしての緊張感と青春性が同居する構成となっている。
今期の核となる学生大会では、朱音が「寿限無」で優勝を争う二人の強敵、高良木ひかると練磨家からしが物語の中心に据えられています。高良木ひかるは声優として活動し、舞台経験と発声技術を武器にした“聞かせる落語”を得意とする存在として登場します。声の表情と滑舌の精度が高く、観客の耳をつかむ力に優れています。一方、練磨家からしは昨年の優勝者であり、構成力と間の使い方に強みを持つ正統派の実力者です。演目の解釈が緻密で、観客の反応を読みながら噺を組み立てる高度な技術を備え、朱音にとって最も高い壁として立ちはだかります。朱音はこの二人と真正面から競り合うことで、勢いだけでは通用しない大会の厳しさを痛感し、観客の呼吸を捉える表現へと踏み込む必要性を理解していく過程がよく伝わってきます。
大会後、父を破門した阿良川志ぐまとの面談で突きつけられた現実が、朱音の覚悟を強固にし、今クールの最高潮のシーンを演出します。朱音の噺が“自分の落語”へと変化していく過程が鮮明に立ち上がる点が、見所として描かれており、次のクールへと繋がっていきます。
👑氷の城壁 89点
『氷の城壁』は、他者との距離を置いて生きてきた高校生の氷川小雪が、同級生の雨宮湊と関わることで、閉ざしてきた感情や人間関係に向き合っていく物語です。小雪が抱える“人と関わることへの恐怖”と、湊の持つ繊細さや優しさが対照的に描かれ、二人の関係がゆっくりと変化していく過程が作品の核となっています。恋愛要素を含みつつも、心の傷や不安を丁寧に扱う青春ドラマとして構成されています。
今期の焦点は、小雪と湊の距離を縮める中で、自身の“氷の城壁”がどのように崩れていくかが具体的に描かれる点かなと思います。湊のまっすぐな言葉や行動が小雪の心に変化をもたらし、小雪が初めて他者に感情を伝えようとする場面が増えていきます。また湊の友人である日野陽太や、雪の周囲の人物が二人の関係に影響を与え、小雪が抱えてきた孤立感がどのように揺らいでいくかが物語の軸として機能います。
さらに小雪が湊の抱える不安や葛藤を知ることで、関係性は一方的な支えではなく、互いの弱さを共有する段階へと進みます。静かな描写の中で心の変化を積み重ねる構成により、小雪が“誰かとつながること”を選び取る瞬間が強い印象を残し、作品全体のテーマである心の再生が鮮明に立ち上がる点が非常にうまく描かれています。個人的には、場面場面で急に2頭身のかわいいキャラクターに変化して表現する要素が、作品の強弱を補完する良い手法となっていたので、こちらにも注目して欲しいです。
👑異世界のんびり農家2 87点
『異世界のんびり農家2』は、病弱な人生を終えた街尾火楽が異世界へ転生し、万能農具を使って森の奥に「大樹の村」を築いた物語の続編です。吸血鬼、エルフ、獣人、天使族など多種族が集まり、農業・牧畜・開拓を通じて村が急速に発展していく第1期の流れを受け、村の規模拡大に伴う交流と騒動がさらに増していく段階が描かれてます。火楽の“のんびり農業生活”という願いと、村の成長が生む忙しさのギャップがシリーズの基調となっています。
今期では、具体的な新要素とイベントが物語を大きく動かします。まずハイエルフのゼノビア率いる商団の来訪により、大樹の村は本格的な交易ルートを持つことになり、外部勢力との交流が一気に拡大します。さらにドラゴン族のラファとグラッツの移住によって戦力と労働力が強化され、村の守備体制が大きく変化する点も重要です。家畜では新たに魔牛や巨大鶏の飼育が始まって畜産規模が拡大し、更に村の祭事として収穫祭や新年祭の準備が描かれ、多種族が協力して行事を作り上げる様子が群像劇として機能します。
また火楽が新たな畑を開拓し、果樹園や酒造設備を整備するなど、生活基盤の拡張が具体的に示されることで、村の成長が視覚的に理解しやすい構成となっています。外部勢力との接触、住人の増加、設備拡張が同時進行することで、火楽の“のんびりしたい”という願いとは裏腹に、村はより賑やかで活気ある共同体へと変化していく点を楽しみながら見ることができます。
👑彼女、お借りします 第5期 86点
『彼女、お借りします 第5期』は、ダメ大学生木ノ下和也が“レンタル彼女”の水原千鶴と関わり続ける中で、嘘と本心の狭間でもがき続けてきた物語の続編です。映画制作の成功を経て、和也は千鶴への想いを固め、関係は大きな転換点を迎えます。一方、強引に迫る更科瑠夏、和也の元カノである七海麻美、そして健気に寄り添う桜沢墨らが複雑に絡み合い、恋愛関係と人間関係の緊張が高まり、シリーズ全体で積み上げてきた嘘と選択がついに収束へ向かう段階として描かれてます。
今期の中心となるのは、ハワイアンズ編のクライマックスです。和也が千鶴への想いを明確にした一方で、麻美が千鶴へ急接近し、千鶴の“レンタル彼女としてのプロフィール”を握ったことで、和也が積み重ねてきた嘘が一気に崩れ始めます。麻美は和也との過去を踏まえた上で千鶴に揺さぶりをかけ、二人の関係を根底から揺るがす行動に出ます。さらに、瑠夏は和也を“彼氏”として強く求め続け、墨は自分なりの距離感で和也を支えようとするなど、各ヒロインの立場がこれまで以上に鮮明になります。
ハワイアンズという非日常の舞台で、和也・千鶴・瑠夏・麻美・墨・みにの六人がそれぞれの感情と選択を突きつけられ、恋愛関係は単なる三角関係ではなく“嘘の清算”と“本心の告白”が避けられない局面へと進んでいきます。和也がどこまで本気で千鶴を想い、千鶴が和也の気持ちをどう受け止めるのか、シリーズ最大の緊張感が高まるシーンが見所です。
👑キルアオ 84点
『キルアオ』は、伝説の殺し屋・大狼十三が任務中に謎の蜂に刺され、39歳から13歳の中学生へと若返ったことを契機に、暗殺組織Z.O.O.の指令で立花学園へ潜入する物語です。十三は相棒の猫田コタツの支援を受けつつ、蜜岡ノレン、古波鮫シン、天童天馬ら学園内の生徒や刺客と関わり、殺し屋としての過去と中学生としての現在が交錯する二重生活を送る物語です。学園コメディと暗殺アクションが融合した構成がユニークに描かれています。
今期は十三の正体を巡る学園内外の勢力が本格的に動き出すところから始まります。ノレンを狙う“魚缸(ユイガン)”の刺客である古波鮫シンとの対立は、学園生活の中に暗殺者同士の緊張を持ち込み、十三の行動に常に危険が伴う状況を生みだします。また学園のエリート集団“幻獣組(ユニコーン)”を率いる天童天馬が十三の能力に興味を示し、学園内の勢力図が複雑化していきます。
また後半は十三の元妻で科学者の瑛里が若返りの原因に関わっている可能性が示され、物語は学園内の騒動だけでなく、十三自身の身体の秘密へと踏み込む段階へ進みます。十三が中学生としての生活を続ける一方で、暗殺組織Z.O.O.の思惑や、学園に潜む刺客たちの動きが加速し、学園コメディの裏側としてのアクションがかなり本格的に描かれています。 青春・学園・暗殺という異なる要素が同時進行する作りは、ありそうでなかった組み合わせでなかなか面白いです。
👑神の雫 84点
『神の雫』は、世界的ワイン評論家である神咲豊多香の息子でありながらワインを一度も飲んだことのない神咲雫が、父の遺言により“十二使徒”と“神の雫”を探し当てる試練に挑む物語です。雫はライバルである遠峰一青と対峙しながら、ソムリエ見習いの紫野原みやびらと共に、父が残した謎と記憶を辿る物語です。ワインの香り・味・情景を物語として描き出す表現が特徴で、ワイン通じゃなくても見れる作りになっています。
ストーリーは雫が“十二使徒”の探索を進める中で、各ワインが象徴する物語と人物の背景がより深く描かれる作りになっています。特に第一使徒から第三使徒にかけては、ワインの香りや味が雫の記憶や情景として立ち上がり、父が残したメッセージの輪郭が徐々に明確になってきます。また遠峰一青との対決は、単なる知識比べではなく、ワインをどう感じるかという価値観の衝突として描かれ、二人の関係性が物語の緊張感が生まれます。
雫がワインの本質を理解する過程で、みやびや職場の仲間たちとの関係が変化し、雫自身の成長が人間ドラマとして浮かび上がります。各使徒の探索は、産地・生産者・歴史・風土といった具体的な情報が物語に組み込まれ、ワインを“読む”楽しさが強調される構成となっている点は見応えがあります。十二使徒の謎が進むにつれ、豊多香がなぜこの試練を残したのか、雫に何を伝えようとしたのかが核心へ近づき、シリーズ全体のテーマである“人生とワインの交差”がより鮮明に提示される今後の展開が気になります。
👑左ききのエレン 84点
『左ききのエレン』は、広告代理店・目黒広告社を舞台に、凡才のデザイナー朝倉光一と、天才的な画家山岸エレンの対照的な人生を描く物語となっています。光一は努力と現場経験で成長を重ねる一方、エレンは圧倒的な才能ゆえに孤独と葛藤を抱え、二人の歩みが“天才と凡人”というテーマを軸に交錯する物語です。広告制作の現場、クリエイターの苦悩、才能の残酷さをリアルに描き、仕事と表現の本質に迫る視点が見応えあります。
本作は光一とエレンがそれぞれの立場で“作品を世に出す責任”と向き合う点が注目ポイントです。光一は目黒広告社で大型案件に携わり、上司の神谷や同期の加藤らと共に、クライアントの要求と自分の表現の間で揺れながら成長していきます。特にプレゼンの成否が会社の命運を左右する案件では、光一の“凡人としての粘り”が試され、彼のデザインが初めて大きな評価を受ける局面が描かれています。 一方でエレンはニューヨークで画家として活動し、アートディレクターのサリバンやギャラリー関係者との関わりを通じて、才能ゆえの孤独と向き合うことになります。彼女が描く作品は高い評価を得る一方で、周囲の期待が重圧となり、創作の自由を奪う危険性が示されます。
光一とエレンは異なる場所で活動しながらも、“自分の表現を誰のために作るのか”という問いに直面し、二人の選択が物語の核心へと収束していきます。 広告とアート、凡才と天才、努力と才能という対照的な二人の歩みが互いを照らし合い、クリエイターとしての生き方が鮮明に立ち上がる点がシリアスなタッチで表現されており、社会人に見て欲しい作品です。
👑日本三國 83点
『日本三國』は、文明崩壊後の近未来、日本が大和・武凰・聖夷の三国に分裂した世界を舞台に、後に“奇才軍師”と呼ばれる三角青輝の台頭を描く戦記アニメです。悪政を敷く内務卿平殿器の横暴によって妻・東町小紀を失った青輝が、「復讐」ではなく「日本再統一」を誓い、農政と知略を武器に戦乱の世へ踏み出す物語が展開します。SF的な近未来設定と、三国志的な群像劇が融合した構成がおもしろいです。
序盤の核となるのは、青輝が辺境将軍龍門光英への仕官試験「登龍門」に挑むエピソードです。ここで青輝は、名門阿佐馬家の嫡子阿佐馬芳経(ツネちゃんさん)と出会い、武力で膝をつかせる芳経と、農政改革案で龍門を“納得させて膝をつかせる”青輝という、対照的な突破法が示されます。この試験を通過した二人が、大和の行く末を左右する存在として並び立つ構図が物語の軸になります。
続く「聖夷西征編」では、聖夷の将・輪島桜虎率いる大軍との戦いが描かれ、青輝の知略が初めて大規模戦争で試されます。寒冷化と飢饉に揺れる聖夷、武力統一を狙う平殿器、帝藤3世を傀儡とする大和、三国それぞれの事情が絡み合い、“誰が正義とも言い切れない戦乱”が立ち上がります。 戦場の派手さだけでなく、税制・農政・人口・兵站といった具体的な要素を戦略に組み込むことで、「理をもって武を制す」青輝の軍師像が鮮明になる点が、本作の大きな見どころであり、これまでにない世界観が見ごたえあります。
👑マリッジトキシン 82点
『マリッジトキシン』は、原作:静脈、作画:依田瑞稀による婚活バトルアクションです。主人公の下呂ヒカルは、数百年にわたり暗躍してきた殺し屋一族「毒使い」下呂家の次期当主として育てられた青年だが、一族の存続条件として「結婚して子をもうけること」を突き付けられる。殺しの技術だけを叩き込まれてきたヒカルは、常識的な恋愛観や社会性に乏しいまま、命懸けの任務と花嫁探しを同時にこなすことになります。
物語の軸となるのは、「毒使い」としての暗殺任務と、下呂家の存続を賭けた婚活が常に並走している点にあります。ヒカルは、標的の護衛や排除といった任務をこなしながら、相手の内面や価値観に向き合うことを強いられ、これまで培ってこなかった“人間としての感情”や“伴侶を選ぶ視点”を少しずつ獲得していきます。殺し屋としては合理的な判断が求められる一方で、婚活では相手に信頼され、受け入れられることが重要になるため、ヒカルの中で「毒使い」と「一人の青年」という二つの顔が激しく衝突する内容が描かれています。
作中では、ヒカルの過去や下呂家の成り立ち、一族に課せられた掟が徐々に明かされていき、単なる婚活ラブコメではなく、“血筋と役割に縛られた者が、自分の人生をどう選び取るか”というテーマが前面に出てくるようになります。暗殺アクションの緊張感と、婚活という日常的な題材のギャップが強いコントラストを生み、ヒカルの成長と葛藤が物語全体の推進力となっている点が、作品のおもしろさを際立たせています。
👑LIAR GAME 82点
『LIAR GAME』は、甲斐谷忍による心理ゲーム漫画で、突然送られてきた一億円をきっかけに、正直者の神崎直が強制的に参加させられるところからスタートします。参加者は互いを欺き、奪い、裏切り合うことが前提のルールに縛られ、敗者は莫大な借金を背負います。直は天才詐欺師 秋山深一と手を組み、極限状況で人間の欲望と心理を読み解きながら、ゲームの本質と運営側の意図に迫っていくスリリングな作品となっています。
本作の核は、各ラウンドで提示されるゲームの構造と、それを攻略するための心理戦にあります。ゲームは単純なルールに見えて、参加者の行動原理・集団心理・損得計算を踏まえると複雑な罠が仕掛けられており、秋山は論理と心理操作を駆使して勝利条件を再定義していく流れが見所です。一方で直は極端な善良さゆえに騙されやすいが、他者を信じる姿勢が時にゲームの流れを変える力となり、秋山の戦略にも影響を与えるようになります。 ラウンドが進むにつれ、参加者同士の関係性は「敵か味方か」という単純な構図を超え、信頼・裏切り・再評価が繰り返されるようになります。
ゲーム運営側の目的や、秋山が過去に負った傷も明かされ、単なる頭脳戦ではなく、人間の本質を暴く社会実験としての側面が強まっていきます。 緻密なロジック、心理の読み合い、そして“人は他者を信じられるのか”というテーマが重層的に絡み合い、最後まで緊張感が途切れない構成が本作の最大の魅力となっているため、万人ウケする作品としてオススメです。
👑ニワトリ・ファイター 81点
『ニワトリ・ファイター』は、桜谷シュウによるバトルアクション漫画で、巨大怪物「鬼獣」に蹂躙される日本を舞台に、一羽の雄鶏ケイジが人類を救う物語です。ケイジは妹サラを鬼獣に殺された過去を持ち、その仇である白い鬼獣を追って各地を渡り歩く“渡り鳥”として戦い続けます。見た目は普通のニワトリだが、人間並みの知性と圧倒的な戦闘力を備え、次々と鬼獣を粉砕していくちょっと変わった話になっています。
物語の中心となるのは、鬼獣という「人間の強い負の感情から生まれる怪物」と、ケイジの復讐と救済の旅になります。鬼獣は宿主の歪んだ感情を反映した異形の姿へ変貌し、都市を破壊し人々を襲う存在として描かれる一方、元は人間であるという事実が、戦いに重い倫理的な影を落とします。ケイジは強烈な咆哮による音波攻撃と俊敏な身のこなしで鬼獣を倒しながら、妹サラを奪った白い鬼獣ガクマを執念深く追跡していく旅の途中で、仁義を背負うヒヨコのピヨ子や、電撃武器を操るメンドリのエリザベスら仲間と出会い、彼らとの絆が物語に人間ドラマならぬ“鳥ドラマ”を生み出すストーリーとなっています。
ケイジの「トサカにくるぜ」という決め台詞や、鬼獣のグロテスクな造形と緻密な作画が、異色でありながら王道性の高いヒーロー譚としての魅力を支えている一方で、作風が合わない人もいそうな感じに見えます。とはいえ、ニワトリが主人公という異色を放つ設定は、また違った味わいがあり、個人的にはもう少し追いかけたい作品に感じました。
👑魔物喰らいの冒険者 81点
『魔物喰らいの冒険者』は、錬金王によるライトノベルを原作とした異世界ファンタジーで、戦闘能力が低く「瘴気漁り」と蔑まれているEランク冒険者 ルード が主人公となっています。彼はユニークスキル「状態異常無効化」を持つが、当初は瘴気に満ちた迷宮で薬草を採る程度にしか役立っていないものでした。ところが仲間に裏切られ瀕死となったルードは、生き延びるため禁忌とされる魔物の肉を喰らい、その結果として魔物のスキルを取り込み、急速に強くなっていく物語で、その成長により強くなっていく様がよく描かれています。
物語のポイントは、「魔物食」という禁忌行為を通じてルードが成り上がっていく過程にある。魔物の肉を喰らう行為は本来、人間が魔化して怪物化する危険な禁忌だが、ルードの「状態異常無効化」がそのリスクを打ち消し、代わりに魔物固有のスキルや能力を獲得する手段へと変わる設定が重要となっています。
ミノタウロスなど強力な魔物を喰らうことで、筋力・耐久力・魔法能力が段階的に強化され、底辺冒険者だった彼は、通常の手段では到達できない領域へ踏み込んでいきます。 一方で魔物食は社会的には徹底して忌避されており、ルードは力を得るほど周囲からの視線や評価とのギャップに苦しむことになります。元Sランク冒険者のエルフ少女 エリシア との出会いと共闘は、彼の力が単なる自己満足ではなく、他者を救うためにも使われ得ることを示し、物語に人間関係の厚みを与えてくれます。
迷宮や瘴気、冒険者ギルドの階級構造など世界設定も細かく描かれ、禁忌を破って強さを求めることの是非や、力と人間性の両立がテーマとして浮かび上がり、更にグルメ要素とバトル成長要素が結びついた構成が、本作の魅力を大きくしています。作画は他の大型作品のような力作ではありませんが、内容では負けていない仕上がりを期待できるものとなっています。
👑リィンカーネーションの花弁 81点
『リィンカーネーションの花弁』は、小西幹久によるダークファンタジーで、前世の偉人の才能を現代に再現する“輪廻の枝”を巡る争いを描いています。主人公扇寺東耶は、首を切ることで前世の偉人の能力を呼び覚ます特異な体質を持ち、その力を使いながら同じく前世の才を宿す者たちと対峙していく話です。偉人の才能が現代社会の裏側で衝突し、東耶は自らの力の意味と、才能を巡る争いの本質に踏み込んでいきます。
東耶の成長は、才能を一つ得るごとに戦い方が大きく変化し、その変化が物語の推進力となっています。初期に手にした花弁は、彼が輪廻の枝の力を扱うための基礎となり、戦闘での反応速度や攻撃の精度を底上げする役割を果たしますが、より強い敵と対峙する中でその力だけでは通用しなくなり、東耶は自らの限界を突破するために新たな偉人の花弁を求めることになります。
その過程で、串刺し公として知られるヴラド・ツェペシュの才を得た場面では、東耶の攻撃が一瞬で敵の防御を貫くほど鋭さを増し、戦況を一気に変える突破力を得ます。また舩坂弘の不死の兵の才を得た後は、極限状態でも立ち上がる粘り強さが東耶の戦闘に新しい層を加え、死線を越える戦いが可能になり、柳生十兵衛の一寸の極みを手にした段階では、間合いの支配が戦闘の中心となり、敵の攻撃を寸の差で見切る精密な剣技が東耶の武器となります。
これらは同列の力ではなく、物語の中で東耶が直面する敵や状況に応じて必要となった“段階的な成長”として描かれ、新たな花弁を得るたびに戦闘が別物へと変わり、次はどの偉人の才能が現れるのかという期待が読者を引き込む構造になっている点が惹き付けられるポイントに感じます。
👑最強の職業は勇者でも賢者でもなく鑑定士(仮)らしいですよ? 80点
『最強の職業は勇者でも賢者でもなく鑑定士(仮)らしいですよ?』は、原作あてきち・漫画武田充司による異世界ファンタジーで、主人公の高校生である真名部響生(ヒビキ)が、異世界で「鑑定士(仮)」という地味な職業を与えられるところから始まります。ヒビキの持つスキルは「鑑定」をはじめとする非戦闘系ばかりだが、その鑑定が武器・魔物・人間の潜在能力まで見抜く超チートであることが判明し、勇者や賢者すら凌ぐ力へとつながっていくという設定です。
物語の軸は、戦闘職ではないヒビキが、鑑定によって世界の仕組みと仲間の真価を見抜き、少しずつ「最強」に近づいていく過程にあります。召喚直後は広大な草原で一人さまよい、魔物が跋扈する世界で生き残ることすら危うい立場だったが、エルフの弓使いエマリアや、呪いで弱体化した獣人の槍使いクロード、膨大な魔力を秘めた少女リリアンらと出会い、鑑定で彼らの隠された能力や適性を見抜いていくことで大きく変わります。
ヒビキは、自分では直接殴り合わずとも、仲間に最適な装備を選び、スキルの組み合わせを導き、敵の弱点や罠の構造を解析することで、パーティ全体の戦闘力を段階的に引き上げていくことができます。 鑑定は次第に、アイテムやステータスを見るだけでなく、神々や魔神が絡む大きな仕掛け、地底都市テラダイナスの謎、魔王候補生とされる存在の正体など、世界そのものの構造に踏み込む手段へと変わっていくようになり、面白さが増していきます。
視聴者の楽しみは、ヒビキが新たな対象を鑑定するたびに「この世界は実はこうなっていた」という裏側が明らかになり、その情報を使って次の戦い方がガラッと変わる点にあるように感じます。勇者でも賢者でもない鑑定士(仮)が、知識と洞察を積み重ねて最強へ近づいていく構造が、いかにして頂に行くのかという想像を搔き立ててくれます。
👑クジマ歌えば家ほろろ 80点
『クジマ歌えば家ほろろ』は、紺野アキラによる漫画で、主人公は中学1年生の少年鴻田新。ある日、新はロシアから来たという鳥のような謎の生き物 クジマと出会い、自宅の鴻田家に春まで居候させることになります。共働きで夜遅い両親、浪人中で神経質になった兄・英との間に、クジマが入り込むことで、少し暗さを帯びていた家の空気が徐々に変わり、笑いと騒がしさを伴う温かい日常へと塗り替えられていくホームコメディ作品です。
物語は新が川で虫を食べていたクジマを助け、家に連れ帰るところから始まります。最初は得体の知れない生き物を家に置くことに両親も戸惑うが、クジマの素朴な振る舞いが家族の緊張を少しずつ解きほぐしていきます。特に兄・英は受験のストレスで家族との会話も減っていたが、クジマが家に来てから生活リズムが整い、勉強に向き合う余裕が戻っていくようになります。
冬休みにはこたつで丸くなって太ったり、祖父母の家で親戚に囲まれて右往左往したりと、クジマにとって初めての日本の季節行事が次々と描かれていきます。こうした騒がしさが、鴻田家に欠けていた“家族が同じ時間を過ごす感覚”を取り戻していき、やがて英の受験結果が出る頃には、クジマの存在が家族の支えになっていたことが自然に伝わり、春の別れが近づくにつれて、短い同居期間がどれほど家族に影響を与えたかが浮かび上がってきます。
クジマという不思議な生物を介して、家族の絆や人の優しさに触れるシーンがアットホームに描かれており、余計な邪念なく、シンプルに感情に刺さるタッチで描かれている点がとても良かったです。
📚総評
90点以上の作品が3本、80点以上が13本と豊作となりました。
転スラや実力至上主義の教室へなどの大型作品は期待通りでしたが、
あかね噺がA+からSクラスの評価になったのは良かったです。
今回初アニメ化だった中では、氷の城壁、キルアオ、神の雫、左ききのエレン、日本三國は続編も期待させるデキだったと思います。私の中で全体的に低評価になりやすい学園物でありながら、高評価になった氷の城壁は自分でも意外でした。
魔物喰らいの冒険者、マリッジトキシン、ニワトリ・ファイター、リィンカーネーションの花弁、最強の職業は勇者でも賢者でもなく鑑定士(仮)らしいですよ?は好みが分かれるので、世間の評価次第だと思いますが、マリッジトキシン、リィンカーネーションの花弁は続編あるのではと思ってます。
LIAR GAMEはそもそもが大ヒット作品なので、最後まで描かれるでしょう。
点数はあまりですが、霧尾ファンクラブは設定がおもしろく、シュールな面も多く、刺さる人には刺さる作品でしたね。
あとは好みの問題で、あまりにシンプル過ぎるのは私には刺さらなかったなという感じです。よわよわ先生、メイドさんは食べるだけ、上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花、女神「異世界転生何になりたいですか」俺「勇者の骨で」、逃がした魚は大きかったが釣りあげた魚が大きすぎた件、淡島百景
ゴーストコンサート : missing Songs、ガンバレ!中村くん!!、自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。、一畳間まんきつ暮らし!などの作品はただのエロ系、パターンが読める、単純にギャグがおもしろくない、期待が膨らむ展開がないなどの理由でダメでしたが、これは好みの問題かと思います。
初作品が多かった割には豊作で良かったです。
この流れで7-9月の夏クールへの期待が膨らみます!
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今日の夕飯は外食にします!!